英国の調査会社、Canalysのレポートによると2010年第4四半期のスマートフォン出荷台数は1億台の大台に乗り、昨年同期比で約2倍に達したとのこと。またスマートフォンOS別シェアではついにGoogleのAndroidがNokia陣営のSymbianを抜きトップに躍り出た。

レポートによると、Android OSを搭載した端末の同期出荷台数は3330万台。これに対してSymbian OS搭載端末は3100万台だったとのこと。両陣営の差は220万台だが、現時点での勢いを考えると今後この差はさらに広がっていくだろう。

Androidは昨年の上半期でBlackBerry、iOSを抜きスマートフォンOSのシェア2位に躍進し、市場で過半数を占めるSymbian OSの牙城を崩すのは時間の問題と見られていた。だが昨年のクリスマスシーズンに販売数を急増させ、Symbianをあっという間に抜き去ったのだ。

スマートフォン全体で見れば、各社の2010年クリスマスシーズンの販売は好調な結果を残している。2009年のクリスマス時期と比較するとSymbianが30%増、Appleが86%増、BlackBerryが36%増で、マイナスとなったのはMicrosoftの20%減のみ。だがAndroidは615%という驚異的な成長で他社を寄せ付けなかった。

スマートフォンの普及が進むと同時にAndroidのシェアがより拡大していく状況が続いており、このまま行けばいずれはAndroid OSがスマートフォンOS全体のシェア過半数を取ることも確実だろう。
日本や韓国など、フィーチャーフォンの普及が進んだ国でもAndroidが台頭している

SymbianはNokia、iOSはApple、BlackBerryはRIM、のようにAndroidのライバルOSを採用するメーカーは実質1社独占となっている。NokiaやRIMは多数のスマートフォンバリエーションをラインナップに加えているものの、Android陣営が複数メーカー同士が競い合って新製品を投入している状況に打ち勝つのは容易ではない。

一方Appleの製品は完成度が高いものの、今の機種展開では幅広い消費者をひきつけることは難しい。Appleは今後シェアよりも利益重視に走るだろうが、Androidがここまで台頭してきた現状は無視できないはずだ。iPhoneにもキーボード付きなどの製品が出てくる可能性も将来はありうるかもしれない。

さてAndroidがスマートフォンOSのシェアトップとなり、今後実質的にスタンダードとなることは通信事業者にとってもメリットは大きい。これまでは顧客に様々なサービスを提供しようにも、利用者が多いSymbianスマートフォンユーザーにはアプリケーションの数やWEBサービスの対応の弱さから音声通話以上のサービスの提供は難しかった。

だが顧客がAndroid端末を利用していれば極端な話、内蔵のブラウザとGmail、Googleマップだけを使ってもらうだけでも十分なサービスが提供できる。なによりも標準状態でデータ通信を使うことを前提にしたAndroidスマートフォンなら、顧客にパケット定額などの付加サービスの加入も促しやすくARPUの引き上げも期待できるのだ。

また従来は単体としての携帯電話の利用が主だったことから、携帯電話の販売先は通信事業者だけではなく、家電店などでの単体販売も行われていた。だがスマートフォンはデータ通信回線を必要とすることから通信事業者との定額契約が必須となり、それにあわせ時業者側も端末の割引販売を強化している。すなわち端末の販売先としての通信事業者の重要性が高まっているのだ。

日本は事業者専用端末という特殊な状況だが、端末の販売は実質契約込みであり単体販売は行われていない。海外では端末はメーカー製の汎用品であるものの、スマートフォンの売り方は今後日本のように事業者での端末と回線のセット販売が増えていくだろう。

しかし事業者の店舗のスペースには限りがある。すなわち展示・販売できる端末の数には限りがあるのだ。そうなるとメーカーとしても事業者が売りたくなる端末を提供していく必要が高まるだろうし、事業者としては消費者が欲しいと思い、なおかつARPUの引き上げが期待できる製品を求めていくだろう。
安価ながらもOS 2.2を搭載、事業者が売りやすいファーウェイのIDEOS

Androidスマートフォンはこの条件に現時点で最もマッチした製品であるからこそシェアを伸ばしているのであり、今後も事業者、消費者が求める製品を多数提供できるプラットフォームとして人気を高めていくだろう。そしてこのAndroidの勢いを止めようと他のOS陣営がよりよいサービスや製品を提供していくことで、スマートフォン業界全体が盛り上がっていくことは間違いない。その結果、今年のスマートフォンの出荷台数も昨年以上に大きく伸びていくだろう。

山根康宏
著者サイト「山根康宏WEBサイト」

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