iPadやiPhoneでもハイクオリティなオリジナル動画が見られるブロスタTV。
公開されているムービーのクオリティの高さには、驚かされるが、それもそのはず、登録者の多くが映像コンテストなどで受賞経験のあるクリエイターなのだ。

紹介も5回目を迎えた今回は、KDSF2006で入選経験もあり、ロケーションとCGを組み合わせたSF作品など、制作チームで作品を制作もしている触媒ファントムガールさんだ。

■本音と建て前がぶつかって生まれる消失点

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【作品解説】
カヨ(女・17歳)、鮫島(男・19歳)、尾崎(男・18歳)の3人は、田舎の「この町」に住む幼なじみ。カヨは上京するために受験勉強。鮫島と尾崎は、高校を卒業したが行くあてもなく、都会でヤクザの端くれ仕事をやっている。1日に3本しかないバスの1本に乗って、鮫島と尾崎は仕事に出かける。いつもどおり2人を見送るカヨ。
変わってしまうもの、変わらないもの、繊細な心が紡ぎ出す短編アニメーション。

【見どころ】
ラムネ、田園、教室、逆光など、優しくて柔らかくて、どことなく切なさを想起させる要素を使い、3人の現状や言葉などの「建て前」に隠された、それぞれの「本音」の部分を暗示しています。
ノスタルジックな空気感で包み、忘れていた淡い記憶を思い出させてくれるような映像を通して、思い出や懐かしさを感じ取ってもらえればと思います。

【制作した理由は?】
元々は実写の作品だった本編をアニメーション版にリメイクしようと思ったのがきっかけです。実写という現実的な描写が、本来望んでいた雰囲気を隠してしまいました。リメイクしようと思った理由がそこにあり、アニメーションという抽象的であり直感的な映像が、懐かしさや柔らかさといった感覚を鑑賞者各々のイメージで想起できる形になったと思います。

■ZANGEKI

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【作品解説】
現在制作中のアニメーション作品「TRAIL-the last world-」「ディバイン:ディバイド(仮)」に繋がる壮大な物語の序章的作品。
荒廃した新世界で人類は「白い代弁者」と呼ばれる生命体に監視され、少しずつその数を減らしていた。その最中に誕生したのが「黒い罪人」と呼ばれる超人的な能力を持った人間。その中のある一人の罪人と代弁者との激戦を描いたSFアクションムービー。

【見どころ】
一番の見どころ・聴きどころは、世界を包み込み空気を揺らす「サウンド」です。重厚で濃密なクラシックなBGM、低音を巧みに使った臨場感のある効果音で作品の質をぐっと引き上げています。

映像面での見どころは、剣を空間から出現させ手に取るシーンなどを1カットで演出しています。カットを割らずにCG部分と実写部分の繋がりを連続的に見せるという挑戦でしたが、当時、1カットで演出するのは実に難問で、モーションコントロールや特殊なプラグインも使えず、コンポジットは試行錯誤と地道な作業で作り上げました。その甲斐あって望んでいた以上の仕上がりにすることができました。すべてのカットが、決して上手くいったとはいませんが「無難」にはしたくなかったのと、難しい演出を行ったことで新しい境地にチャレンジでき、やりきったと思っています。

【制作した理由は?】
サウンド、3D、コンポジット、それぞれに特化した友人が偶然にも近くにおり、僕の撮影・演出技術と合わせて総合的な作品に挑戦できないかと考え始めたのがきっかけです。当時僕は個人制作に近い形で制作を行っており、時間や技術面で限界を感じ、もっと演出に集中したいと思っていました。それを支えてくれたのが、「主演のシヴァタアキラ」 3Dの横田、コンポジットの萩本、サウンドの浅川、作曲の藤原です。このときからチームでのワークフローを意識し、以降の制作はチームのメンバーそれぞれが力を発揮できる作品作りを行っています。

■青春を続けて夢を叶えたい
「本音と建て前がぶつかって生まれる消失点」は、「主観を排除し物語上の事実を描いた作品」です。具体的なテーマの存在はなく、受け手の介入を必要とする、ある意味で不完全な作品です。その形態であるからこそ、エンターテイメントとも商業作品とも違う、コミュニケーションが可能な作品になったと思います。
物語も最小限の要素でシンプルに構成し、受け手が「ラストシーン後」も楽しめるように敢えて理由を語っていません。「物語のその後」は僕の頭の中にあるのですが、この物語において続編は必要ないかと思います。見てくれた方々の想像や期待が続編そのものだと思います。

個人でマルチなクリエイティビティーが求められている現代ですが、各人の個性がぶつかって融合したときの「化学反応」はチームでないと味わえない感覚です。そこからしか生まれないものもあると思います。「ZANGEKI」はまさしくそうで、僕個人では不可能な作品でした。

「化学反応」を起こせる「触媒」になれるように、メンバーを引っ張っていけるセンスと技術を磨くことが自分自身の課題だと思っています。

仕事であろうと自主制作であろうと、社会人であろうと、大人になろうと、何よりも僕はみんなと「楽しい」を提供して共有したいと思っています。「学生時代にしかできない」だとか「現実は厳しい」だとか、それは今やろうとしてないだけで、何かを理由にして、ごまかして、言い訳にして、後悔しないようにしているだけだと思うんです。

僕はずっと青春しています、ずっとやり続けて来ています。スーツなんか着ません、髪はブリーチです、強気です。
才能でもお金でもコネクションでもない、自分が楽しいと思えることをやり続けることで夢が叶うという事実を、僕は身を持って証明したいと思っています。

■直感を信じて作る
触媒ファントムガールさんは、直感を信じて作品を作っている。
「僕は『直感』を信じる。自分の中から沸き上がって来たものを何よりも信じている。その方が絶対おもしろいものが出来上がる自信がある。」

「テーマやコンセプトは、自分の内側から自然と出て来るもの。他人に見せようとして、形整えて、パック詰めして、妥協して安く売り出して、そんなの納得いかない。なり振り構わず自分の中身をさらけ出せば良いと思う。もちろん自己満足だよ。でもさ、自分が満足できなくて、他の人が満足するはずないよ。」と語る。

■ロケとCGの長所を組み合わせる
実際にその空間に存在するというリアリティーはロケ撮影でのみ表現が可能で、現実には不可能な戦闘や挙動を可能にするのがCGだという。

「ZANGEKI」ではロケーションとCGエフェクトのその両方の長所を取り入れて制作したという。
「ロケーションは廃墟の写真集で見つけオファーを取り、群馬県で2日間撮影を行い、ポストプロダクションはコンポジットパート、3Dパート、編集パートで分業して同時進行で作業を行いました。実写素材の雰囲気、エフェクトの迫力と相まって濃厚な映像表現ができたと思います。」

コンポジットはAffterEffectsを使用し、一部のエフェクト処理、カラーグレーディングはFinalCutProで行っているそうだ。

■「最高!」の一言のために妥協はしない
自分で自身の作品を観たときの感想は「最高!」の一言だそうだ。
「自分の作品は良いと思える作品にしないと納得しないですね。だからこそ制作時の妥協は許せない。できること、やりたいことはとことん追求して取り組んでいきます。」と、まさに青春のマインドを持ち続けるクリエイターだ。

今後の活動としては、まだ公開していない作品も多数あるため、イベントの参加や自主公開などを通して多くの人に作品を見てもらいたいそうだ。また、ほかのクリエイターやアーティストとのコラボレーションを通して創作活動に携わりたいという。

■永遠に青春を生きる触媒ファントムガールさんは、こんな人
青春を生き続けている触媒ファントムガールさんは、おばあちゃんの自家製おはぎ(こしあん)が一番の好物だという、なかなか可愛い一面もある。
また、現在はトマトパスタ作りに凝っているそうだ。
「玉ねぎを30分間飴色になるまでじっくり炒めて、隠し味にリンゴを入れてフルーティーに仕上げます。」

さらに青春の代名詞、縁日で手に入れたクワガタも育てているという。
「ノコギリクワガタの幼虫を育てています。縁日で買ったクワガタの二世たちです。成虫になったら映画関係の名前を付けます。初代はロドリゲス(♂)とアンジェリーナ(♀)です。」

コーラを1日数本飲むフリークの触媒ファントムガールさんは、「全世界のコーラをいつでも飲めるコーラ専門の自販機を家の前に設置して欲しいです。値段と味の比例を楽しみたいです。」という、夢があるのだそうだ。

■触媒ファントムガールさんのプロフィール
中学時代からビデオカメラで短編の映像作品の制作を始め、大学に入り本格的に映像制作を学び始める。影像デザイナー集団「衝動中枢(ショウドウチュウスウ)を在学中に立ち上げ、アナログ感のあるメランコリックなデザインを軸にした影像作品を制作。

現在フリーとして活動し、撮影や編集の仕事をしながら、「衝動中枢」で脚本・監督・作曲を主に担当し、自主制作映画、ミュージッククリップ、ライブ撮影、アニメーション、イラストレーションなどの創作活動を行っている。

完成した作品はBROSTA TV、YouTube、ニコニコ動画で公開中。

・「Pang Pang Pang」…かわさきデジタルショートフィルムフェスティバル2006入選。
・「軋轢ガールはドレンチェッド」…第10回インディーズムービーフェスティバル第9位入選。


iPhoneサイト
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・ドコモサイト(iモーション対応端末)

ブロスタTV


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