中小企業の法務・組織再編はこう進める!

司法書士法人名南経営 岩本直也 公式ブログ

【公証人法施行規則の一部を改正する省令案】

法務省 (意見募集は7月23日まで)

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080167&Mode=0

 

改正の背景

 法人の実質的支配者を把握することにより法人の透明性を高めることが国内外においてより一層求められていることを踏まえ、公証人が、株式会社並びに一般社団法人及び一般財団法人の定款を認証する際に、これらの法人の実質的支配者となるべき者について申告を受ける等の措置を講ずるため、公証人法施行規則(昭和24年法務府令第9号)について、所要の改正を行うこととする。

 

改正の概要

① 公証人は,会社法(平成17年法律第86号)第30条第1項並びに一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)第13条及び第155条の規定による定款の認証を行う場合には,嘱託人に対し,次に掲げる事項について申告させるものとする。
 ア 法人の成立の時にその実質的支配者(犯罪による収益の移転防止に関する法律
   (平成19年法律第22号)第4条第1項第4号に規定する者をいう。)となる
   べき者の氏名,住居及び生年月日

 イ アの実質的支配者となるべき者が暴力団員による不当な行為の防止等に関する
   法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員(において
   「暴力団員」という。)又は国際連合安全保障理事会決議第1267号等を踏まえ
   我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法(平成26年
   法律第124号)第3条第1項の規定により公告されている者(現に同項に規定
   する名簿に記載されている者に限る。)若しくは同法第4条第1項の規定による
   指定を受けている者(において「国際テロリスト」という。)に該当するか否か。

 

② 公証人は,①の定款の認証を行う場合において,①アの実質的支配者となるべき者が,暴力団員又は国際テロリストに該当し,又は該当するおそれがあると認めるときは,嘱託人又は当該実質的支配者となるべき者に必要な説明をさせなければならない。

 

施行

 平成30年11月30日予定

 

コメント

 司法書士が定款認証を代理する場合、この「申告」も代理(法律行為ではないので代行?)することになるでしょう。実務に与える影響もかなり大きいと思います。

 

 一方で、次のような検討もされています。

 未来投資会議

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai17/index.html

 

「株式会社の設立手続に関し、一定の条件の下、本年度中にテレビ電話等による定款認証を可能とし、平成32年度中に、定款認証及び設立登記のオンライン同時申請を対象に、24時間以内に設立登記が完了する取組を全国実施する」

 

 

 ついでに、話題の「資格者代理人方式」も次の検討と関係していると思われます。

 
③不動産取引関連サービスのデジタル化
 ア)登記時の添付書類(売主の印鑑証明書)の削減
   ・不動産登記手続における添付書類の簡素化を行うため、異なる法務局間での法人の印鑑証明書
    の添付を不要とすべく、法務省は実務における課題等を洗い出した上で、来年度内の情報シス
    テムの改修及び運用開始を行う。
 イ)電子契約の活用における環境の整備

   不動産取引における電子契約が一般的な選択肢となるための環境整備として、以下の取り組みを
  行う。

   ・法務省及び総務省においては、電子証明書の利便性向上に関する議論を踏まえつつ、法人及び
    個人の電子証明書の抜本的な普及を図る。
   ・国土交通省においては、法人間売買におけるITを活用した重要事項説明の実施について本年度
    中に結論を得るとともに、その検討状況も踏まえつつ、IT活用に向けた周辺環境整備を進め、
    オンライン化を推進する。

【組合等登記令の一部を改正する政令案】
法務省

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080168&Mode=0

 

改正の内容

 特定非営利活動法人に貸借対照表の公告が義務付けられることを踏まえ、組合等登記令の別表を改正し、特定非営利活動法人の登記事項の欄に掲げる事項から「資産の総額」を削除し,「資産の総額」の登記を不要とする。

 

施行

 平成30年10月1日

 

経過措置

 施行前にされた行為に対する罰則の適用について所要の経過措置を設けるものとする。

 

再掲:NPO法人も決算公告が必要になります。

http://blog.livedoor.jp/iwamoto_naoya/archives/51357700.html

 

コメント

 平成30年3月決算について、資産の総額については変更登記の申請が必要であり、かつ同決算の貸借対照表については公告もする必要があるので、十分注意して下さい。

 

 登記事項から削除される=登記事項証明書には載ってこない?それとも会社法が制定された際の有限会社の「出資1口の金額」のように下線が付される?

 平成30年10月1日以降、資産の総額の変更登記は申請できない(する必要がない)。ただ、登記義務はあったため、登記懈怠の問題は残り続けることになるのでしょうか。

特定非営利活動促進法

第80条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、特定非営利活動法人の理事、監事又は清算人
     は、20万円以下の過料に処する。
     1 第7条第1項の規定による政令に違反して、登記することを怠ったとき。

今年は、免許の更新の年でした。
5月31日生まれの私の更新期間の末日はいつになるでしょうか。

平成30年6月30日は土曜日です。

更新のはがきには、7月1日ではなく「7月2日まで」と記載されていました。

【民法】

第142条 期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。

 

【国民の祝日に関する法律】

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/viewContents?lawId=323AC1000000178_20160101_426AC0000000043

 

組織再編等の債権者保護手続きの異議申述期間の末日を確認する際に、何百回と見てきた規定で、土曜日は「休日」には当たらないのです。
たとえば、7月1日(日)を吸収合併の効力発生日と定め、5月30日(水)に債権者保護手続きを開始した場合、6月30日(土)24時に満了するため、適法に効力発生日をむかえます。
 

CF:民事訴訟手続

【民事訴訟法】

(期間の計算)

第95条 期間の計算については、民法の期間に関する規定に従う。

2 期間を定める裁判において始期を定めなかったときは、期間は、その裁判が効力を生じた時から進行を始める。

3 期間の末日が日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日、一月二日、一月三日又は十二月二十九日から十二月三十一日までの日に当たるときは、期間は、その翌日に満了する。

 

ではなぜ免許の有効期間(=更新期間)の末日が、7月2日になっているのか。

いったい土曜日は何なのか。。。

 

別の法律があるようです。

 

【行政機関の休日に関する法律】

(行政機関の休日)

第1条 次の各号に掲げる日は、行政機関の休日とし、行政機関の執務は、原則として行わないものとする。

1 日曜日及び土曜日

2 国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日

3 12月29日から翌年の1月3日までの日(前号に掲げる日を除く。)

2 前項の「行政機関」とは、法律の規定に基づき内閣に置かれる各機関、内閣の統轄の下に行政事務をつかさどる機関として置かれる各機関及び内閣の所轄の下に置かれる機関並びに会計検査院をいう。

3 第1項の規定は、行政機関の休日に各行政機関(前項に掲げる一の機関をいう。以下同じ。)がその所掌事務を遂行することを妨げるものではない。
(期限の特例)

第2条 国の行政庁(各行政機関、各行政機関に置かれる部局若しくは機関又は各行政機関の長その他の職員であるものに限る。)に対する申請、届出その他の行為の期限で法律又は法律に基づく命令で規定する期間(時をもつて定める期間を除く。)をもつて定めるものが行政機関の休日に当たるときは、行政機関の休日の翌日をもつてその期限とみなす。ただし、法律又は法律に基づく命令に別段の定めがある場合は、この限りでない。

 

ということで、土曜日は「行政機関の休日」となり、日曜日の翌日である7月2日が末日となっていたわけです。調べてみれば、しっかりルールが決まっているわけですね。


さて、民法に戻って「その日に取引をしない慣習がある場合のその他の休日」ってどんな日なんでしょうか。
私の田舎(遠州地方)では、山の講という山仕事、畑仕事をしてはいけない日(確か2月5日)があり、子供頃祖父「家で静かにしていなさい。」と言われたことを思い出しました。民法の解説書によれば、取引しない慣習は、ある地方独特のものでも、当事者の一方のみでもよい、とありますが。

「国民にわかりやすい民法」を目指して、債権法の改正が行われましたが、民法142条は対象になっていません。

実務(手続・登記)家の鉄則は、解釈に疑義が生じないようより安全な方法を選択することです。
スケジュール作成には十分注意しましょう。

悪魔は細部に宿る。

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