9月1日から改正医療法が施行されます。

医療法人の登記に関係する改正点を少し紹介していきたいと思います。

※社団である医療法人の役員変更を中心に。

 

1.いつから変わるのか。

役員の選任については、施行日(=9月1日)以後に行われる役員の選任について適用されます(改正医療法附則2条)。

 

2.登記事項は変わるのか。

医療法人の登記事項は組合等登記令に規定があり、こちらの改正はないため、従来どおり代表権を有する者を「理事長」として、住所と氏名が登記されます(組合等登記令2条2項)。

改正医療法では、「社員総会」「理事」「理事会」及び「監事」を置かなければならないことになりました(改正医療法46条の2第1項)が、登記事項にはなりません。必須の機関であり、設置するかしないかに選択の余地がないため、それを公示する必要もないという考えでしょう。そもそも「(代表権がない)理事」や「監事」が登記事項ではないですし。

3.理事・理事長の選任についてのおさらい。

理事は、社員総会の決議によって選任され(改正医療法46条の5第2項)、任期は「2年」を超えることができない(改正医療法46条の5第9項)となっています。

そして、理事長は理事会におおいて選出すること(改正医療法46条の7第2項3号)が法定化されました。

4.9月に理事(理事長)の任期が満了する法人は、まずはこれだけおさえてください。

 理事会議事録には、「出席した理事」と「出席した監事」が署名又は記名押印しなければならない(改正医療法46条の7の2第1項により読み替えて準用される一般社団法人及び一般財団法人に関する法律95条3項)、となっていることです。

 

 従来、理事長は「理事の互選で選出する」と定款に規定されていても、実際は理事会で選出が行われていた例が多いと思います。これは、理事会の決議(理事会議事録)が理事の互選の要件を満たしていたため、理事長の変更登記でも問題とならず、受付がされてきたものと思われます。そもそも理事会が任意の機関でしたので、理事会議事録についても議事録署名人制度を採用していたり、出席した理事だけが署名又は記名押印したり、と法人ごとの内部自治にゆだねられていました。

しかし、9月1日以後は、理事会議事録には出席した理事と監事の署名記名押印が必須になります、特に出席した監事をもらすことが想像されます。ご注意ください。



 次回も、改正医療法についてご紹介していきます。