第449話 メイビスとゼレフ
無事正式に復活したフェアリーテイル
マカロフが皆にルーメン・イストワール(フェアリーハート)の真実を語ろうとしたその時
メイビスが現れ、自身の口から語られる
100年以上も昔、フェアリーテイル創設の少し前
マグノリアの西の森
メイビスは偶然ゼレフと出会った
メイビス「彼はアンクセラムの呪いに苦しんでいました それは意図せず人の命を奪ってしまう呪い
しかし私は彼に惹かれた 彼からたくさんの魔法を教えてもらった
当時マグノリアは闇ギルドに支配されていました 私たちはマグノリアを解放すべく魔法を覚えたのです
そしてその戦いの中、私は未完成の黒魔法を使い勝利しました
その代償に私の体は成長ができない体になってしまったのです ですがこの時、私はそれを何とも思ってなかったのです」
x686年4月、フェアリーテイル創設
当時は領主同士の通商権争いが激しく、第2次通商戦争が始まった年
やがて魔導士ギルドも傭兵として領主たちの戦いに巻き込まれていった
指揮をとるメイビス
突拍子もない指示に兵たちが驚く
指示の意図を説明するメイビスに兵達は目を見開いて驚く
メイビス「有効な対処法は49思いつきますが、まずは左翼を後退させるべきです そのまま中央部隊と統合、雁行の陣にて敵の出方を見ます」
ユーリ(後にマカロフの父となる)「また始まったよ…姫さん…」
プレヒト(後にフェアリーテイル2代目マスター、その後グリモアハートのマスターとなる)「あんな物騒な姫いるもんか」
ウォーロッド(後に聖十大魔導序列4位となる)「しっかし大した分析力なんだよな」
ユーリ「で…オレたち魔導士部隊の出番はまだかい?」
メイビス「敵の魔導士部隊を足止めして下さい 西からの増援可能性が85%、気をつけて」
ユーリ「いっちょ暴れてくるかっ!!」
プレヒト「フン」
ウォーロッド「行くぞ野郎どもーっ!!」
メイビス「信じてます!!」
あっけにとられる兵達「あれがフェアリーテイルのちびっ子マスターか?」「妖精…?」
そして勝利する
白目をむいて更に驚く兵達「勝っちまったよあの戦力差で…」「妖精…軍師…」
勝利に祝杯をあげる一同
しかしメイビスは浮かない顔をしている
ユーリ「どうしたメイビス」
メイビス「…今日の戦では何人が命を落としたのでしょうか この戦争はいつまで続くのでしょうか 早く冒険がしたいです」
ユーリ「…」
x690年、第2次通商戦争は終結した
第1次戦争に比べ、各地での◯傷者の数は数十倍にのぼった
それは戦争に魔導士ギルドが介入したのが原因だと言われた
これを受けて魔法界はギルド間抗争禁止条約が締結された
こうして魔法界にはしばしの平和が訪れました
6年後のx696年
メイビスは偶然にもセレフとの再会を果たす
ゼレフ「メイビス…」
メイビス「いつかの黒魔導士さん!!わーい♡」
喜んで駆け寄るメイビス
ゼレフ「わ!待って…覚えているよね僕の呪いの話」
メイビス「もちろん!!」
ゼレフ「だったら…」
ゼレフに抱きつくメイビス「あの時あなたのおかげで勝利できました あなたのおかげで友を救えたのですよ」
2人は座りこんで話をする
メイビス「ゼレフ!?あの黒魔導士ゼレフ!?あなたが!?」
ゼレフ「だから名前は言いたくなかったんだ」
メイビス「300年も生きてるっていう…あの?」
ゼレフ「うん…まあ…それくらい経つのかな」
メイビス「全然噂とは違いますね」
ゼレフ「悪い噂かい?それなら大体噂通りだよ」
メイビス「そんなハズはありません!あなたは優しい目をしています 私は噂なんて信じません」
ゼレフ「君は純粋すぎるんだよ」
メイビス「そういえばユーリ覚えています?今度子供が生まれるんですよ」
ゼレフ「あの少年が父親に?」
メイビス「あれからもう10年ですからね」
ゼレフ「君はあの頃のまま変わってないんだね」
メイビス「あ…この体…はい…そうですね 10年前に未完成の黒魔法を使った代償です でも後悔はしていません 友を助ける為だったから」
ゼレフ「ロウを使ったのかい!?」
メイビスの額に額を合わすゼレフ
顔を急に近付けられて驚くメイビス「わっ何ですかいきなり」
ドキドキするメイビス「あの…」
目を見開くゼレフ「成長が止まってるんじゃない…僕と同じ不老不◯になっているんだよ」
メイビス「え?」
ゼレフ「命の選別をしたのか…自分の裁量で アンクセラムの呪いだ 人の命を尊く想えば想うほど人の命を…」
メイビス「そんな事ありません!!わ…私は…私の周りでは…人は…◯んでいかない」
ゼレフ「今はそうかもしれない…そうか…少し前に戦争があったね
戦争は命の倫理観を鈍らせる 君はそのせいで命に対する考えが揺らいでいるんだ」
メイビス「そんな…私は…!!」
ゼレフ「真の意味で命の尊さを知らないんだよ その尊さを知った時、君の周りの命は消えてゆく」
メイビス「なんで…そんなヒドイ事言うんですか…」
ゼレフ「それが事実だからだよ」
メイビス「私…あなたの事…」
ゼレフ「噂通りの男だと理解してくれたかい?」
走ってその場を離れるメイビス
ゼレフ「やはり君には素質があったんだよ 僕と共に歩く素質がね」
走るメイビス「(信じない!!そんなの信じない!!命は大事!!尊い!!私は知っている!!
私は知ってる!!愛する仲間の命の尊さを…私は知ってる!!)」
涙が溢れるメイビス
その頃、マカロフが生まれる
次回、FAIRYTAIL フェアリーテイル 450 へ!!
第450話 世界でただ一人