2006年01月21日
自衛隊にかかる2つの映画、「戦国自衛隊1549」と「亡国のイージス」をこの順に続けて見た
どちらも福井敏晴氏の原作による。「戦国自衛隊1549」には全く入れなかったが「亡国のイージス」はよかった。観客の頭に自然に浮かぶはずの疑問に丁寧に応接する配慮というか、日常と非日常の境目を滑らかに磨き上げる配慮というか、そうした「作り手の配慮の良と質」において両者は全く異なっており、後者の方が圧倒的に優れていた。ターゲットとして想定している観客の層の問題があるのでそこは割り引いても、CGの質がどうとか、制作費用がどう、という話ではない差が歴然とあった。
どちらの映画にも「これ一発で決まり」というリーサル・ウェポン(最終兵器)が登場する。「戦国自衛隊1549」においては、一発で富士山を噴火させてしまう兵器、「亡国のイージス」においては少量で東京の人々の大量殺戮を可能にする化学兵器、である。当然作り手は、作品の世界に観客を引き込むために、観客に対し、願わくば登場人物たちが思っているのと同程度に、これらのリーサル・ウェポンが極めて危険なものであるという印象を植えつけなければならない。しかしそうした兵器とは全く関係のないストーリーテリングの部分で、差が歴然とあるがため、「戦国」の兵器はおもちゃにしか見えない一方で、「亡国」の兵器には本気でヒヤッとさせられた、そうした差が生じたのであった。「戦国」の兵器など、登場人物が必死で持ち去っているのを見ても白けてしまっているため、「なんならそこで落としてみたらあ、大丈夫だと思うよ、あっははああ」なんて思ったりして。
ただ、2作とも、「亡国」の中井貴一氏を除き、日本人俳優や女優の身体能力に一昔前には見られなかった衰えというかドン臭さがうかがえて、何とも悲しい。どちらも自衛隊の映画なのになあ。日本にいながらにして、かつあのご年齢で、爬虫類的とすら見えた某国工作員の強靭さを演じきった中井貴一氏の日ごろの鍛錬に、惜しみない拍手を送りたい。ああいう体の「キレ」が生む迫力を、とりわけアクションをやる俳優は、軽視すべきでない。
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