IT記者会 奥平記者の記事です

https://it.impress.co.jp/articles/-/24969
経済産業省、東京証券取引所、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2023年5月31日、「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」の選定企業を発表した。「DX銘柄2023」32社(DXグランプリ企業2社を含む)、「DX注目企業」19社に加えて、新設の「DXプラチナ企業2023-2025(3年間の時限措置)」に3社が選定された。DXグランプリには、トプコンと日本郵船が、初のDXプラチナ企業には中外製薬、小松製作所、トラスコ中山の3社が選ばれた。本稿ではこの日の発表の全体像をお伝えする。
4年目を迎えて定着に向かう「DX銘柄」
「DX銘柄」は、経済産業省と東京証券取引所が、東証上場企業(プライム、スタンダード、グロース)の中から、「企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、すぐれたデジタル活用の実績が表れている企業」を、業種区分ごとに選定して公表する取り組みだ。
経緯として、経産省と東証は2015年より経営革新や収益水準・生産性の向上をもたらす積極的なIT活用に取り組む企業を「攻めのIT経営銘柄」として選定してきた。2020年からこれをDX銘柄と改め、単にすぐれた情報システムの導入、データの活用にとどまらず、デジタル技術を駆使してビジネスモデル変革・経営変革に果敢にチャレンジし続けている企業を対象に選定を行っている。そこには当然、我が国の産業の成長・発展にはDXの推進が不可欠であり、そのベストプラクティスを広く知らしめることで、全業界全体の再興につなげていきたいという思いが内包されている。
その中にあって、名称変更後から4年目・4回目を数える「DX銘柄2023」は、大きな分岐点となりそうだ。それは、発表会の活況ぶりからもうかがえる。2021年、2022年の発表会は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴いオンライン開催を余儀なくされた。だが、今回は4年ぶりにコンファレンス型の開催(会場:イイノホール&カンファレンスセンター、東京都千代田区)が復活し(オンライン配信も併催)、収容人数500名の会場がほぼ満席となった(写真1)。
写真1:DX銘柄2023発表会の授賞式・記念撮影。今回は4年ぶりにコンファレンス型の開催となった
調査に回答したエントリー企業すべてに案内し、名刺交換会を併催した事務局の努力と工夫もあるだろうが、やはり「DX銘柄」という施策自体が定着し、投資家を含めたステークホルダーが熱い視線を注ぐようになってきたことが、多数の企業の参加につながったと言えよう。
今や上場企業のIRや中期経営計画に「DX」を掲げていない企業は皆無に近いが、意識のレベルは、これまでの“必要性”から“必然性”のフェーズへと確実にシフトしている。企業のDXに対する取り組みは着実に実態を伴い始めているのである。

https://it.impress.co.jp/articles/-/24969
経済産業省、東京証券取引所、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2023年5月31日、「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」の選定企業を発表した。「DX銘柄2023」32社(DXグランプリ企業2社を含む)、「DX注目企業」19社に加えて、新設の「DXプラチナ企業2023-2025(3年間の時限措置)」に3社が選定された。DXグランプリには、トプコンと日本郵船が、初のDXプラチナ企業には中外製薬、小松製作所、トラスコ中山の3社が選ばれた。本稿ではこの日の発表の全体像をお伝えする。
4年目を迎えて定着に向かう「DX銘柄」
「DX銘柄」は、経済産業省と東京証券取引所が、東証上場企業(プライム、スタンダード、グロース)の中から、「企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、すぐれたデジタル活用の実績が表れている企業」を、業種区分ごとに選定して公表する取り組みだ。
経緯として、経産省と東証は2015年より経営革新や収益水準・生産性の向上をもたらす積極的なIT活用に取り組む企業を「攻めのIT経営銘柄」として選定してきた。2020年からこれをDX銘柄と改め、単にすぐれた情報システムの導入、データの活用にとどまらず、デジタル技術を駆使してビジネスモデル変革・経営変革に果敢にチャレンジし続けている企業を対象に選定を行っている。そこには当然、我が国の産業の成長・発展にはDXの推進が不可欠であり、そのベストプラクティスを広く知らしめることで、全業界全体の再興につなげていきたいという思いが内包されている。
その中にあって、名称変更後から4年目・4回目を数える「DX銘柄2023」は、大きな分岐点となりそうだ。それは、発表会の活況ぶりからもうかがえる。2021年、2022年の発表会は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴いオンライン開催を余儀なくされた。だが、今回は4年ぶりにコンファレンス型の開催(会場:イイノホール&カンファレンスセンター、東京都千代田区)が復活し(オンライン配信も併催)、収容人数500名の会場がほぼ満席となった(写真1)。
写真1:DX銘柄2023発表会の授賞式・記念撮影。今回は4年ぶりにコンファレンス型の開催となった
調査に回答したエントリー企業すべてに案内し、名刺交換会を併催した事務局の努力と工夫もあるだろうが、やはり「DX銘柄」という施策自体が定着し、投資家を含めたステークホルダーが熱い視線を注ぐようになってきたことが、多数の企業の参加につながったと言えよう。
今や上場企業のIRや中期経営計画に「DX」を掲げていない企業は皆無に近いが、意識のレベルは、これまでの“必要性”から“必然性”のフェーズへと確実にシフトしている。企業のDXに対する取り組みは着実に実態を伴い始めているのである。
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