シンガポール三日目。引き続き造園工事に加え、今日は日本から大工さん達もやってくる。


昨日、石を配置して、一晩寝かせた庭に砂利をいれる。地元で用意した白川風の砂利は、日本で出回っている中国産のものよりも良いかも、とのこと。いくつかあるサンプルの中から選んだ者としては、ホッと一安心。こちらは波紋を入れずあっさりと。太陽の光が作り出す石庭のコントラスト。大徳寺龍源院にある坪庭「東滴壺」は雪が降ると屋根のかかり具合で中央に白い帯が出来るのですが、それにも似た雰囲気。景石は富士石。世界遺産Mt.fujiの溶岩(英語でlavaと言うらしい)だ、と説明すると、シンガポーリアンも「Oh!」と感心する。


筧の工事にかかる。日本から持参した塩ビのパイプを固定する。


現場にあったバケツとモルタルを拝借して。砂Sandはあるか、と聞くと、想像とちょっと違うものが来たが、とりあえず混ぜてみる、の図。


筧の竹が立った。塩ビのパイプに、すっと差し込めるようになっているので、古くなった時に容易に取り替えられるようになっている。同じ寸法の竹を用意するのが大変そうにも思えるが、普段からたくさんの竹を扱っている造園屋さんならno problem.


いよいよ礎石の水鉢を据える。ひょっとすると、本当にお寺の柱を支えていた礎石かもしれない、とのこと。ほんまもん。それに穴をあけて水鉢にしている。元々、土に埋まる下部は丸くなっていますが、水平に据えられるように、又、二人で担える程度の重さになるように、平に切断してある。


現地で用意してもらった鉄パイプを担い棒にして、無事所定の位置に搬入。


高さを調節して、


水を張って、


チョロチョロと水を流したときに綺麗に前に流れるようにする。


飛び石を据えて砂利を敷く。


事前に日本で仮組してあるので、現場での仕事は速い。水に濡れた礎石の水鉢が、シンガポールの西日を浴びる。


大工さん達は、障子廻りの柱を建て始める。


玄関の柱。現地の造作家具にあわせて、柱はオークの練り付けで作ってもらっている。


正面は飾り棚。左が玄関庭になる。


障子が入ったところ。天井が高く、また庭を見せる都合での高さ設定もあり、普段の茶室や数寄屋の仕事と寸法が違うので、バランスを取るのが難しかった。敷居鴨居の見付寸法は最後までどうしようか悩んだが、なんとか無事に納まりそう。


現場は今日も多国籍。基本的にヒゲを生やしているのはインド人、そうでないのはバングラデッシュ人らしい。お昼休み、中国人はテイクアウトのチキンライスを食べ、インド人はカレーを手で食べ、日本人はおにぎりを食べる。


電気屋さんのコードが、まるで藤蔓。ちなみに電気屋のボスはたぶんマレー人。細かなところまで、確認しながらやってくれるので、安心感がある。


不確定だった竹垣も、造園屋さんがいる内にできれば、と無理を言って急遽、現地で入手できる竹を用意してもらった。見た感じ、茶室でよく使う女竹に似ているが、


太い。茶室では間垂木や小舞に使い径四分くらいだが、こちらのは八分ほどある。こちらは四季がなく年中夏。夏に育ち冬に休むこともなく、年中育つから、単純に考えれば倍になる。もしかしたら、同じ女竹で、年中育つので太くなったもの、なのかもしれない。日本では建材にする場合、木でも竹でも休眠期に切り、カビたり腐ったりしにくいようにしますが(切り旬)、年中夏の場合、どうすんだろ。そう考えると花が咲くタイミング、というのもよくわからない。


ところどころ焦げた跡があり、たぶん炙って曲がりを矯正しているのだと思う。現地の竹材として最高級のものらしい。明日はこれを使って「シンガポール御簾垣」を作ってもらいます。