少し前に事務所で話題になった「割サイン」。
正確には「契サイン」なのかもしれませんが。
株式会社を設立するには、公証役場での定款認証が必要で、印鑑証明書と(代理人が行う場合)定款を製本した委任状(個人実印で押印したもの※)が必要になります。
※袋綴じ又は委任状と定款をまとめてホッチキスで止め、委任状と定款の間にも割印する。
外国人又は外国の会社が発起人となる場合について。
会社法定款実務Q&A -日本公証人連合会
「7 外国人や外国会社は,発起人となれますか。その場合の必要書類は何ですか。」
http://www.koshonin.gr.jp/tei.html#07
割サインは、外国にはない習慣のようで、お願いするのが一苦労です。
Could you make your signature overlapping two pages ?
Could you make your signature overlapping seal and cover ?
この割サイン手続きの見直しが、検討されているようです。
総務省 規制・行政手続見直しワーキング・グループ(第4回)会議資料
http://www.invest-japan.go.jp/promotion/simplify_wg_04/shiryo_01.pdf
(5)割サイン手続
課題⑤
定款認証等の際、その作成の真正を担保するため、実務上、割印を求めているが、申請者が外国企業等の場合、割印の代替手段として、法人代表者等に割サインを求めている。割サインは、外国にはない習慣であり、代表者等に対する事前説明、外国との書類の郵送のやりとり等、実務的には多大な手間や日数がかかっている。
(対応)
外国企業や海外在住者が発起人となる場合の定款認証手続等において、割サインによらない対応の在り方についての検討を行い、平成28年度中に結論を得る。【法務省】
「割サインによらない対応の在り方」とは、一体どのようなものなのか。
定款には条数があるのでページが飛んでいればすぐにわかるはずですし、そもそも定款の作成を委任された代理人であれば、その内容についてもある程度の裁量はあるはずですので、割印(割サイン)することにどこまで合理的な理由があるのか。
なお、一部の公証役場では割印がない委任状でも、手続きをしてもらえるという話を聞いたこともあります。
今後の動向に注目したいと思います。