岩 崎 建 築 研 究 室 ・ 日 誌

〜京都で数寄屋を学び、建築設計を考える〜

岩崎建築研究室

タワーマンションの四畳半四日目

タワーマンションの四畳半四日目。

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畳屋さんが採寸中。ちなみに壁は聚楽クロスで、三日目で仕上がっている。最近のクロスはよく出来ていて上手に使えば茶に相応しい雰囲気にすることも可能だと思う。応援の大工さん、本来はクロス屋さんという多能工。大工工事を手伝いながらボードが貼れたらクロスを貼る、という段取りは素晴らしい。

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建具屋さんも到着。障子の建て合わせと、襖の地合わせ。

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障子の建て合わせ中。障子についてはこちらで詳細図まで作成して、製作してもらっている。

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大工さんはフローリング張り。床が水平でなかったので、微調整をしながら。

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襖の地合わせ中。障子の建て合わせは建具屋さん、襖の地合わせは表具屋さん、ということが多いが、今回は建具屋さんが両方をしてくれて、こちらも段取りが良い。

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大工さんと建具屋さん。

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障子は一部摺り下げになっていて、タワーマンションならではの眺望が楽しめるようになっている。建て合わせできた障子は持ち帰り紙を貼って、再び現場に持ってきてもらう。

今日で現場での工事は終了。あとは建具、襖、畳を製作し現場に納めて竣工、の予定。

タワーマンションの四畳半三日目

タワーマンションの四畳半三日目。ホテルから現場まで、三日連続で同じ路線を使うとちょっと通勤気分。

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赤松の床柱が立った。

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建築主さんに今日の銘木屋さんまで来ていただき選んでいただいた床柱。大工さんの作業場に送って、ビデオ通話で相談をしながら、使う位置使い方を決定して加工してもらっています。

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鴨居上の束を入れる。

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壁下地のボードも仮組みの時に用意してくれているので、現場での作業は早い。

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花蛭釘は、走り釘で。

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竿縁を加工して移動できるようになっています。

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置き水屋が到着。底にカグスベールをつけて、移動可能に。

タワーマンションの四畳半二日目

タワーマンションの四畳半二日目。

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運び込まれた材料。柱や敷居鴨居などの化粧材。

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床板や壁下地など。

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敷居は桧の無垢材。

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鴨居も桧の無垢材。

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床柱は京都の銘木店で選んでいただいた赤松皮付。

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桧の柱を立てる。茶室の柱は北山杉の丸太や面皮でなければ、という棟梁もいるかもしれませんが、古くからある茶室にはいろいろな材が使われています。また丸太や面皮となると鴨居などを仕込む大工手間も変わってきますし、また空調の効いたマンションの中に背割のある無垢の柱を使うのが良いことなのかとも思います。意匠、手間、他の部屋とのバランスや予算など総合的に判断して、今回は桧の貼りの三寸五分角の柱を使用。

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レーザーで垂直を確認。既存の壁が垂直とも限らないし、既存の床が水平とも限らない。

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柱が立ったら鴨居を入れる。

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今回は床の高さは30cm。炉壇は特注で八寸の物を作っています。

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柱は桧の貼りと言っても、2ミリほどの厚貼りなので、大工さんが手鉋をあてて仕上げてくれています。

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鴨居上の束にはこんな金物を使用して。

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床組みが進む。ここまで進むと仮組みをしてあるので作業が早い。

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二日目で大方形が出来上がった。





タワーマンションの四畳半一日目

昨年12月にお問い合わせをいただき、計画を進めてきたタワーマンションの四畳半計画。1月に初顔あわせ、2月に大工さんと現場確認、4月には京都の銘木屋さんをご案内、5月に見積書を提出、内容と金額を調整して工事スタート。まずは大工さんが作業場で加工、仮組みまでをしているので、今日から始まる現場での工事は四日間で終了の予定です。

一日目は、養生をして現場解体。始発の新幹線で現場九時到着の予定が、途中大雨で新幹線が停まり一時間遅れ。

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リビングに隣接した和室の畳を上げ、壁を壊して、床を上げた四畳半を作りこみます。

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壁の構造が少し想定外だったようですが、順調に作業は進み一日目は終了。

桂離宮(賞花亭)

桂離宮見学、松琴亭を後にして賞花亭。

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結界の竹。焼き杭に竹を棕櫚縄で縛る。

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床下の換気、竹打ち付け。

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茅葺の屋根。垂木も間垂木も小舞も先端は釘打ち。ここの天井材はへぎ板。

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畳の縁はこげ茶の麻か。めのり(丸目)にはなっていない。

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竹垂木の埋め木。私が監理するなら、柾目は縦になるように指示するかな。

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賞花亭の竃。

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横長の下地窓。ここはなぜか天井材が皮付葦でなくへぎ板。

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賞花亭、全景。

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棟は瓦。

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園林堂の脇の飛び石。





桂離宮(松琴亭)

桂離宮見学、外腰掛から松琴亭へ。

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池越しに松琴亭が目に飛び込んでくる。たまらないシーン展開。

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岬灯籠。意外に新しく見える。綺麗に掃除しすぎた?本当に本歌?市場に出ているもので、これより味わいがあるものもありそう(本を見るとやはり本歌は傷んで変えられているようだ。)宝珠の根元に筋目が入っている写しはあまり見ないような。

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州浜、岬灯籠、松、そして松琴亭。

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石の上に白鷺。奥は月波楼。

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州浜と岬灯籠。台石と景石の配置、組み合わせ。

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州浜の様子。せっかく本物を見に来ているのに、岬灯籠が本歌じゃないというのは、ちょっと残念。

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松琴亭。ガイドの人はどんどん先に行ってしまう。後ろからは皇宮警察に追い立てられる。

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白川橋。

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松琴亭のにじり口周り。挟み鴨居には反り台で景色がつけられている。

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にじり口から覗いたところ。ガイドさんは茶室を素通り、先に行ってしまっているので、ゆっくり見られない、、、

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床柱の材まではわからない。床框は真塗りか?廻縁の上に枕竹の入る古い納まり。

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天井は真菰糸編みか。傷んだところだけ補修、糸は白糸。

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にじり口。釘は後から打ち増したのだろうか、めった打ち。二枚半の半は完全に柾板、二枚と共材と言う感じではない。

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連子竹はあふち貫きに釘打ちされている。今のセオリーではあふち貫は通すだけだが、いつ誰が釘を打ったんだろう。

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刀掛けと掛け雨戸。

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松琴亭内部、六畳の二の間。

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天袋、ここの引き手は栄螺型。

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天袋詳細。

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栄螺の引き手。青磁色の七宝。天地はこれが正解なのだろうか。

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松琴亭の竃。

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竹スノコと三角の棚。実際に使う様子を見てみたい。

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有名な市松の張り付け壁と襖。

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ズームをして撮影すると、うっすら重ね具合がわかる。三分ほどの重ねか。

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アベマキの柱桁に、竹の垂木、女竹の小舞、間垂木、皮付葦の天井材、という組み合わせは、意外にも、御幸門、外腰掛け、松琴亭と、ずっと共通。

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おくどさん。三角の棚はエッヂが効いている。

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出隅の柱は節だらけ。現代の銘木店に、これと同じものを、というと困るかもしれない。

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離宮、別邸ということで、あえて節だらけのものを選んでいるのだろうか。枝打ちをして節のないものを作る、ということを当時もしていたと思うのだが、どうなんだろうか。

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松琴亭一の間の長炉。暖房と調理を兼ねて、天袋には料理を入れて下からの熱で保温をしたとも。天袋は狩野探幽、引き手は結び紐。

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内部は石。切石を並べて。茶室の炉も、このように白御影を並べて作る、ということもできそうだ。

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池を掘って、その土を盛り上げた築山を登る。

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築山から見る松琴亭。















桂離宮(御幸門から外腰掛)

桂まで車で行って、少し時間があったので、ダメ元で桂離宮に行ってみると、当日申し込みで見学OK。急遽一時間の桂離宮見学。一時間ではゆっくり見れないが、写真をたくさん撮ったので、気がついたこととともにまとめておく。

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桂離宮の建仁寺垣。横の竹のピッチ(一番下は低く、一番上は少し広いなど)や飾りの紐の長さなど、一言で建仁寺垣と言っても色々なので、桂離宮ではどうなのかを写真を撮っておく。

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係りの人に案内されて、扉をくぐると霰こぼし!洗練された美意識の元、手間のかけられた仕事に圧倒される。

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霰こぼし詳細。

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御幸門。修復を重ねて、美しい状態だが、当初材はどれほど残っているのだろうか。テセウスの船状態。

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アベマキの柱と桁。

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建具は平竹。明らかに最近のもの。

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栗ナグリの控え柱の足元。

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アベマキの太い柱の足元は意外にも四角い根石。

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霰こぼしの道と、少し軸を振った橋。

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外腰掛前の二重枡形の手水鉢と生込灯籠。

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外腰掛の化粧屋根裏。竹の垂木、女竹の小舞、間垂木、天井材は皮付葦。

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何度やりかえられているだろうか。現代の数寄屋の標準寸法らしく見えるが、当初と寸法は変わっていないだろうか。

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雪隠内部。

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腰掛の手すり。

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框と板の納まり、根太の様子。

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道の先々、目の止まるところに灯籠。御腰掛延段の南端の生け込み灯籠。





裏千家は畳に座り、表千家は板に座る?

仕事の合間の一服後、茶室の大型本をなんとはなしと眺めていた。

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茶道口、踏み込みの畳の縁の向きが以前より気になっていた。畳の向きから見ると、又隠は横に縁、今日庵は前に縁になるようだ。拝見ものを引いて、最後挨拶をするときにはこの畳に並べるので、縁の位置が気になる。どちらが正解というのはないのだろうか。とりあえず四畳半であれば横、一帖台目なら前、というのが裏千家では正解か。

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利休堂でも横になるようだ。表千家ではどうだろうか、と見てみると、

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不審庵は茶道口が開き戸でそもそもイレギュラー。最後の挨拶はここでしないのだろうか。ここには畳はなく板敷き。

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一帖台目の反故貼りの席も、板張り。点雪堂にいたっては、入った半畳も板張りだ。表千家では、茶道口外では板に座る、というのがセオリーなのだろうか。

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ちなみ武者小路千家、官休庵は入ったところも板張り。うーむ、気になってきた。別の本で、他も調べてみる。

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武者小路千家、半宝庵は畳敷き、縁は前。

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表千家、堀内家長生庵は茶道口も給仕口も板張り。一帖台目の半桂も板張り。

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表千家、久田家半床庵も、茶道口、給仕口ともに板張り。こうなると表千家系は意図的に板張りにしているように見える。

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ちなみに薮内燕庵は畳敷き、縁は前。給仕口は板張り。

やはり裏千家でしかお稽古をしていないので、他の流派のことは基本的なことすらわかっていない、ということを改めて感じる。茶室は難しい。
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岩崎建築研究室
岩崎 泰

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