身に付けて様々な用途に利用できるウェアラブルデバイスは、製品が登場すると話題に上がるようになってきた。一見するとメガネにしか見えないGoogle Glassは、限定販売ながらアメリカで一般販売が開始された。この手のデバイスは今後、様々な機能を持った製品へと進化していくことになるだろう。


■ウェアラブルデバイスはヘルスケア向けが中心
現在、一般に流通しているのは腕時計のようなリストバンド型のデバイスだ。これはヘルスケアを目的とした製品で、例えば日本で言うところの万歩計がインテリジェンスに進化し、最近では活動量計と呼ばれるようになってきた。この手の商品が日本では人気になっている。リストバンド型ウェアラブルデバイスに活動量計の機能を搭載した製品が多くなってきた。実は筆者も活動量計を一時期愛用していた。ところが、いくつかの理由で使わなくなってしまった。

筆者は一時期、ダイエットと自分の活動量を記録するために、活動量計を常に携帯していた。一日の活動量や、一日の中での運動量の変化などが記録でき、過去にさかのぼって変化の履歴なども確認できるため、食事量の管理を含めダイエットの初期段階ではかなり有用だった。しかし、ダイエットである程度の結果が出てきてからは、ルーチンワーク化してしまい。1日の運動で自分の体重の増減や健康状態がわかるようになってしまい、こうした機器が必要なくなってしまった。

これは実際に活動量計を使用している人なら、誰もが直面する問題だろう。一定の年齢を超え、さらに同じ仕事をしていれば活動量は毎日そうそう変わるものではないのだ。数か月使用し続けていると、よく動いた日、一日中家にいた日、平均的に活動した日など、いくつかの生活パターンで活動した時間や量などが「今日はこの程度だろう」と機器を使わなくてもおおよそわかるようになってくるのだ。人間の学習能力の賜物と言えるが、せっかく買ったウェアラブルデバイスが宝の持ち腐れになってしまうのだ。

活動量計はポケットに入れておくだけなので邪魔にならないが、機器を使わなくても、一定の精度で活動量が推測できるようになってくると、外出時に持って行くのを忘れたとしてもあまり気にしなくなり、次第に持って行く機会が減り、しまいには持ち歩かなくなってしまった。

ほかにもiPhone 5sに活動量計以上の機能を持つM5プロセッサーが内蔵されたということもある。なにしろiPhone 5sを持って行動していればある程度の活動量は記録できるようになったのだ。あえて専用のデバイスを持ち歩かなくて済む。

また、目標にした体重をほぼ達成してしまった後は、気になるのが体重が増えたかどうかだけとなり、活動量を記録しても、そのデータも使わなくなってしまった。結果、活動量計自体は必要なくなり、さらに先述したiPhoneアプリでの活動量の確認もほとんどしなくなってしまった。

■腕時計タイプなら、つねに身に付けておけるメリットがある
当然ながら、活動量のより正確な記録には、体に常に取り付けておくタイプのほうが正確な値が出る。またリストバンド型デバイスは時計を表示させておけば腕時計感覚で使えるので便利だ。また、こうしたヘルスケア分野のウェアラブルデバイスは、一般的な活動量計よりも高性能なものが多く、自分の体調を管理したいと思っている人やダイエットで利用する人、特に健康に関心があるヘルスヲタな人には、現状でも活動量計は便利に使える。

しかし、目的を達成してしまうと、先述したように急激に利用頻度が減ってしまう。しかも元から健康な人は、こうしたヘルスケア関連商品に興味を持たないだろう。日本国内でのウェアラブルデバイスは、いままだ黎明期になっていると言え、今後、ヘルス機能以外も搭載するように変わっていくだろう。そうした様々な用途に使えるウェアラブルデバイスが登場してくるまでは、特に健康に関心を持つ人といった特定条件を満たす人以外にはおススメできない。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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