明日は明日のホラを吹く

2004年から2011年まで投稿を続けていましたが5年間休眠しました。

カテゴリ: 国際交流


世界史は得意教科だったのだが、お恥ずかしい話、今の今まで、ユダヤとかイスラエルとかについては「腑に落ちた」ことが一度もなく、何を読んでも、へえ、そういうものなの、でもいつまでもピンと来ないなあ、と思っていた。どの主張を読んでもそれに反する事実/史実がすぐに挙げられる気がしたのだった。だからこれらのテーマに関する世界史の論述は出題されれば、理解してはいないまま、教科書的な記述を鸚鵡返しにしてその場をしのいで来た(そうする以外にどんな方法があろう?)。しかし、今日とあるエッセイを読んで、やっとほぼ全ての、20年来の、「もやもや」がストンと腑に落ちて大変に感動してしまった。

モントリオール大学のヤコブ・ラブキン教授(歴史学)のエッセイ「ユダヤ教徒がシオニズムに反発する理由」がそれ。

ヤコブ・ラブキン氏の略歴
45年旧ソ連レニングラード(現サンクトペテルブルグ)生まれ。レニングラード大、ソビエト科学アカデミーなどで学ぶ。カナダに移住し、73年からモントリオール大でユダヤ人の歴史や歴史学を教える。敬虔なユダヤ教徒で宗教と政治の関係に関する発言が多い。
著書『A THREAT FROM WITHIN』(邦訳は『トーラーの名においてーユダヤの内なる反シオニズムの歴史』〈仮題〉として平凡社から近刊予定)で注目される。
08、09年に来日。英、仏、ロシア、スペイン語のほか、ヘブライ語に堪能。


pdfになっているが全文を引用させていただこう。

http://www.takahashi-seminar.jp/100418e2.pdfより。

ユダヤ教徒がシオニズムに反発する理由

パレスチナの地にユダヤ人のホームランド(祖国)づくりを目指す「シオニズム」(Zionism)は、聖地エルサレム(シオン)に由来するが、宗教イデオロギーではなく、政治的イデオロギーとして19世紀後半に欧州で生まれた。戒律を守り、律法に従う人々の宗教的共同体だったユダヤ人社会に欧州のナショナリズムを当てはめたものだ。独自の言語(ヘブライ語)を持つ国民、民族として「ユダヤ人』(The Jews)を位置づけ、彼ら自身の国民国家を持つべきだという新しい考え方だった。

日本人は、お寺に参拝しなくても「日本人」という民族的アイデンティティを持つことができる。だが、世俗化した東欧系ユダヤ人(アシュケナジム)は、シオニズムによって、民族的アイデンティティーを持ち、欧州の反ユダヤ主義(anti-Semitism)に対抗して少数者としての権利を主張できるようになったのだ。イスラエルのある学者はこう述べた。「我々がこの土地を求める理由は単純だ。神は存在しない。だが、神はこの土地を我々に約束したのだ」と。この発言はシオニズムが非宗教的な政治的主張であることをよく示している。

20世紀のドイツ系ユダヤ人の政治思想家ハンナ・アーレント(1906〜75)は、自身もシオニストだったが、シオニスト国家の樹立には否定的だった。彼女はイスラエルが建国された1948年の団塊で、シオニスト国家を作れば、絶え間ない紛争が続くと見ていた。60年後、事態はまさにその通りになっている。昨年暮れ(2008年12月末)から今年初めにガザで起きたイスラエルの軍事行動は、彼女の見通した事態が現実化したものなのだ。

日本人に理解してほしいのは、中東紛争はイスラム教徒とユダヤ教徒との宗教紛争ではない、ということだ。実際には、両者は何世紀にもわたって共生、共存してきた。一握りのシオニストが武力を行使して、そこにいた居住者(パレスチナ人)を彼らの意志に反して、家から追い出した。武力で国家を樹立したために起きた、極めて単純な人権問題なのだ。パレスチナ自治政府やハマスのせいで紛争が続いているのではない。

宗教が中東和平の妨げになるとすれば、その最大の要因は、米国の宗教右派に信奉者が多いクリスチャン・シオニズムだろう。彼らにとって、この問題は純粋に宗教的な問題であり、妥協の余地がない。キリストの再臨(the Second Coming)を早めるためにユダヤ教徒をイスラエルに集めなければならない、と考えている。そして、キリストが再臨すれば、ユダヤ教徒は二つの選択を迫られる。ユダヤ教徒がキリストをメシア(救世主)ではないと考えているが、キリストをメシアと認めて、キリスト教に改宗するか、あるいは最後の審判を受けて、死ぬかだ。彼らのシナリオでは、我々ユダヤ教徒は全5幕の演劇の第4幕で消えてしまう。

極めて危ないのは、宗教右派やイスラエルロビーの影響が大きい米国やいくつかの国において、彼らが政治的に大きな力を持っているために「親イスラエル政策」をとっているということだ。米国で最も影響力のある宗教右派団体「アメリカ・キリスト教徒連合(CCA)」はブッシュ前大統領と密接な関係を保っていた。

いま、イスラエル国内にも、米国が主導する「パレスチナ国家とイスラエルとの2国家共存案」にかわり、ひとつの国の中でユダヤ人とパレスチナ人が共生する「1国家解決案」を主張する意見がある。

今日、世界中でユダヤ人がユダヤ人であることを理由に殺害されうるのは、不幸なことにイスラエル国内だけだ。世界をみれば、米国でもロシアでも、そしてイランにおいてすら、ユダヤ人はふつうに、少数者として暮らしている。だったらパレスチナでもできるのではないか。実際、この場所は何世紀にもわたってオスマントルコというひとつの国だった。議論しているのは、理想ではなく、歴史的に存在していたものなのだ。

ドイツで起きたホロコースト(ユダヤ人大虐殺)から、アーレントやアインシュタインらが得た教訓は、民族、宗教、人種の面で差別するような国家に対しては警戒しなければならないというものだった。
半面、シオニスト国家の樹立を求めるシオニストらの教訓は単純だった、我々は強くなくてはならない、というものだった。彼らはパレスチナ人との共生を望まず、民族的に「純粋な」国家を持ちたいと考えている。かつて、南アフリカや旧ローデシア(ジンバブエ)は、敵ばかりに囲まれた孤島のような国を作ったが、そんな国は長続きしない。

シオニズムに対しては、アラブではなく、イスラエル内外のユダヤ教徒の間にも極めて大きな反発がある。
 (1)ユダヤ人とは、何らかの道徳的な価値を持ち、それを守る人々の集団であるはずなのにイスラエル国家のありようはこうした原則に反する。
 (2)イスラエル国家の建国によって、ユダヤ人のアイデンティティーが「ユダヤ教徒」から「イスラエル国家の政治的支持者」に変質してしまうーというのが主な理由だ。戒律を破ってもまったくおかまいなしなのに、イスラエルを批判すると即座にひどい反応が返ってくるといった事例に事欠かない。

NYでもテルアビブでも聖地を愛することは出来る

私は学者としての見解と、個人的な意見は常に区別しているが、旧ソ連でユダヤ系ロシア人として育った私を含む宗教的なユダヤ教徒にとっては、ユダヤ教の継続性を保つことこそが重要なのだ。2000年にわたる伝統の本質とは、道徳的な価値を守るシステムなのであり、政治的、軍事的パワーとは無縁だった。自分にとって何ものにも代え難いことは、神の戒律、安息日、ヨム・キプール(贖(あがな)いの日)を守り、ユダヤ教に従った食物(kosher)を食べる。それだけだ。

宗教的なユダヤ教徒にとって、啓典宗教の始祖アブラハムが葬られている聖地ヘブロン(ヨルダン川西岸の都市)を大事だと思うからといって、占領してそこに住む必要はない。ヘブロンを愛することはニューヨークからもテルアビブからもできる。「ユダヤ教的な態度」とは常に極めてプラグマティック(現実的)で、妥協的でもある。ユダヤ教的なアイデンティティーとは、国境や領土を超越したものなのだ。だからこそ、ユダヤ人はチリでも神戸でもモスクワでも暮らせる。ユダヤ教本来の教えは、平和を探求し、協調性を求めること。よい行いをし、同情の気持ちを持つことだ。イスラエル国内には、メシアが降臨する前の聖地に暴力的なユダヤ国家が存在することは認められない、と考えるユダヤ教徒らもいる。彼らは現在のイスラエル国家は、メシアによる救済を実現する上で、神学的にも妨げであると考えている。

ユダヤ教の戒律では、他人の悪口をいうべきではないという教えがある。日本人はあまり他人の悪口を言わない。他人のことを自分よりも大事だと考えることを自然にできる。多くの文化的な面で、ユダヤ教的な考え方と極めて類似していると感じ、興味深い。中東に重要な利害をもつ日本は、国連などの場で米国の後追いだけではない、何か独自なことができるはずだ。

(訳・構成 GLOBE副編集長 石合力)


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海外の看板や輸入物のラベルにはよく使われているが、日本国内では全く見かけないフォントがありますね。下の写真のようなフォント。機内食の和食のパッケージのラベルなどでも見かけます。一応日本語ではあるものの、意味はともかく、これだけで日本人が作ったものでないことがわかってしまうという、実に皮肉な日本語フォントであります(笑)。フォント自体がネイティブの日本人にしか読みとれない、強烈な意味を帯びているわけですね。

font1


小さい「ッ」の位置と大きさがイヤですよね。平気で大きい「ツ」を使っていたり単語の最初を小さい「ッ」ではじめていたりすることもありますね。

フォント2


由来については全く存じ上げませんで、戦前に日本人が使っていたものの、国内では使われなくなって海外でのみ生き延びたのだろうか、と根拠なく推測しているのですが、由来について調べてみたいと思っているもののひとつです。また、何かご存知の方いらっしゃいましたら、是非教えて下さい。

しかしやはりアニメや漫画を原語で読みたいという気持ちが高じてということでしょうか、今、海外に日本語の文字のファンというのは少なくありませんで、この間ご紹介したダニエルさんもアルファベットには辟易している、ピカソの芸術のようで大変美しい、と漢字を絶賛していましたし(日本っぽくてもっと漢字の多いところというので台湾に行ったのではないかと思っております 笑)、面白半分で自分が50音順にひらがなを書いているところを動画にして公開したら、結構いろいろな外国人に気に入ってもらえました。さらに最近、日本のHPをそのままTシャツにするのがタイやヨーロッパで流行ったりした・している、と聞きまして、(お、これを機会に我々が一般的に目にする現代的な明朝体その他が使われるようになるか?)と思いきや、↓こんなTシャツ勝手に作っていやがったりして。

Tシャツ
文字化けTシャツ(笑)。アイルランドで9ユーロ(約1350円)で売ってるそうですが、さすがにこれは教えてあげた方がいいんではないでしょうか(笑)。そのうちに意味聞かれたりするんだろうなあ。答えられないからというので大した日本語力もってないとか思われたら、やだなあ。なーんでアイルランド人の不勉強のつけがネイティブに回ってくるかね。これも外部性の一例ね(笑)。






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よく言われることだが、アジアの標識やメニューの英語はひどい。日本はここ20年ほどで相当によくなったと思うが、たとえばあまり来たことがない都市に来て、もし日本語が読めなかったらどうだろうと考えると、しばしばとたんに寒気がする。こういうことがしたい外国人がいたらどう動くだろうという想像力を全く欠いているし、情報提供システムとして劣っている。名古屋について言えば、愛知万博で地下鉄に中国語・韓国語・ポルトガル語のアナウンスが入ったりして、相当改善されたと思うが、標識にこれらの言語が使われているのを見たことはほとんどない。

情報があったりなかったりするというのは一番辟易する。なかなかわかりやすい標識だなと感心するような標識がたまにあったところで、どこにでもこんな標識があるわけじゃないからなあ、と思うとあまり見る気がしなくなるのだ。標識そのものに頼ろうと思う気持ちが失せてしまう。標識ならまだしも、特に私企業がやっているレストランのメニューの英語では、ひどいものが多いと評判である。英米人には「辞書通りの直訳のミスが多いよね。どうしてネイティブに相談しないんだ?」といつも言われるが、ああしたものの文責がどこにあるのかははっきりしないし、そう苦情を言われたとたんに、たとえば昔行ったカナダのレイクルイーズで適当な日本語のサインがあり、ひらがなの「か」の字の形がデタラメだったのを思い出したりして、誠実な対応をする気が失せたりする。

余談だが、メニューといえば、ロウでできた食品サンプルをレストランの前に置くのは日本だけのようだ。ここでもアメリカ人の取材記事を紹介したことがある。日本人はあれがあった方がいいと思う人が多いようなので、これからもなくならないだろうが、日本食が息の長いブームになっている今、他国で採用される可能性はあるのだろうか。他の国の人々はあれをどう思うのだろうか。

本題に戻ると、2008年には北京五輪が開催されるが、それまでになくなるかも知れない中国のデタラメ英語標識にツッコミを入れておこうというのが本稿の目的だったりする。



1.戦時中にしか使えない扉

戦時中しか使えない扉次の写真をご覧いただきたい。扉には"No Entry On Peacetime"とある。

• péace・tìme
【名】【U】【形】平時(の)(⇔wartime)‖ in 〜 平時に.

「非常扉」と書きたかったのだろうが、「非常時」と「戦時」は違うのが理解されていないのだ。だからこれを訳すと「戦時用入口」ということになってしまう。しかしながら、本気で中国が戦争を考えていてその時のために作った可能性もなきにしもあらず、そういう国なので突っ込みの手もやや弱くならざるを得ない。




2.「人種差別主義者公園」

レイシストパーク北京には少数民族の文化を紹介する場として、「中華民族園」というのがある。北京城の北西中軸線の上、国家オリンピックスポーツセンターの西側に位置している。園内にはミャオ、チベット、イ、トン、プイ、朝鮮、タイなど各少数民族の部落が建ててあって、観光客は少数民族の人が自分の部落で演ずる自民族の歌や踊りと生産や生活の場景を観賞し、少数民族の風物人情を理解することができる。中国最大の人文博物館と民族文化センターである。

しかしながらここを案内する標識にはご覧の通り英語で"Racist Park"と書いてあるのだ。おっかないことである。

• +rac・ist
/réisist/ 【名】【C】【形】人種差別主義者(の).

この英語の通りの場所であれば、世界各地から人種差別主義者が集い、互いに喧嘩(定義からして喧嘩になるに決まってる)している、そういう観光名所ということになる。かなり行ってみたいかもしれない。少なくとも「東京フレンドパーク」よりは「北京レイシストパーク」の方がスリリングであろう。

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北京五輪まであと2年ほどになりました。これまでの動きをまとめておきましょう。

開幕は2008年8月8日に決まりました。フジテレビの日ですな。1988年・1996年(平成8年)に続く8がらみの年です。

直接の関係があるかどうかは定かでないですが、驚いたのが「孔子学院」という最近作られている新しい中国語学校。ドイツ・アメリカ・韓国その他世界各地の大学等に作られております。講師とテキストは中国政府が用意(!)し、各地の設備などは受け入れ先の大学が用意するとのことで、日本の孔子学院は2005年春の立命館大学孔子学院を皮切りに以下の4大学で開かれております。以下設立順と中国・中国語との関わり。  

     ●立命館大学(私立・京都)・・・名前の「立命館」が孟子に由来。

     ●桜美林大学(私立・東京)・・・語学教育に重点をおいている。
        英語、中国語をはじめとする外国語教育に重点を置いている。

     ●北陸大学(私立・石川)・・・1975年設立の比較的新しい私立大学。
        外国語学部をもち語学教育に力を入れている。

     ●愛知大学(私立・愛知)・・・大学の前身「東亜同文書院(後に大学)」が、
        1901年中国上海に設置されている。

以上のように、全て私立大学で、それぞれ設立のいわれに中国が関わっているか、あるいは語学教育に力を入れている大学です。

テレビでこの孔子学院の授業風景を見たのですが、派遣されてくる講師が中国語以外一切話さないスパルタ系の講師ばかり。「直接法」という教授法なのだそうですが、果たして夏まで何人脱落せずについていけるのでしょうか。しかしついていけたら相当に力が付く教授法であるのは間違いないと思います。

(つづきます)

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日本でニュースになったかどうか知らないが、私の聞き込み調査によれば、多くの英語ネイティブが知っているアメリカのアホアホ判決は以下の通り。

   ○泥棒が侵入して宝石などを盗んでいたら階段から落ちて足を骨折した。
    泥棒は家の持ち主を訴えて勝訴した。

   ○マクドナルドのドライブスルーでホットコーヒーを頼んだ老婦人が、
    コーヒーを股に挟んでふたを開け、ドライブしながら飲もうとしてこぼし、
    綿のパンツがコーヒーを吸い、3度のやけどをした。
    彼女はマクドナルドを訴えて勝訴した。
     
   ○警察から逃げていたとある事件の犯人が山奥に逃げ込んで凍傷になり、
    指を切断するはめになった。もっと早く捕まえられていれば
    凍傷にならなかった、として警察を訴えて、勝訴した。

他に、勝訴した例ではないが、ハンバーガーに指が入っているといちゃもんをつけた老婦人が、友人の友人の指を切断したとして逮捕された、という話も有名らしい。不勉強にも全て最近知りました。解説捜索中であります。うーむまじかよであります。

【追記 5月1日 11:57】

最後の人間の指の話は、ハンバーガーではなくchiliスープの間違いでした。訂正してお詫びいたします。詳しくはご指摘くださったPip様のコメントをご覧下さい。

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