伏見の離れ新築工事。左官屋さんが三和土を施工するというので、現場に行ってきました。


現場に着くと、ちょうど材料を塗り込んでいるところでした。


鏝で材料を塗り込んで、スポンジで拭き取り、鏝で叩きます。


型枠を外したところ。


三和土(たたき)は、「土」「石灰」「苦汁」と、文字通り三つをあわせて叩いたもの。昔の民家の土間など、砂埃がたたない程度に固めるにはそれでよかったかもしれませんが、たとえば茶室の犬走りのようなところに使うには、どうしても割れたり、崩れてしまいます。そこで今ではセメントを入れたりしますが、左官屋さんは昔から苦土と呼ばれ肥料に使われている酸化マグネシウムを混ぜることで割れない三和土を作ってくれます。(ちなみに苦汁(にがり)は塩化マグネシウム)。


全体の様子。三和土ができつつあり、ようやく完成の姿が見えてきました。


「隅の丸、五分と一寸あるけど、どっちにしよ」。実際に少し使ってもらって、「じゃあ、一寸のほうで。」


角もこのくらいの丸で、とお願い。


整形したところ。いい感じです。やはりこのあたりは現場に来て職人さんと相談しながらやらなければいけないところ。左奥に見えるのは、ホゾを抜いた土台の出隅の納まり。大工も左官も腕の良い職人が集まってやっていることがわかる景色。


スポンジで拭き取り中。


拭き取ったあとは、鏝で叩いて仕上げ。この風合いは、単に腕が良いだけでなく、いろいろなものを見て感性を磨いた職人さんでなければできないもののように感じます。


作業中の左官屋さんと、左官談義をするのも楽しみのひとつ。今日もいろいろな話題が挙りましたが、待庵の壁について、左官屋さんが「ひょっとしたら、あれ、職人じゃなくて、お百姓さんがした仕事かも。」たしかに奥田さんもあれは荒壁仕上げではなく単なる荒壁だと言っていましたし、昔の職人さんは今ほどあれこれ考えずに、もっとアバウトにやっていたように思います。ただ、だからといって現代における素人仕上げ、というのもどこか違う感じがしますし、結局のところ、腕が良く感性のある職人が技を尽くしながら、それを感じさせない仕事、やはりこれが究極の目標のように感じます。


一段落したところでお昼休み。午後からは内部の仕上げにもかかります。