近江の家、現場監理。完成間近。

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民芸の照明が吊られ(最終の位置決定はまだ)、建具が入れられた。五年前図面を描いて計画した空間がようやく形になる。

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リビングから和室への入り口。引き違いの襖に欄間。

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欄間は、京都の古建具にて入手したもの。桂離宮の月の欄間をベースに、板部分には源氏香の透かしが入れらている。民芸と数寄屋を繋ぐもの。

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襖の引き手は九谷焼き。明治期、寺前晴美堂のものか。

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襖を開ければ、六畳の京間の和室。

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床脇には地袋と天袋。地板には松、地袋の天板にはケヤキ、天袋の底板には栃を使用。

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小襖には「七曜太子間道」。龍村美術織物による「広東平絹幡」の復元。「広東平絹幡(かんとんへいけんばん)」は七世紀後半から八世紀初頭にかけて制作された絣。法隆寺の諸法会に用いられたとみられるオリジナルは法隆寺宝物館蔵。
引き手は光琳桐。建築主さんが、コレクターの方から入手されたもの。引き手も、箱の中にずっと入れられているより、役割を得てこうして襖につけられた方が、喜んでいるのでは、と思う。

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床の間に花入をかけてみる。床柱は赤松皮付。

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雪見障子からの眺め。柱の養生がまだ外されていませんが、一幅の絵のような景色が広がる。季節によって、時間によって、天気によって、様々な景色を見せてくれる。

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上げ下げ窓の前にはソファが、伊砂正幸氏の絵の下にはピアノが置かれる予定。設計の段階で、壁に掛けられる絵とその大きさをお聞きして、場所を相談して、展開図に落としてこんでいる。工事中には大工さんに下地を入れるようにお願いし、出来上がったら、最終の位置を指示して取り付けをしてもらう。設計者は建物を計画するだけでなく、その中に置かれる家具や、飾られる絵なども把握して、細部まで気を配り全体をバランスよくまとめることで、より豊かな空間にすることができるのでは、と考えている。

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ダイヤガラスの入ったアンティークのドアを開ければ、小さな玄関ホール。部屋の角には薪ストーブを設置予定、その左の暖簾の奥がキッチン。

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玄関のステンドグラスも入れられた。こぢんまりとしていますが、イギリスアンティークの玄関ドア、ステンド、アンティークの照明、と、密度の濃い空間。

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キッチンの暖簾は、ろう染の小川靖弘氏の作品。

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小川靖弘氏の暖簾と、森公男氏のタイル。作家の作品の暖簾をかけるのに、「つっぱり棒」では、ということで、京都の銘竹屋さんをご案内し、黒竹を入手した。暖簾掛けの金具も金具屋さんに行ってセレクト。細部までこだわる建築主さんとの家づくりは楽しい。

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洗面脱衣室には、小川裕惠氏の藍染の暖簾。こちらの竹は白竹で。

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洗面脱衣室からは直接外部のデッキにでられる。洗濯物干しの高さ、位置も相談して決定。

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書斎の窓と絵画。障子は色付けをして民芸調にしている。油絵は川口久雄氏の白山。アンティークの照明も建築主さんセレクト。三点セットになることで雰囲気のある空間に。障子の窓の前には机が置かれ書斎となる。

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夕方になると日が傾き、外の格子が障子に影を映す。時の移ろいも感じながら、研究活動に勤しんでいただければ。

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階段には、平山郁夫が「敦煌の恋人」といったという敦煌の菩薩。北向きの窓からは安定した光が入り、視線が上下左右に移動する階段は、格好の絵画鑑賞空間だと思う。

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二階廊下の突き当たりには大津絵。スイッチは低めに設定している。設計図通りに納まった。

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二階の窓より。アプローチの石並べが進んでいる。

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外観と濡れ縁。

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おおよそ揃っているとはいえ、バラバラの大きさ、形のもので、まっすぐなものを作る、というのは難しい。

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事前に仮並べをして石を決めていますが、実際に施工をするとなると、いろいろな問題が発生する。そんな時に、これでも良いですよ、とか、こうしたらどうですか、と現場で設計者が介入することで、スムーズに施工が進めば、と思う。

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問題の折れ曲がり部分もなんとかうまくいきそう。

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残念ながら今日はここまで。