2007年04月15日

フォロワーシップ

 少しばかり古い話ですが(20年ほど前)、当時、ある部署では、若い職員はまず上司や先輩の指示を忠実にこなすことが要求されていました。特に新入生の1年間は「問答無用」の状態と言っていいでしょう。

 

 一見、非道のように見えるのですが、それは目的を持った訓練、修行だったのです。この1年で新入生は「絶対服従」の精神を叩き込まれました。中には、途中で棒の折れる職員もいましたが、大部分の人は(紆余曲折を経ながら)クリアをしていきました。

 

 なぜ、これほどまでに厳しいこと(絶対服従)を強いられるのか。それは部署(組織)の指揮系統の徹底であります。目標に向かって集団で行動するとき、何よりも先ず「絶対服従」の精神が重要であり、身体で覚えた人間こそが、責任の持てる行動が出来るという経営者の理念に基づくものでした。

 

 自分が、組織の一員を担っていることを自覚し、その精神を続けていけば、やがて自分がリーダーになったとき、的確な判断や指示が出せる指導者になれると言うのです。

 

 新入職員を採用するときに体育会系の出身者が好まれるのも同じ理由からでしょう。厳しい上下関係の中に身を置いた経験があれば、フォロワーシップ(上司をサポートしようとする意識)が既に備わっている可能性が高いからです。

 

 最近は何かと、個人の権利が優先し、そうした教育をしようとする職員は敬遠されます。フォロワーシップを教育しないで、個々の能力のみに頼っていると、集団としての力も備わらず、当然に優秀なリーダーも生まれにくくなります。



itom34 at 16:01コメント(3)トラックバック(0) | いとう宿  

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コメント一欄

1. Posted by 河どの   2007年04月17日 16:28
「問答無用」「絶対服従」

いい響きですね〜

そこまで言い切れる自信を持った対応って必要だと思います

もちろん中身が無ければ言い切れませんが…

石の上にも三年。

一年目は当たり前ですね
2. Posted by 爺ィ34   2007年04月18日 07:46
コメント、有り難うございます。
「がちんこ」ではありませんが、「絶対服従」、それが一番の近道です。ところが、先を見ないで目の前ばかりを見てしまう。
多くの成功者は、必ずこういう時代を体験しています。なのにそう言う教育をしないのはなぜでしょう。
リーダーシップの学習をするとき、米国の陸軍士官学校「ウエストポイント」の話がよく出てきます。

新入生は1年間、上官や上級生に対して
 「はい」
 「いいえ」
 「申し訳ありません」
 「分かりません」

以上の4つの言葉しか使ってはいけない。
それは、確実にリーダーを育てるためだからです。
3. Posted by 河どの   2007年04月18日 12:56
なるほど、勉強になります。

私も同じく米国陸軍士官学校が舞台となった「愛と青春の旅立ち」をみて何気なく理不尽なことにも意味があるなと感じていましたが…

こういう教育がなされないのは今の社会背景があるのではないでしょうか?

生徒を叱れない教師たち…

小学校の教育システムは崩壊しつつあるようです。

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