世界的なスマートフォンブームの中、AppleのiPhoneとGoogleのAndroid OSを搭載した製品の話題が目立っている一方で、Microsoftの新OS、Windows Phone 7を採用した端末が2010年冬から販売を開始し、世界各国で少しずつその存在感を現しはじめている。

Windows Phone 7は果たしてiPhoneやAndroidに対抗しうるプラットフォームになるだろうか?

スマートフォンの全世界販売数におけるMicrosoftのシェアは常にNokiaのSymbianを追いかける2番手であった。オフィスアプリケーションを使いインターネットを利用するパソコンと、通信事業者の回線を常時利用してメーカーと二人三脚でサービスや技術を開発するケースもある携帯電話の世界とでは製品の販売方法やプロモーション手法も大きく異なる。そこがMicrosoftがNokiaを追い抜くことができなかったところでもある。

2008年末にはBlackBerryのRIMに、2009年末にはiPhoneに、そして2010年にはAndroid OSに抜かれるなど、MicrosoftのWindows Phoneシェアは下がる一方であった。2010年第3四半期のスマートフォン全体におけるWindows Phone(Windows Mobile)の販売シェアはわずか2.3%(ガートナー調べ)であり、10%以上である上位4社との差は大きく開いてしまったのである。

とはいえ2010年のシェア下落はWindows Phone6から7への移行期であり、新製品の数もあまり出なかったことが大きな要因である。また年末に各メーカーから発売が続々開始されたWindows Phone7の新端末も、Android製品の勢いの前に隠れてしまった感もある。

特に日本では製品が発売されていないこともあり、Windows Phone 7の評判はどちらかと言えばネガティブなものが多いように見受けられる。

だが各国の通信事業者や家電店の店頭に置かれたデモ端末への消費者の反応は好評のようだ。MicrosoftによればWindows Phone 7スマートフォンは発売6週間で150万台以上が出荷されたとのこと。大きくシェアを落としたWindows Phoneのイメージを考えればこれは好調な出だしと考えてもよいだろう。

特にWindows Phone 7端末を販売するほぼ全てのメーカーはAndroid端末も手がけている。製造ラインの稼働率がピークとなるクリスマスシーズンに各メーカーから一定の生産台数を確保できたということは、Windows Phone 7へ対するメーカーの期待感の表れとも考えられるだろう。
Windows Phone 7はAndroidでおなじみのメーカーが手がける

従来のWindows Phoneのイメージはオフィスアプリの充実やエクスチェンジサーバーを利用したプッシュメールなどビジネス利用に強いという印象が高い。だがWindows Phone 7はSNSやゲーム機能を強化しており、一般コンシューマー層向けの製品に様変わりしている。

大きいパネル状のアイコンを多用したユーザーインターフェースは斬新なだけではなく実際に使いやすく、IT製品に不慣れな消費者でも画面上で指先をスライドさせるだけ違和感無く操作できるだろう。この点はこれからスマートフォンに乗り換えたいと考えている層にとっても大きなアピールポイントになるはずだ。
パネルを使ったUIは初心者にもわかりやすい

もちろんAndroid陣営からは続々と新製品が出てくるだろうし、iPhoneも次の機種の噂が出てくるなど上位のライバルたちにWindows Phone 7が立ち向かうのは容易ではない。だが一般消費者が求めているのは"優れたOS"ではなく"使いやすい製品"である。Windows Phone 7は過去の資産を捨て去って新しいUIを採用したことから使いにくさは一掃され、また最新のSNSサービスに標準対応したりXbox Liveによるゲームの利用など利点が多い。

さらにMicrosoftがプラットフォームの標準化を厳格にしており、例えばハードウェアキーの数はどのメーカーの製品でもホーム、バック、検索の3つである。複数のメーカーモデル、統一された操作性は結果としてiPhone、Android両陣営の良いところをうまく取り込んでいるとも言えるだろう。

Windows Phone 7はMicrosoftが満を持して投入した製品であり、過去の失敗や他社の成功を大きく研究した結果完成度も高くなっている。また今後Microsoftがクラウド系サービスを充実していけば、それを真っ先に利用できるプラットフォームとしてのWindows Phone 7の重要性が高まることは確実だ。着々と販売数を増やし、いずれは第5の勢力としてスマートフォン業界を盛り上げる存在にまで復活する可能性は十分あるだろう。

山根康宏
著者サイト「山根康宏WEBサイト」

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