2009年05月16日
ベーシック・インカムへの取り組み
このブログでは珍しく、五木さんとは直接関係のないお話をさせてもらいます。
私が五木さんに関心を持つ大きなきっかけとなったのは『大河の一滴』(このブログでの記事)でした。
貧弱なライ麦が命を支えるために11,200kmもの根を伸ばしてゆく生命力の神秘を讃える箇所が、うつ病に苦しんでいた当時の私を助けてくれました。貧弱に見えるライ麦でさえ、生きるのにそれだけ懸命になっていると切々と訴えるフレーズが、生きていていいのだと私を力づけてくれました。
しかし、かたや社会に出ると、マスコミが猛々しく「自己責任」を唱え、自助努力して生きることができない奴は死んでしまえというメッセージが蔓延していました。そして、貧困のために生活保護を申請しても「水際作戦」で断られたり、アルバイト生活をしていては雇用保険に入ることができなかったりして、貧弱なライ麦を踏み潰さんばかりの残酷さを目の当たりにしました。
労働組合を頼っても、当時は正規雇用の労働者を守ることにしか関心がありませんでした。非正規は人にあらずという空気が充満していました。貧弱なライ麦はどこに生息すれば良いのか、とため息をつかんばかりでした。
うつ病の人には「がんばれ」と言ってはいけないというのがコンセンサスになりつつありましたが、その一方でがんばらなくては生きていけない社会体制が厳然として立ちはだかっていて、「がんばらなくてよい」というのは、まさに絵に描いた餅でした。
私はその後、残酷な社会体制には深い関心を持たずに現実逃避して、ほめ屋活動など自分の好きなことを追求していましたが、ベーシック・インカムという魅力に満ちた制度があることを、かなり後になって知りました。つい2年ほど前のことです。
続きを読む
私が五木さんに関心を持つ大きなきっかけとなったのは『大河の一滴』(このブログでの記事)でした。
貧弱なライ麦が命を支えるために11,200kmもの根を伸ばしてゆく生命力の神秘を讃える箇所が、うつ病に苦しんでいた当時の私を助けてくれました。貧弱に見えるライ麦でさえ、生きるのにそれだけ懸命になっていると切々と訴えるフレーズが、生きていていいのだと私を力づけてくれました。
しかし、かたや社会に出ると、マスコミが猛々しく「自己責任」を唱え、自助努力して生きることができない奴は死んでしまえというメッセージが蔓延していました。そして、貧困のために生活保護を申請しても「水際作戦」で断られたり、アルバイト生活をしていては雇用保険に入ることができなかったりして、貧弱なライ麦を踏み潰さんばかりの残酷さを目の当たりにしました。
労働組合を頼っても、当時は正規雇用の労働者を守ることにしか関心がありませんでした。非正規は人にあらずという空気が充満していました。貧弱なライ麦はどこに生息すれば良いのか、とため息をつかんばかりでした。
うつ病の人には「がんばれ」と言ってはいけないというのがコンセンサスになりつつありましたが、その一方でがんばらなくては生きていけない社会体制が厳然として立ちはだかっていて、「がんばらなくてよい」というのは、まさに絵に描いた餅でした。
私はその後、残酷な社会体制には深い関心を持たずに現実逃避して、ほめ屋活動など自分の好きなことを追求していましたが、ベーシック・インカムという魅力に満ちた制度があることを、かなり後になって知りました。つい2年ほど前のことです。
続きを読む
2009年05月03日
憲法記念日特集「いま問われる25条“最低限度の生活”」
本日、五木さんがテレビ出演しました。
放送日 :2009年 5月 3日(日)
放送時間 :午前9:00〜午前10:30(90分)
番組内容
未曾有の経済危機の中、生活保護を申請する人が急増している。「最低限度の生活」をめぐる議論の変遷をふまえて、各界の論客と憲法25条「生存権」について考える。
出演者ほか
作家…五木寛之, ノンフィクション作家…吉岡忍, 作家・反貧困ネットワーク副代表…雨宮処凛, 【語り】首藤奈知子
上記の内容で、VTRをみながら五木さんと、若者の労働問題で活動する雨宮さん、そして「自分以外はバカの時代」という評論で現代の共感や連帯が断ち切られていることを描き出したジャーナリストである吉岡さんとの三人で鼎談するものでした。
続きを読む
2009年04月10日
親鸞フォーラム《講演:五木寛之》(1) - Windows Live
真宗大谷派が2009年3月21日に東京国際フォーラムで開催した「親鸞フォーラム」で、五木さんの講演が行われていました。私はそれを聴きたいと願っていたのですが、諸事情のために出席することができませんでした。
ところが、このときの講演録をメモしていてくださったと思われる方が、WEBにその抄録をアップしています。
親鸞フォーラム《講演:五木寛之》(1)? - Windows Live
本日時点では、右上にある「次へ」をクリックし続けると、(1)〜(15)まで掲載されていて、もう少し五木さんのお話が続いていきそうです。
私も五木さんのお話を以前に生で聴いたことがあるのですが、とてもおもしろいのです。最初は「つかみ」から入るのですが、私が聴いた講演では、当時サッチー・ミッチー論争が喧しかった頃で、五木さんはかつて浅香光代さんから巻紙の手紙をもらっていていたので、あの手紙の話は決して大げさな誇張ではないのですよというエピソードを紹介してくれていました。
恥ずかしい話ですが、私はその笑い話しか内容を覚えていなくて、最後に五木さんから筆でサインをしてもらったことだけが記憶に残っています。それくらい五木さんの話がおもしろいということなのですが、今回の講演録も、当代随一のストーリー・テラーである五木さんの面目躍如です。
「親鸞と尺八」という論文があったことを紹介しつつも、ただただ親鸞と尺八のことを紹介しただけで、結論は『このように比較検討したが、親鸞と尺八は、まったく関係のないことが判明した。』の二行に過ぎなかったという笑い話から入っています。
最初は笑い話から入るのですが、蟹工船や貧困の本が売れていることに話をつなげて、そして、いまは親鸞の時代なのかもしれないと本題に入ります。親鸞の時代とは、まさに末法の時代なのですが、その時世を表す興味深いエピソードを五木さんは紹介しています。
続きを読む
ところが、このときの講演録をメモしていてくださったと思われる方が、WEBにその抄録をアップしています。
親鸞フォーラム《講演:五木寛之》(1)? - Windows Live
本日時点では、右上にある「次へ」をクリックし続けると、(1)〜(15)まで掲載されていて、もう少し五木さんのお話が続いていきそうです。
私も五木さんのお話を以前に生で聴いたことがあるのですが、とてもおもしろいのです。最初は「つかみ」から入るのですが、私が聴いた講演では、当時サッチー・ミッチー論争が喧しかった頃で、五木さんはかつて浅香光代さんから巻紙の手紙をもらっていていたので、あの手紙の話は決して大げさな誇張ではないのですよというエピソードを紹介してくれていました。
恥ずかしい話ですが、私はその笑い話しか内容を覚えていなくて、最後に五木さんから筆でサインをしてもらったことだけが記憶に残っています。それくらい五木さんの話がおもしろいということなのですが、今回の講演録も、当代随一のストーリー・テラーである五木さんの面目躍如です。
「親鸞と尺八」という論文があったことを紹介しつつも、ただただ親鸞と尺八のことを紹介しただけで、結論は『このように比較検討したが、親鸞と尺八は、まったく関係のないことが判明した。』の二行に過ぎなかったという笑い話から入っています。
最初は笑い話から入るのですが、蟹工船や貧困の本が売れていることに話をつなげて、そして、いまは親鸞の時代なのかもしれないと本題に入ります。親鸞の時代とは、まさに末法の時代なのですが、その時世を表す興味深いエピソードを五木さんは紹介しています。
続きを読む
2009年04月08日
中日新聞:みんなが主役 感動を共有 金沢文芸館でリレー朗読会:シリーズ現場:石川(CHUNICHI Web)
五木寛之文庫が併設されている金沢文芸館については、以前も何度かご紹介したことがありました。また、下記の公式サイトとブログもあります。
金沢文芸館の公式サイトへようこそ
金沢文芸館へ行こう!
そこで、私は残念ながら知ることができなかったのですが、とても興味深いイベントが行われていたようです。
中日新聞:みんなが主役 感動を共有 金沢文芸館でリレー朗読会:シリーズ現場:石川(CHUNICHI Web)
五木寛之作「朱鷺の墓」全編リレー朗読会
市民による全920ページ読破への挑戦!
続きを読む
2009年04月04日
自殺者:11年連続3万人 金融危機影響か、10月急増−−昨年、警察庁調べ
五木さんが長年関心を抱き続けている自殺者数の2008年の統計が、今年も発表されました。毎年6月ごろに発表されているのですが、今年は早くも四月の初めになりました。
自殺者:11年連続3万人 金融危機影響か、10月急増−−昨年、警察庁調べ
警察庁は2日、08年の自殺者が3万2249人で、11年連続で3万人を超えたと発表した。統計の残る78年以降で2番目に多かった07年より844人減ったが、初めて公表した月別の自殺者数では、金融危機が深刻化した08年10月が唯一3000人を超え最多だった。急激な景気悪化が影響しているとみられる。
警察庁は、毎年6月に自殺の統計を公表してきたが、経済状況の悪化で自殺者が増える恐れがあり、抑止に役立てようと、2カ月早く確定値を公表した。年代や動機別データは5月半ばに公表する。
自殺者全体のうち男性が2万2831人(前年比647人減)で約71%を占め、女性が9418人(同197人減)だった。月別では、金融危機のきっかけとなった米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)翌月の10月が3092人。3月の2939人、4月の2854人が続いた。
今年の自殺者は、1月が2655人(昨年同期比113人増)、2月が2470人(同62人増)で、12年連続で3万人を超えるペースとなっている。
遺体が発見された都道府県別では、東京都が2941人で最も多く、最少は徳島の202人だった。前年比の増減別では、86人増の北海道がトップ、次いで80人増の長野、68人増の埼玉だった。
08年は硫化水素による自殺が相次ぎ、前年比36・4倍の1056人だった。インターネットの書き込みを参考にしているとして、警察庁は硫化水素の製造方法など自殺を誘発する恐れのある情報を「有害情報」に指定し、接続業者(プロバイダー)に削除依頼できるようにしている。【長野宏美】
続きを読む
2009年03月29日
連載小説「親鸞」-夢のなかの女(1)〜(22)- 後半部
[五木寛之] ブログ村キーワード
連載小説「親鸞」-六角堂への道(1)〜(22)- 前半部(1)〜(10)
のサマリーと感想を、前回に引き続きお送りします。長いシリーズになっているので、今回は後半部をお話します。
紫野と親しくなった範宴は、六角堂への参籠の動機がまことの仏を見るということから、すっかり彼女と会うことへと移り変わろうとしていました。おのれの欲望の激しさに恐れつつ、六角堂の中で「南無聖徳太子」と称えては、その欲望を鎮めようとしていました。
参籠初日に背中の膿を吸った子の母親が招いてくれた宿で、法螺房は範宴に、この末法の世では僧も俗もないわけだから、仏陀の初心、つまり人はみな平等であるという教えにかえって、仏の道を実践するしかないのではないのだろうかと説教をしました。
酒はいけない、贅沢はいけないという戒律から自由になる踏ん切りがついた範宴は、法螺房といっしょに、宿の女主人から様々な食事をもてなされていました。自分が俗人と違った清浄な僧だなどと思うのは、自らを高しとすることなのであろうと二人は話していました。
そのとき、戸ががらりと開いて、長身の白髪の男がのそりとはいってきました。
関連書籍
『私訳 歎異抄』
続きを読む
連載小説「親鸞」-六角堂への道(1)〜(22)- 前半部(1)〜(10)
のサマリーと感想を、前回に引き続きお送りします。長いシリーズになっているので、今回は後半部をお話します。
紫野と親しくなった範宴は、六角堂への参籠の動機がまことの仏を見るということから、すっかり彼女と会うことへと移り変わろうとしていました。おのれの欲望の激しさに恐れつつ、六角堂の中で「南無聖徳太子」と称えては、その欲望を鎮めようとしていました。
参籠初日に背中の膿を吸った子の母親が招いてくれた宿で、法螺房は範宴に、この末法の世では僧も俗もないわけだから、仏陀の初心、つまり人はみな平等であるという教えにかえって、仏の道を実践するしかないのではないのだろうかと説教をしました。
酒はいけない、贅沢はいけないという戒律から自由になる踏ん切りがついた範宴は、法螺房といっしょに、宿の女主人から様々な食事をもてなされていました。自分が俗人と違った清浄な僧だなどと思うのは、自らを高しとすることなのであろうと二人は話していました。
そのとき、戸ががらりと開いて、長身の白髪の男がのそりとはいってきました。
関連書籍
『私訳 歎異抄』
続きを読む
2009年03月27日
プレジデントロイター「キーパーソン」図鑑:五木寛之―「鬱、愁、悲」不安を背負って生き抜く智慧
五木さんが、かのロイター紙でインタビューに答えています。赤旗からロイターまで、五木さんの活躍は本当に幅広いです。
五木寛之―「鬱、愁、悲」不安を背負って生き抜く智慧
もともとプレジデント誌2009年1.12号に掲載されていたものが、この3月23〜27日にWEB上に転載されていました。
内容については、これまでの五木さんの考えがもう一度語られていて、とりわけ『遊行の門』や『人間の覚悟』で説かれていたことのダイジェスト版ということもできます。
続きを読む
五木寛之―「鬱、愁、悲」不安を背負って生き抜く智慧
もともとプレジデント誌2009年1.12号に掲載されていたものが、この3月23〜27日にWEB上に転載されていました。
内容については、これまでの五木さんの考えがもう一度語られていて、とりわけ『遊行の門』や『人間の覚悟』で説かれていたことのダイジェスト版ということもできます。
続きを読む
2009年03月21日
連載小説「親鸞」-夢のなかの女(1)〜(22)- 前半部
[五木寛之] ブログ村キーワード
連載小説「親鸞」-六角堂への道(1)〜(22)- 前半部(1)〜(10)
のサマリーと感想を、前回に引き続きお送りします。長いシリーズになっているので、今回は前半部をお話します。
範宴は、六角堂へ参籠する決心をしました。さっそく第一日目には、子どもの背中から膿を吸い出すという濃い経験をさせてもらい、しかも、そのときに手巾を投げてくれた品格のある女性とも出会うことができ、これからも参籠を続けようという動機が湧いてきました。
関連書籍
『私訳 歎異抄』
続きを読む
連載小説「親鸞」-六角堂への道(1)〜(22)- 前半部(1)〜(10)
のサマリーと感想を、前回に引き続きお送りします。長いシリーズになっているので、今回は前半部をお話します。
範宴は、六角堂へ参籠する決心をしました。さっそく第一日目には、子どもの背中から膿を吸い出すという濃い経験をさせてもらい、しかも、そのときに手巾を投げてくれた品格のある女性とも出会うことができ、これからも参籠を続けようという動機が湧いてきました。
関連書籍
『私訳 歎異抄』
続きを読む
- 共通テーマ:
- 連載小説「親鸞」(五木寛之) テーマに参加中!
2009年03月14日
連載小説「親鸞」-六角堂への道(1)〜(14)-
[五木寛之] ブログ村キーワード
連載小説「親鸞」-六角堂への道(1)〜(14)-
のサマリーと感想を、前回に引き続きお送りします。
範宴は一日三千回の五体投地という修行を行い、音覚法印と慈円からは、好相行は修了した扱いとして認められました。しかし、そのために範宴は良心の呵責に苛まれることとなり、以前にも増して寡黙になりました。周囲からの尊敬の眼差しが、そのまま鋭い矢となって範宴を貫くのです。
それから10年の年月が流れました。範宴は、回峰行も常行三昧も行い、音覚法印からは古い楽曲から新しい和讃まで習いました。しかし、いっこうに御仏の姿が見えないし、おのれの実体も見えないのです。心の中に浮かぶのは、みだらな男女の愛欲の姿ばかりなのです。
そこで、範宴は一つの大きな決心をしました。
関連書籍
『私訳 歎異抄』
続きを読む
連載小説「親鸞」-六角堂への道(1)〜(14)-
のサマリーと感想を、前回に引き続きお送りします。
範宴は一日三千回の五体投地という修行を行い、音覚法印と慈円からは、好相行は修了した扱いとして認められました。しかし、そのために範宴は良心の呵責に苛まれることとなり、以前にも増して寡黙になりました。周囲からの尊敬の眼差しが、そのまま鋭い矢となって範宴を貫くのです。
それから10年の年月が流れました。範宴は、回峰行も常行三昧も行い、音覚法印からは古い楽曲から新しい和讃まで習いました。しかし、いっこうに御仏の姿が見えないし、おのれの実体も見えないのです。心の中に浮かぶのは、みだらな男女の愛欲の姿ばかりなのです。
そこで、範宴は一つの大きな決心をしました。
関連書籍
『私訳 歎異抄』
続きを読む
- 共通テーマ:
- 連載小説「親鸞」(五木寛之) テーマに参加中!
2009年03月12日
ラジオ番組「梶原しげるの TALK TO TALK」
五木さんは、ラジオというメディアをことのほか大切にしていて、25年続いた「五木寛之の夜」という番組が有名ですが、他にも現在では、「わが人生の歌がたり」で月に一度NHKの番組を担当しています。最近では、大竹まこと ゴールデンラジオ!にもゲストで出演して、『凍河』のPRをしていました。
今回は、梶原しげるさんのラジオ番組「梶原しげるの TALK TO TALK」に出演しています。『人間の覚悟』のPRのようでした。
残念ながら、番組の一部しかWEBでは公開されていないのですが、その収録の様子と梶原さんの感想が、下記の記事の中でありありと書かれているのです。
【48】五木寛之さんから学んだ「話し言葉」の極意:日経ビジネスオンライン
続きを読む
今回は、梶原しげるさんのラジオ番組「梶原しげるの TALK TO TALK」に出演しています。『人間の覚悟』のPRのようでした。
残念ながら、番組の一部しかWEBでは公開されていないのですが、その収録の様子と梶原さんの感想が、下記の記事の中でありありと書かれているのです。
【48】五木寛之さんから学んだ「話し言葉」の極意:日経ビジネスオンライン
続きを読む



はてなに追加
MyYahoo!に追加
del.icio.usに追加
livedoorClipに追加









