先日発表されたアップルのiPhone 5sに新たに搭載された新機能の中でも注目を集めた指紋認証機能「Touch ID」であるが、iPhone 5sだけではなく、今後、様々なアップル製品への搭載が予想されるデバイスだ。

パソコンやスマートフォン&タブレットのセキュリティは、IDとパスワード入力による認証が基本だが、今後は指紋認証や音声認証など、各個人が個別に持っていて他人にはない生体部分による認証の方がよりセキュアだと言える。

このTouch IDだが、スパイ映画のように単純に特殊なフィルムなどを利用して指表面の指紋の凹凸だけをコピーして指紋付きの指のモデルを作成すれば認証が突破できると思っている人がいるかもしれない。実際そのような認証デバイスもあるが、最近のほとんどの指紋認証デバイスは単に指紋をコピーしただけでは認証は突破できないようになっているのだ。






■より複雑化して突破しにくくなっている最新の指紋認証
スパイ映画などで指紋認証を突破するために、ガラスについた指紋の跡や特殊な手袋をしながら本人と握手して指紋を作成するような場面を見たことがある人は多いだろう。実際、指紋表面の凹凸だけで認証するタイプのシステムなら、うまく指紋のコピーを作成できればこの方法でも突破することは可能のようだ。

しかし、最近の指紋認証装置の多くは、指表面の凹凸だけではなく、表面凹凸のさらに奥にある真皮指紋までをも併用しており、表面の凹凸、奥の真皮指紋といった二段階認証になっている。このため、表面の凹凸をコピーしただけでは指紋認証を突破することはできない。

そして指紋認証デバイスなどがどのように指紋を判断しているのかについては、企業秘密でどこのデバイスメーカーも基本的には詳しく公開してない。ただ、アップルのスペシャルイベントやTouch ID解説ビデオを見る限り「sub-epidermal skin layers」となっているため、表面の凹凸ではなく、表皮の下にある真皮指紋を利用していると思われる。

さらに、この解説ビデオではいくつかの認証技術を組み合わせたよりセキュアなシステムになっていると説明しており、Touch IDは、かなり高性能な指紋認証機能を採用していることになる。あのホームボタンにそんなに高度なシステムが組み込まれているというのだから驚きだ。同様の技術を使ったUSB認証デバイスの価格が1万8千円弱するので、iPhone 5sの本体価格のうち2万円弱がこのTouch ID機能の分と言えるかもしれない。

この指紋認証デバイスは、2012年にアップルが買収したAuthenTec社の技術を採用している。会社自体を買収したほどなので、今後のアップル製品にはTouch IDと似たようなセキュリティ機能が標準搭載されていくことは確実だと見ていいだろう。

■力技で認証させることも可能だが・・・
今回、アップルが搭載する指紋認証デバイスは、従来の多くのノートパソコンに搭載されていたデバイスのようにセンサー上を指を滑らすように動かす動作は不要だ。単に指を乗せただけで一瞬で認証され、待たされたりするようなことがない。

利用者にとって使い勝手はよいが、例えば寝ている人の指を使って認証させてしまうこともやろうと思えばできるわけで、そうした点では使い勝手が向上した分、認証突破も簡単になっている。これを考えると指紋認証とパスワードを組み合わせるなどもやろうと思えばできるはずなので、今後の機能向上に期待したいところだ。そもそもスマホに家族や恋人に対しての秘密を隠しておくようなことをするほうが悪いわけだが・・・。

このようにスマートフォンの機能は向上し続けており、個人の重要なデーターが含まれるようになってくるとセキュリティ機能は非常に重要になってくる。繰り返すがiPhone 5sの指紋認証機能の採用によって、今後のアップル製品は、多くの機種でのセキュリティ機能を向上させてくるのは確実だろう。セキュリティ機能が高いデバイスという点が今まで以上に製品選択を左右する重要なポイントとなるだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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