January 05, 2011

繋がる

あの日、おまえを乗せたカートをみんなで囲んで歩いて帰った夜。それまで曇っていた空が急に晴れて、月が輝いた。
それから交わる二本の飛行機雲…。

静かで、なんだか不思議な空だった。



ねぇ優月。
この一年間、私めちゃくちゃ頑張ったよ。
おかげで人生が一変した。もちろんいい方向に。

私はおまえがいたことを間違いにしたくなかった。悲しんで後ろ向いて泣き続けて、それをおまえへの愛だとは言いたくなかった。

ねぇ優月。
私、毎日笑ってるよ。
おまえが残してくれたもの、ちゃんと今に繋げて生きてるよ。

今ね、優月の大好きだったモーツァルトを聴きながら、優月のクッションの端っこを枕にして、カーテン越しに日向ぼっこしながらこうしてブログを書いている。あの頃みたいだね。

モーツァルトの広がりある明るい曲調と今日の穏やかな陽射しとが、どうしても絶望的な気持ちにはさせてくれない。楽しいことばかりが浮かんでくる。

優月のいた日々。本当に楽しかった。
楽しかったね…。

あの日があまりに突然過ぎて、前日までとそれ以降とがどうやって繋がっているのか、本当に繋がっているのか、未だに分からなくなるけど…。

優月がいたから今の私があって。
優月がいたから私の今があって。

やっぱり全部繋がっているのだろうと思う。
私が前を向いて今を歩いている限り、そこに笑顔の優月もいるのだろうと思う。

これからも、一緒に歩こう。

ずっとずっと一緒だよ。
ねぇ優月…。




itachimaru at 16:28|PermalinkComments(6)TrackBack(0)

最高の笑顔(10.1.4.)

そろそろ夜ゆづんぽに行こうか。
そう言っていたところで携帯が鳴った。久しぶりの人からの少々込み入った話だったので、思わぬ長電話になってしまった。

途中で優月はトイレに行きたくて、でも普段ならひとりででも行けるのに、私に「一緒に来て」と言った。気を引きたかったんだろうなぁ(笑)。
バタバタと階段を降りていく優月に私もついていって、号令をかけた。電話口で友人が笑っていた。

電話を切ったのが23時30分過ぎ。遅くなっちゃってごめんね。ゆづんぽ行こうね。

あまり遠くに行ける時間ではなかったから、まず河原を走りに行った。リードを付けたまま一緒にダッシュダッシュ!!
…していたら、急にスピードを緩めた優月さん。突然もりもりうんこ。

すっごくね、健康的なブツでした。

それからフェンスの公園に行き、フリーにしてから、まずはレンゲちゃん探し。
公園に何故か脈絡なく落ちていたレンゲをくわえて走り回るのが、この頃の優月のお気に入りだった。

優月がひとりで遊んでいる間、私は野球のグローブを発見。忘れ物かとも思ったけど所々ヒモが切れているし、あちこちボロボロだし、使ってもいいかなぁ。

優月を呼び戻してグローブを見せると、レンゲちゃんいきなりの降格、瞬時に捨てられる( ̄∀ ̄)

キラッキラの瞳でグローブを見上げる優月に、はい、「座れ」「待て」。
優月がグローブと私の顔を交互に見ながら、

『よし まだ? よし まだ?』

なんだその笑顔~。お尻浮いてるよ(笑)。足がチャカチャカしてるよ(笑)。

「よし!!」

声と同時に、宙にかざしたグローブにジャンプで食いつく優月。

『たのしいね! ママ! すごくすごくたのしいね!!』

グローブを引っ張る力がものすごく強くなっていて。一年前のあのヨロヨロしていた優月が嘘みたいだ。
あぁ、優月は元気になったんだなぁ。
優月の楽しい犬生はこれからだなぁ。

最高の笑顔。

翌日に何があるかなんて知らなかったはずなのに、私はこの笑顔を一生心に刻んでおこうと…、本当に不思議だけど、この時そう強く思った。

散々引っ張りっこをして走り回って。でももう遅いから、今日は帰ろうか。
また明日。また明日、続きをしにこよう。

グローブを公園の倉庫の上に隠し(←忘れ物だったら持ち帰るわけにはいかないが、でも他の人に見つからないように…)、優月にリードを付けて公園を後にする。

優月、よっつの足で「たしっ」と踏ん張る(笑)。

『まだかえりたくないよぅ』

しかし、ここでちょうど雨が降り出した。

雨が強くなる前にと走って家に帰り、パパにひとしきりじゃれついてミルクちゃんを飲んで、優月はおやすみなさいの時間だよ。

私がリビングのソファに横になると、優月はその隣に敷いた布団にやってきて丸くなる。
寝ている間にカイカイする優月の後ろ足を、私はいつものように手を伸ばして握ってまどろむ。


何だかとても楽しい日だった。
明るい未来しか想像できない、笑顔あふれる1日だった。

この日を含めた最後の1ヶ月間は、優月が私たちに用意していってくれた準備期間だったのだと思う。
してやれることを最大限してやれた、そして、

『あたし しあわせだったよ』

そう伝えてくれた…

優月のくれた準備期間だったのだと思う。




itachimaru at 00:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

January 03, 2011

裏ゆづんぽ(30)〜いつまでも一緒〜

ご覧の皆様、ご無沙ターメリック。いたち丸ダンナです。

優月の姿を失ってから何を書いていいものか分かりませんでした。優月に関する事を文章にする機能を失ったようです。

だから今少しだけ、優月が、みんなが傍に居てくれている奇跡について書きたいと思います。

優月が、アトピー悪化に伴い我が家における優先順位の筆頭になった時期、私は会社の人事異動を受けて勝手の違う現場で仕事をしていました。

出だしで業務内容を覚えるのに苦労した為上司のウケは悪く、憔悴して家に帰れば僅かな時間も目を離せない優月と疲れ切ったいたち丸、そして優月のストレス軽減の為にかなりの運動を伴うゆづんぽが待っていました。

当初、休む時間も充分に確保できない私といたち丸の衝突は絶えず、互いを思いやれるようになるまでしばらく時間がかかりました。

その時期の優月は私に対して、走り回って楽しいゆづんぽ以外では笑顔を見せてくれませんでした。私の心中を優月が映していたのでしょう。

それでもなんとか前向きにやっていけて、優月の笑顔を再び見る事が出来るようになって、家族三人で頑張れてるなあと思っていた所で優月を失ったのです。

仕事はうまくいかないままで、そのストレスをゆづんぽで、優月の笑顔で癒していた事に気づいた私は、ある日仕事から帰宅するなり着替えもしないまま布団に突っ伏しました。

絶望感から涙が止まらなくなり、とにかく動けないまま涙を流し続けました。

いたち丸は離れた所で私をほっといてくれました。※それがいたち丸の優しさです。念の為。

つらい。生活していくのがつらい。仕事なんてもう行きたくない。ずっと眠ってたい。

そんな考えにとらわれた時、耳元で布団がポフッと鳴りました。

顔を上げても誰もいません。いたち丸はキッチンにいます。

そう言えば、優月は布団に寝転がった私によく場所を割り込むように寄り添ってきたなあ。可愛いおててで布団をポフッと叩いて伏せてたなあ。

その事に気づいた私はいたち丸を呼んで言いました。優月がいる。今ここに伏せてた、って。

涙は止まらないまま暖かいものに変わり、私は次第に落ち着きを取り戻しました。

まだ頑張れる。優月はいる。いつまでもみんな一緒なんだ。


気づけば我が家は賑やかに感じます。見えないけれど、誰かがよく音を立てます。

キッチンで戸棚をカタカタ鳴らすのは回し車を走る左近だよ。一階の床をコトンと鳴らすのは導がクネクネ走り回ってるんだな。今階段の壁をブンブン振るしっぽでパシッと叩いたのははしゃいでる優月だね。

みんながこの家に生きてる実感が今は感じられます。

最後まで前向きにそれぞれの肉体ある生を全うした事を忘れない。そして彼らが私達と共にいる事を忘れないでいたい。そのように思います。


ただ願いが叶うなら、みんなをもう一度抱きしめたい。決していい父親でなかった私の後悔がここに残ります。



itachimaru at 22:47|PermalinkComments(2)TrackBack(0)裏ゆづんぽ 

January 02, 2011

「3歳のおねえちゃんなのに!」(10.1.2.)

優月がトイレを失敗して、私はそう叱った。

「優月は3歳のおねえちゃんなのに! もうすぐ4歳のおねえちゃんなのに! なんでトイレの外でしたの!!」

…本当はこれ、優月は悪くなかったんだ。

優月は水を沢山飲ませていたためトイレが頻繁で、毎回全部のシーツを替えるのは経済的に苦しかった。だから端を重ねて6枚敷いてあるシーツのうち、汚れの少ないものは再利用していた。

優月はそれが嫌だった。汚れを避けようとしたら、トイレからはみ出してしまった。
それだけだった。

叱られた優月は泣きそうな顔でうつむいていた。

『ママ ごめんなしゃい ごめんなしゃい おこらないで…』

いっぱい謝っていた。

シーツくらい全部替えてやれば良かった。
使い道のなくなった優月のトイレシーツ、今、大量に残ってる。





夢を見る。
夢の中で、優月はもうすぐ死ぬことが分かっている。
だから私は優月に出来る限りのことをする。

夢の中で、優月はトイレを大々的に失敗する。洗面所でしてしまったり(笑)。

私は笑って優月を撫でて、いいよいいよって言ってやる。優月が申し訳なさそうな顔で、それでも照れくさそうに『えへ』って笑う。

夢の中で、優月が私を許してくれる。

何度も何度も、私を許しに来てくれる。

ありがとう。
ごめんね。




ごめんね。





itachimaru at 12:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0)優月 

ゆづ笛

これは普通に毎日ブログを書いていた時からやっていたのに、何となく書きそびれていたもの。
優月には犬笛で「来い!」を教えていました。

…「来い」だけですが。
いいのいいの、災害時にはぐれた時用のつもりだったんだから( ̄▽ ̄)

優月は何が気に入ったのか、犬笛が大好きでした。リードを外して遊ばせていても、笛の音が聞こえると、足を空転させながら猛ダッシュで突っ込んできました。

この《ゆづ笛》、今では僕の御守りです。吹けばきっと、優月がすっ飛んできてくれているはずです(^^)



itachimaru at 12:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)優月 

一緒におせち(10.1.1.)

さてさて。メモには「年越し散歩/年越しそば」というのも書いてあるのだが…、詳細がさっぱり思い出せず。
ただ、三人で二年散歩に行ったことと、優月にも年越しそばを作ってみんなで食べたことは覚えている。

多分ただただ平凡な、平和な一日だったんだろうなぁ。

お正月には優月用にお雑煮(餅はなし)を作ってね、一緒に和室でちょっとだけ煮物や栗きんとんも食べたりした。

撮影用に「待て」をさせられているので、微妙に不機嫌顔ですが(笑)。
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優月は顔もこうして綺麗になってきていたけど、12月に入ってからはとにかく全身にアンダーコートがもふもふ生えてきていた。
最後に獣医さんに
「優月はずっと死ぬような原因を抱えていたのに、私が予兆を見逃していただけか」
とお尋ねしたところ、…まぁ亡くなった後に追い討ちをかけるようなことは仰らないのかも知れないが、

「今までの自分の経験から言えば、例えば手術なんかで毛を剃った時でも、死に向かっている子はそのあと毛が生えてこないんですよ」

と…。
だから優月の死は私の不注意ではなく、やはり突発的なものだったのではないかと言ってくださった。

私の気持ちを気遣ってくださっての言葉かとも思うが、このおかげでほんの少しだけ救われている。

優月はこの時は、まだ多分、本当に元気だったんだ。





itachimaru at 02:42|PermalinkComments(1)TrackBack(0)優月 

ラストクリスマス(09.12.24.)

正直なところ、もう私には体力的な余力がなかった。そこに優月が回復してきたことによる緊張の緩み…。

クリスマスどころじゃないっス( ̄ー ̄)

って思ってた。
これから優月は良くなっていくんだから、今年は無理してしなくてもいいかなぁ、と。

だけど。優月はもっともっと頑張ってきたんだ。
そんな優月に、何かご褒美をあげたかった。

自分たちのことはしなかったが、優月にご馳走を作った。
私がキッチンにいると優月は何度も何度も笑顔で覗きにきて、つまみ食いを楽しんでいた。
ダンナも家にいて、優月はダンナに遊んでもらいながら、晩ご飯が出来るのをソワソワバタバタしながら待っていた。


頑張っておいて良かったと、今、心から思う。

あれが最後のクリスマス。
笑顔いっぱいのクリスマス。

自己満足でしかないけれど、ちゃんとやってやれたという思いから、私は後悔を残さずに済んでいる。

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itachimaru at 02:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0)優月