といろといろいろ

ちょっとえっちな漫画を描いてます。

漫画作りとサービス精神

脳を目覚めさせる為に何をすべきか、という主旨の動画を見ていたら
努力する時は自分だけが幸せになる事を目指すと上手く行かない、と言っていた。
必ず、自分も幸せになり、他人のためにもなるようなことをすべきだと。

それを聞いて、漫画を作る時もこれだなあと思った。
漫画に限らずだけど「私が描きたい私の好きな物」だけを描いてもだめで
それが必ず「他の誰かも読みたいと思えるもの」でなければいけないと。

何かこう描くとすごい当たり前の事なんだけど、作者以外が求める物を
考えるのって結構難しいよなと。
よく漫画のストーリーとかの批評で「独りよがり」と言われてるのを見かけるけど
あれはまさに他人を喜ばせる視点が欠けてるって事なんだと思う。

具体的にその「他人」って誰?となるとそれは特定出来ないんだけども
まあ強いてあげるなら自分の漫画が好まれそうな読者層を意識するって事なのかな?
私で言うなら『30代以上の女性』とかになるのかな。
そのすべてってのは勿論無理なんだけど、割と「読みたい」と思われそうな要素を
よく考えてしっかり入れ込んでいく。
そこはベタで王道でいいんじゃないかと私は思う。
これだけ漫画が多すぎる世の中で「まだ誰も描いたことがない漫画」なんて無理だし
予想がある程度つく安定感、というのも私の世代の女性には向いてるのかなと。


私はこういうのが好きだから~!これが私の好みだから合う人だけついてきてー!
というのも悪いとは思わなくて、それが魅力的でコアなファンがつく作家さんも沢山
いるんだろうなと思うしそのスタイルで売れたらベストで正直うらやましい。
でも私にはそこまで光る個性とか尖ったセンスとかはなくて、そんな平々凡々な
私にも描ける需要のある作品ってなんだろう?と限られた中から考える。

そうやって考えて、誰かが「読んでて面白い」と少しでも思ってくれる物を
作りたいし、結局自分が幸せになるにはそうやって他の誰かを喜ばせるしか
無いんだろうなーとも思う。
昔、私にはそういうサービス精神がほぼなくって、自分がどう思われるかばっかり
考えて生きてたので漫画にもそれが出てたんだと思う。
それで担当さんから「もっとあざとくていいんですよ」と言われた事があった。
当時の私は若くて青くて、あざといって言葉が何かいやで微妙に受け入れがたかった。
でも今なら言いたいことよくわかる気がする。あざとさってつまりサービスで
「読者さんをもっと喜ばせて楽しませろ」って話だったんだよね。

真面目に純粋に漫画作りに向き合うばかりにそうなってしまうことがあるなと思う。
その純粋さが素晴らしい名作を生む事もよくあるので、誰もがあざとくなるべきとは
私は思わないのだけど、少なくとも私みたいに飛び抜けた何かを持ってない場合は
惜しみなくサービスしていかなきゃね、と感じたのでした。






面白い漫画について考える

「面白い漫画」ってなんだろう、って最近良く考える。

はじめてちゃんとコマを割って漫画を描いたのが確か小学三年の時。
それからほぼ毎日のように漫画を描いて、商業デビューしてもうすぐ20年。
「面白い漫画」について、考えた事がなかったわけはないけど、ちゃんと分析するのは
意外としてこなかったかも。


「面白い」と「売れる」はイコールなのか。
そもそも誰にとって面白いのか。
趣味ではなく仕事で描くなら「より多くの人にとって面白い漫画」でなくてはならない。
その要素ってなんなのか。

「売れる漫画」ということなら、まあわかりやすいのはまずは絵柄と画力。
ここが飛び抜けていればそこそこ売れるんじゃないか?と思う。甘いかな?
絵が下手でもキャラやストーリーが面白ければこれも売れると思う。
最近は漫画に求められる画力あがってるな~と感じるので、昔よりは厳しいのかな。

私にとってはめちゃくちゃに面白くて大好きな作品でも、レビューなど読んでみると
不満を書いてる方が絶対にいる。ごく少数だけど。
なので「絶対に面白い漫画」というのは無いんだけど、言語化は難しいけど漠然と
「この漫画は面白い」と思える漫画はある。
その面白さが一体何なのか、どこを見て私はそう感じてるのかを言語化出来たら
自分の作品に反映出来そうなのになと思うんだけど、なかなか難しくて歯がゆい。

逆に「面白くない」と感じた漫画を分析するのもいいかもしれない。
何で面白くないのか。どうすれば面白くなるのか。自分の漫画でその分析ができたら
何よりなんだけど、なかなかそこの客観視が難しい。
身内に聞いても面白いよって言ってくれるし、それはとても有り難いけどそういうしか
ないよね、という気持ちもある(とても感謝してます、いつもありがとう


絵柄と内容があってるか、表情豊かに描けているか、キャラのかき分けが出来てるか
読みやすいかどうかわかりやすいかわかりやすすぎないか
そういうのってかなり初歩というか基本だから、それをクリアしてる前提で見るんだけど
その先は本当に言葉にするのが難しい。

自分の漫画の魅力って何だろうな。
昔少女漫画描いてた頃、担当さんから「十色さんの漫画はとても良くまとまっていて
読みやすいんだけど、読みやすすぎる。読み流して印象に残らない」と言われてしまって
何と言うかそれが「私自身」がそういう人間だと言われた気がしてしばらく凹んだ。
実際そういう部分あるんじゃないかと今も思っている。
創作はどうしたって作者そのものがにじみ出るんじゃないかと思うと、作者の人間的な
魅力が作品の魅力なのかなと。
なので漫画が売れないのは私自身の魅力がないせいだなとずっと思ってきた。

経験が少なすぎる事とか、教養のなさとか、小さくまとまりがちな性格とか地味さとか。
私の人生そのものが「売れない=需要がない」んじゃないかって。


しかし、前作が私にとってはヒット作だったので、初めて漫画が売れてみて
「面白いのかどうかは置いといて漫画が売れるのって相当運の問題だな」と感じた。
時代にあってるか、それでいて誰かの劣化コピーになってないか。
色んな要素があると思うけど、下手でもありふれてても「続きが気になる」ものが描ければ
そこそこの需要はあるんだなと。

「面白い」のと「魅力的」なのも少し違うのかな…いや魅力があるのに面白くないと
言うのも……あ、いや絵は素晴らしいけど内容は微妙、とかだとあり得るのか。


書いてるうちに自分でもよくわからなくなり収集つかなくなるのは私の文章には
よくあること笑

最近漫画の仕事というものについて本当に毎日考えてる。
漫画家さんと仕事について創作について色々お話する機会に恵まれたおかげかな。
とりあえず今は「何が描きたいか」より「自分には何が描けるのか」を意識している。
描きたくない物は描けないんだけど、自分が描けそうな物の中で一番需要があるのは
どれなんだろうということを考えている。

あまりに漠然としすぎていて、もうちょっと細分化して考えないと分析が難しいかな。



女性向けエロ漫画を読んで思うこと

いろんなサイトの女性向けアダルトランキングの上位作品などをたまに読むのですが
本当に「たまに」なので今のはやりとかは疎いんですけど、私がいいなと思った作品の殆どが
男性キャラが「イケメンで筋肉ついててクールで淡々としてて、セックスが上手い絶倫」
みたいな感じでした。
女性の扱いが上手いというか。色々手慣れている、とでもいいますか。

それで女性をリードして上手に気持ちよくさせてくれる、とか。
優しかったりかと思えばやけに荒々しかったり、女性を翻弄してくれて。
でも最終的ににはとにかく「溶けるまで気持ちよくしてくれる」みたいな人。

…そういう男性キャラが求められているのでしょうか。
確かに「ひたすら気持ちよくしてくれる」というのは読んでて気持ちいいのかもなあとは
思います。


私の個人的好みとしてはそういう手慣れた男性キャラって正直あんまり…で。
なんですかね、言い方アレだけど所謂「おかず」にはその方がいいんだとは思います。
例えばAVとかで男優さんがセックスに不慣れでもたもたして全然女性を気持ちよくして
くれない、とかだと萎えますもんね…(女性上位?作品ならそれもありか


私はどちらかというと不器用で奥手なキャラが好きなんですけど、それだとヒロインが
ひたすら気持ちよくさせられる流れは厳しいんですよね。
それとも不器用でも丁寧な触れ方でヒロインが溶けてくれればOKなのかな…笑
激しいのがお好みな方には物足りないかなとも思うのですが。
いや、控えめだった男性が女性に溺れてがっついてくる展開ならありかな…??とか。

女性上位が描きたいわけでもないので(なるべく女性は受け身が好み)
難しい所ですね。

最近考えてること

ひたすらいちゃいちゃするとかとにかくえっちしまくる系とか
雰囲気が良いえろ漫画とか、それで売れるにはかなり画力が要るよなあと思う。

漫画は画力かストーリーのどちらかがずば抜けて素晴らしければ売れると思うんだけど
私はどちらも及第点だなと自分で分かっているので、雰囲気で魅せるとかひたすらえろが
続く漫画では他の作家さんに叶うわけがない。
私の漫画を選んで頂くには、絵もストーリーも必須だと思っている。

商業漫画はやはり利益出さないと続けられないので「描きたい」より「売れそう」を
優先すべきだろうなあ。とはいえ何が売れるかなんて出してみないとわからない。
いま現在の流行り最先端を真似て描いてもそれが配信されるのは1年後とかになるから
「すでにどこかで沢山見たな」というものの何番煎じ、になる。
それでも全く新しい物に挑戦するよりはギャンブル性は低いのかな。

そんな事を色々考える日々です。
考えるより手を動かした方が早いんだけどね。

一年ぶりの更新でした

久しぶりにブログでも更新しようかなー…と見に来たら前回の更新が一年近く前でびっくりしました。
そんなに放置してたんですね…。作品は配信続いてるので書く事はいくらでもあったんだけど、手軽なTwitterで済ませてしまっていました。
その間にもささやかながらアクセスがあったようなんですが何かの検索に引っかかって来て下さったのかな~?


そういえば最近Twitterのアカウントを消したんです。仕事用のひとつだけ残して。
なぜかというと「Twitterに時間を取られすぎる、長文が書けない&読めなくなっている」からです。
昔から文章書くのが好きで、以前はブログを毎日更新して長文を沢山書いてきました。
でもTwitterが出来てからすっかり疎かになり、代わりに大量の短文を読んで大量の情報を得て、それが楽しくて。でも気づいたら長い文を読むのが苦手になっていたり二時間の映画を休まず見るのが難しくなっていたりと、じっくりゆっくり何かを味わう、浸るということが出来なくなりつつあったんです。
これは怖い事だなあと思い、思い切って仕事用以外のアカウントを消しました。

もうひとつの理由としてはTwitterで友達と繋がっていると、そこでのちょっとしたやり取りで「交流した」気になってしまうこと、互いの近況などをそこで知れるからそれでいいかと私が連絡を怠ってしまうこと、それによって関係が不安定になることが私のメンタルに実は物凄く悪影響だと気づいたんですよね。
なので今はTwitterではなくもっとちゃんと1対1で時間を作って対話するよう心がけています。

Twitterが嫌いになったのではなくむしろ逆で、好き過ぎるがゆえに時間やエネルギーを取られてしまう。ちょっとした中毒?依存?だなと以前から思っていたので…。
少し離れて時間を作る事で最近はまたドラマを観たり読書したりできるようになってきました。
それで長い文章を書くリハビリなども進めているので、久々にブログ書こうーと思って見に来たら一年ぶりで驚いた、というわけです。


Twitterは読みたくなくても勝手に流れてきて読んでしまうこともあるので気を使いますが、ここは興味ある人がわざわざ訪ねてきて読んでくれる場所なので、Twitterよりももう少し自由に、踏み込んだ個人的な話もしやすいのかなあと思います。とはいえご時世的に、おかしな事を書けば炎上する恐れはあるのであまり偏った話はできませんが笑


なんかブログってついかしこまって堅苦しい文章になってしまうな…。

まあこれで果たして今後まめに更新するのかというとまた1年後になる可能性は全然あるんですが、読んでくれる人がいたらうれしいな~??っと思います!


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男性向けアダルト&ティーンズラブで活動中の漫画描きです。最新作「あなたの夫、寝取ってます。~深夜のエステでぬるぬる挿入」が現在配信中です、よろしくお願いします!ゲーム実況や実況者さんの話がやたら多いです。※現在新規お仕事は受け付けておりません。
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