岩 崎 建 築 研 究 室 ・ 日 誌

〜京都で数寄屋を学び、建築設計を考える〜

岩崎建築研究室

岡崎の家

一年点検

日曜の午前中、設計させていただいた家の一年点検に大工さんと一緒に行ってきました。


中庭の白侘助。今年もたくさん咲いたようです。


トイレの大津磨きも輝きを失っていません。


ロールスクリーンや簾の増設や、建具の調整などを伺ったあとは、お茶室でお茶をいただきました。露地草履まで出していただいて、蹲踞も使って、躙口から席入り。今度お茶のお稽古を始めることになった大工さんと、最近大工さんのところに弟子入りした若い子も一緒に。Iさん、お気遣いいただき、本当に有り難うございました。


帰り道、リッツカールトンホテル(旧フジタホテル)の工事現場の囲いに、野鳥と植木の写真がありました。よく見かける野鳥とその野鳥が好む植木がセットで紹介されています。例えばジョウビタキの写真の隣には、、


モッコク。マツ、マキ、モッコクは和の庭によく使われますが、その赤い実を食べに鳥達がくるようです。


ウグイスとよく間違われるメジロには、、


ヤブツバキ。野鳥たちが花の蜜を吸いにくるようですが、品種改良された椿は蜜の量が少ないそうです。


ツーピツーピとなくシジュウカラには、、、


イロハモミジ。プロペラ状の羽根のついた種子はシジュウカラの大好物なのだそうです。


賀茂川でも地面で虫を探している姿をよく見かけるツグミは、、


ガマズミ。秋になる小さな赤い実は、霜が降りる頃に苦みが消えるそう。

近くの賀茂川では、カワセミを見かけました。カメラを出している間にどこかへ行ってしまい、残念ながらまた撮影には失敗しましたが、冬は野鳥の季節。また色々な鳥達を見るのが楽しみです。

席披き

岡崎の家の建築主さんが、お茶室を使ってはじめの茶事(席披き)をされるというので、お手伝いにいかせていただきました。


茶室は四帖出炉上台目切の小間と八帖の広間、その間に水屋がある構成。今回は八帖を使いませんので、控えの間として使用。水屋自体はさほど広くはありませんので、水屋脇にこうした部屋があるととても重宝します。ただ、例えば薄茶で八帖も使う、となるとこうした使い方は出来ず、水屋だけではちょっと狭いかも。


水屋の様子。炭にどこでどうやって火をつけるか、というのがちょっとした問題でした。私も莨盆の炭の準備などをさせていただいたので実際経験をしてみると、皆さんが丸炉を欲しがられる理由がようやく実感として分かってきたように思います。今回は、懐石は出張茶懐石専門店のお弁当でしたので、随分と楽でしたが、実際に懐石も作って、となると、やはり台所はすぐ近くでないと大変です。また、水屋の使い方は亭主によって様々。やはり事前にたくさん打合せをすることが重要だと改めて感じました。


点前座の様子。後座で簾の巻き上げを担当しましたが、風炉先窓の簾を忘れました、、、。お客さんからは見えづらい位置にあるので、さほど気にならなかったと思いますが、設計者だからこそ忘れずに気づくべきところでの痛恨のミス、、、。


躙口の様子。


蹲踞廻りの様子。だいぶん馴染んできました。


洛中のお屋敷から譲り受けた真黒の沓脱石は、打ち水をするとこの質感。石好きには堪らないご馳走です。露地の打ち水は、客が露地を使う度にするので結構忙しい。以前見た茶事のビデオでは、業躾先生がシャッ、シャッと格好よくされていたので真似てみましたが、お客さんが席中にいるときには、結構音が聞こえてしまっていたかも。如雨露のほうがよかったかな?。また、濃茶あたりの半東の仕事は、露地の仕事に簾の巻き上げ、口拭きのお運びに、続き薄の莨盆の炭の準備、二椀目三椀目のお茶碗の運び出しと、とても慌ただしく、できるだけ静かにすることを心掛けてはいましたが、バタバタとうるさかったかも。反省。


トイレの大津磨きの壁も健在。中立ちのときにはお客さんも使われますので、黒のジントギの流しと共に、楽しんでいただけたのではと思います。

準備の時はバタバタとしていてすっかり写真を撮るのを忘れていましたが、初座の軸が掛った床の間も席入り前に少しだけ拝見させていただきました。お軸は久松真一の「随所作主」。これがかかることを想定して、久松真一記念館の茶室を見学したり、茶室の設計を進めてきましたので、実際に掛った様子を拝見できたときには感慨深いものがありました。久松真一記念館の茶室の床の間の入隅の塗り回しの感じを写し、久松先生のあの自由闊達な独特な字にあうのは「あて丸太」かなと、探した床柱も、うまく呼応してくれたように感じました。拭き漆にした霧島杉の地板も、栗の稲木を使った蹴込板も、さりげなく床荘りを盛り上げてくれたように感じます。またお点前される亭主を想像して選んだコブシの中柱も、よいものがみつかったこともあってバッチリだったと思います。薄茶では席に入れていただき、実際にお点前をするご亭主を拝見させていただき、中柱越しに様になったお姿を見て、設計をしたものとして、ほっと一安心でした。

帰りのバスの中では、実際経験してみて気がついた問題点を整理して、現在計画中の茶室での茶事を想定して、計画案が妥当か、問題がないかを検討。現場でのリアルな経験こそが、最良の設計の糧。

撮影

今日は岡崎の家の撮影でした。大工さんの友人のカメラマンの方にお願いして朝八時から撮影開始。

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玄関から見る坪庭。カメラマンの方が撮影している横で、デジカメで撮影。

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リビングの吹き抜けの梁。午前中の陽の光を受けて輝いています。

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吹き抜けにかかる梁組。写真でこの感じを伝えるのは、なかなか難しい。

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階段踊り場の手摺の腰板。

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台所の吹き抜け、準棟纂冪。色々検討して結局踊り場からのアングルで撮っていただくことに。踊り場の腰板が入りながら、束や貫があまり重ならずにより立体的に、準棟纂冪な様子がよくわかるようなアングルで、と細かいお願い。カメラマンの方も同世代で、設計者や大工さんの意見も聞きながら相談しながらアングルを決めてくださいます。

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和室六帖の床脇の地板、とパンダヂ。設計当初からこうしたパンダヂが置かれることを想定して、地袋を設けずこうした地板にしましたし、大工さんは二枚の松板を見事にはぎ合わせてくれましたし、漆屋さんは拭き漆を古色風になるように美しく仕上げてくれました。「素晴らしい杢目の板にしっくりと納まるパンダヂ」は狙い通り、か、それ以上。

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雪見障子を上げたところ。最近テレビのCM(ビールやお茶)で、畳の部屋、雪見障子、縁側、庭、と行った組み合わせをよく見かけるような気がします。

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廊下の先には丸窓。丸窓の外には少しだけ赤い葉の残った紅葉が見えるのですが、写真で白く飛んでしまいます。紅葉をしっかり写そうとすると室内は真っ暗に。人間の眼にはどちらも同時にはっきりと、しかもディテールまでしっかりと見えるのですが。カメラマンさんも「人間の眼ってのはすごいですよ」。

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和室六帖から見た庭。生憎(?)天気が良く、庭の景色は白く飛び気味。

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硝子戸を外して縁側からの眺めを撮影。紅葉の庭で撮影したい、ということで、この日を選んだのですが、生憎、前日前々日の雨や強風ですっかり落ちてしまいました。苔の上に紅葉の葉っぱがてんこもりでしたが、お休みの日にもかかわらず造園屋さんが来てくれて撮影前に庭の掃除もしてくださいました。感謝。

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庭の様子。赤い葉が少しだけ残っています。

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茶室内部も撮影。貴人口を外して風炉先あたりの様子。

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土壁に綺麗な模様を映す木漏れ日。

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茶室内部の撮影風景。簾の影が障子紙に映る様子を捉えながら、全体としてもバランスのよい光量になるように、照明をつけるか消すか、開口部をあけるかどうか、レフ版をどこにどう設置するか、などを細かく相談して決めていきます。カメラマンの方はやはり光の量や入り方、バランス、色味のことなどにとても繊細で、そういった話は設計者にとって、開口部をどう開けるか、照明器具をどこに何をつけるか、といった場面でとても有益なことのように感じます。

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紅葉と茶室。最盛期の頃はさぞ綺麗だったことでしょう。

引き渡し

岡崎の家、いよいよ引き渡し。建築主さんに始めてお会いしたのが、二年九ヶ月前。着工は一年前。本歌となる非公開の茶室を見学したり、久松真一記念館の茶室を見学したり、同世代の大工さんと飛騨の吉島家へ見学に行き、吹き抜けの梁は自ら糠袋で磨いたり、70枚ほどの古建具を時間をかけて調達したり、工事が始まれば二日に一回は現場に通い、同世代の造園屋さんと四君子苑を見学し、庭木や石を一緒に選び、同世代の左官屋さんに無理をいっていろんな壁を塗ってもらったり、、、。手塩にかけて育てた娘を嫁に出すのにも似た気分です。名残惜しいので、早朝から現場へ。最後のお別れです。

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玄関土間。小間中の建具は古建具。早くから探していたので、良いものが入った時に古建具屋さんから連絡をいただいてとっておいていただいたもの。欄間の竹はさりげないながらも大工の腕がものをいうところ。アンティークのブラケットもさりげなく納まりました。

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朝は東からの光で玄関の格子戸が明るく輝き、その拡散光で下足入の古建具の艶が際立ちます。

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玄関から中庭を見る。庭についてもある程度の構想は図面を描く段階からあったのですが、造園屋さんがそれを見事に形にしてくれました。感謝。

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玄関正面の床の間。裏千家無色軒の床の間をイメージしたくれ板の踏込床。建築主さん所有のパンダヂが置かれる予定。楽しみ。

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中庭の見える窓と床の間の間の目板戸を開けるとリビングへと繋がっています。

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表棟、厨子二階 。

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厨子二階 から坪庭を見下ろす。

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台所の吹き抜け。通り庭、準棟纂冪(じゅんとうさんぺき)。かつての通り庭の床は土間で、当時の生活には相応しかったようですが、現代に残る町家の多くが床を貼ってしまっていることからも分かるように、現代の生活には合いません。かつては煙出しの意味であった吹き抜けを、二階からの視線の抜け、階段踊り場からのコンタクトという意味に変え、古材を使った梁組で、準棟纂冪の雰囲気を創り出しています。

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縁側、廊下の入隅に設けられたピクチャーウィンドー。便所、浴室への動線の途中に設けられていれ、日常生活の中で、さりげなく庭や茶室を感じられる仕掛け。

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和室六帖から庭を眺める。古材の床柱、色付けされた天井、障子/硝子戸とも古建具、と新築とは思えない落ち着いた雰囲気の和室。

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縁側から見た茶庭。ここ数日でどんどん出来上がっていった庭、造園屋さんの仕事振りまさに見事でした。

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腰掛待合への飛び石。客が三人でも五人でも無理なく席に着け、迎え付けや中立ちの聞鐘の時にもそれぞれの居場所の石があり、なおかつ景色もよい、というのはなかなか簡単にできるものではありません。

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礎石の踏み分け石と、加茂黒石の沓脱石。加茂黒石の沓脱石は、ご縁が有りここへ来ましたが、そうしたことでもなければ、市場ではまず入手困難なもの。

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苔むした礎石の景石とツワブキ。

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ドウダンツツジと井戸(本物です)、モッコク。井戸はかつての状態からは想像もできないほど変貌しましたが、最終的に全体の中でバランスのよい位置に納まって、建物位置/大きさを決めた者としては、この結果にほっと一安心です。

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枝折り戸へ向かう飛び石。さりげない踏捨石。迎え付けに来られるご亭主の姿が目に浮かぶようです。

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枝折り戸を過ぎ、見上げると茶室の全景。差石と壁留の透きも緊張感があり、庇をよけるモミジの枝は、まるで育ちながらよけて行ったかのような自然な枝振り。

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礎石の蹲踞と景石は、直に苔蒸して一体となっていきます。

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茶事を終えて躙口から出る時はこんな眺め。

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茶庭の見返し。

昼過ぎには引越第一便が到着し、夕方には一段落。建築主さんの荷物が運び込まれると、いよいよ生活の場になるのだ、という感じ。事前に主要な家具は見せていただいていたので、それらが納まると、想定していた「建築主さんの空間」になっていきます。じっくりといろいろな想定を巡らした設計を元に、各職人さんたちが腕を振るい作り込んでくれた家。これからじっくりと存分に味わっていただければ、と思います。長い工事を通じて、本当に多くの事を学ばせていただきました。経験も実績もない設計者にこうした仕事を与えていただいた建築主様、つたない設計を見事に形にしてくださった各職人、業者の皆様に改めて御礼申し上げます。

掃除

岡崎の家、引き渡し前日。棟梁、若い大工さんが最後の掃除。

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床脇の松の地板。よく肥えた松でヤニが出ていましたが、テレピン油できれいに清掃。

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居間の吹き抜け。

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坪庭の様子。独立柱は皮付きのコブシ。

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階段、踊り場、手摺の腰板、欄間の古建具。

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二階の寝室から見た吹き抜けの梁組。飛騨吉島家同様、見られる事を前提とした、意匠を意識した面取りと、磨き込まれた梁。

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黒く色付けされた柱梁。

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便所。大津磨きの壁、柿渋塗りの檜板。

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杉赤身の腰板、仙徳色の蛇口、竹のタオル掛け、古建具の物入。

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流し部分はアワビ入りのジントギ。

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洗面脱衣室。壁は色漆喰の磨き仕上げ。

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丸窓は紆余曲折あって、一枚板からの削り出し。

畳敷き込み

岡崎の家、畳が敷き込まれ、いよいよ完成です。

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坪庭も完成。侘助にドウダンツツジ。西ノ屋灯籠に橋杭の蹲踞。杉苔。

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畳の敷き込まれた茶室、躙口付近。

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床の間と茶道口+給仕口。床柱はあて丸太。床の間の照明は三浦照明さんの管球。床の間の入隅は少し大きめのRの塗り回し。

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中柱はコブシ。腰紙は暦紙。念のため電熱の風炉も使えるようにコンセントの差し込みも用意。風炉先窓は掛け障子、古建具を使用。

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貴人口。障子紙は石垣張り。この建具も古建具で、元々は一間半三枚引きの茶室の建具で、一枚は奈良のお茶室で使用、その残り二枚をこちらで使わせていただきました。

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主庭も完成。出来るだけ苔をたくさん使いたいところですが、建築主さんの手入れの手間も考えるとそうもいかず、そのせめぎ合いがこのバランスに。小さい砂利だと野良猫がフンをするようですが、ネコ除けの器具を置く事で対応。

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和室六帖からの眺め。茅葺きの古民家の又首(さす)を転用した床柱、黒く色付けした竿縁天井、書院障子も欄間も雪見障子も縁側の硝子戸も古建具で、新築とは思えない落ち着いた雰囲気に。

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廊下の様子。舞良戸の向こうは、便所と洗面所。

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和室六帖の見返し。居間との間は戸襖。引手は七宝。欄間も古建具です。

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障子を締めても雪見障子を上げれば庭を眺めることができます。

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雪見障子を降ろすと落ち着いた雰囲気に。冬場はこんな部屋で鍋でもつつきたい。夏には夏障子に替えれば、またガラリと雰囲気が変わります。

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水屋の腰板に竹釘を打ち付ける棟梁。長かった工事もいよいよ終わりに近づいています。

東京出張から夜行バスで帰って、すぐに岡崎の現場へ。引き渡しに向けて、庭工事が進んでいます。

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東京へ言っている間に四つ目垣が出来ていました。庭が一段と引き締まります。ツワブキやホトトギスなど下草も用意されています。

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パレットに載せられた苔。杉苔と、ここのために特別に取り寄せられた苔をブレンド。

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室内では細々とした残工事が進行中。台所の食器棚も大工さん製作。

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建築主さんの希望で上の棚の建具は跳ね上げ式。

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お昼には造園屋さんと塵穴を探しに、某解体屋さんの資材置き場へ。写真は造園屋さんが事前に探して見つけてくれていた蹲踞(?)。というか塵穴のために作られたような感じ。バッチリです。

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こちらは広間の入り口脇に据える四角の塵穴に使う灯籠の火袋。割れていますが、土の中に埋まってしまいますし、古びた感じがかえって茶庭に相応しいと思います。

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火袋を埋めるところ。四君子苑には灯籠の基礎の欠けたものを塵穴に見立てたものがありますが、あそこまでのものをしなくても、こうした廃物利用は、茶庭にちょっとした味を加えてくれると思います。

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小間の軒下に据えられた石。覗石こそ有りませんが、塵穴のために作られた石のよう。塵穴は、客が来る前に露地の掃除を確認して、あらためて拾った落ち葉や塵を仮捨てするために設けられたもの。かつてはほとんど漆喰で作られていましたが、現在ではモルタルで作られることが多いようです。

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茶室の躙口から見た茶庭の夜景。右上の白い光は東山から登った月明かり。

暦紙

岡崎の家、今日は造園屋さん、経師屋さん、電気屋さん。

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茶室の腰紙に使う暦。寺町の古本屋さんにいったら意外と簡単に手に入りました。暦ください、というと、無造作にたくさんの暦を出していただき、そのなかから状態のよいものを選びます。大きさも九寸、八寸五分、七寸くらいのものと、三種類ほどあり、腰紙は九寸が一般的なのですが、九寸の暦は紙質が悪く状態の悪いものが多く、結局八寸五分のものでよさそうなものを選んだのが写真のもの。寛政六年(1794)、天保三年(1832)、弘化四年(1847)、安政七年(1860)、嘉永七年(1854)、文久二年(1862)などなど。右端の慶応四年などは色づいて古そうに見えますが、実は1867年で一番新しい。古いものほど質がよいのか、状態もよかったりします。

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現場で並べてみて、どこにどれを使うのかを決めます。暦の右端には方位の円が描かれていてグラフィックで目につくので、バランスよく配置。

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寛政九年の暦。裏打ちをしてから貼っていただきます。

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外部では造園屋さんが延べ段の施工中。パズルです。

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トイレの内部。大津磨きの壁。

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壁に障子が映り込んでいます。

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蹲踞からの眺め。

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和室六帖の床脇天袋の小襖。建築主さんの選ばれた瓢箪の唐紙に千鳥の引手。

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和室六帖と居間の間の戸襖と欄間。

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七宝の引手。

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居間の吹き抜け。和室との間の戸襖も古建具。当初はそんな都合よく戸襖は見つからないだろうと、はなからあきらめていたのですが、古建具屋さんで偶然発見。戸襖でなく襖だったらと想像すると、やはり随分雰囲気は違ったものになったと思いますので、つくづく発見できてよかったなあと思います。

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竹の装飾の入ったアンティークのブラケット。電気屋さんが60Wの電球を入れてくれていましたが、明るすぎるので、20Wに変えてみると、いい感じ。

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玄関の障子も入って、ようやく坪庭の眺めが完成。(石の上にスタイロがのってますが、、、)

雨の現場

お茶のお稽古が終わったら岡崎の現場へ。器具の取付けも大方終わり、養生をめくり始めています。

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雨の庭。内露地の踏分石あたりに水が溜まるのは想定通り。今は排水の蓋がしまっているので、金網の蓋にすれば、上手く排水すると予定です。

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時折強い風が吹く強い雨脚。屋根を付けた物干場も、風向きによっては床に雨が吹き降ります。

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茶室の足下の水跳ねは、思ったよりまし。それでも場合によっては保護の板を用意したほうがよいかもしれません。

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激しい雨。屋根に当たった雨が跳ね上がり、壁を少し濡らします。

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濡れ縁も風向きによって大分濡れる箇所も。まあ濡れるから濡れ縁なんですけど。使ってる材も杉の赤身なので大きな問題はないと思います。

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灯籠の笠にあたった雨が戸袋や縁板を濡らすのはちょっと想定外でしたが、大きな問題はなし。

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ガルバリウム鋼板の屋根を叩いて跳ね上がる雨。

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甍の波を流れる雨水。

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室内では、とうとうゴロンボの養生を外しました!想定通り、スリガラスの拡散光に照らされるゴロンボ。

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照明器具も取付けられ点灯しているので、その灯りも反射しています。

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後は床の養生をめくるだけ。

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南側の窓に刺さるゴロンボ。京都の町家の通り庭は基本的に南か東に決まっていて、居室は必然的に西か北となり薄暗い。今回は町家風としていますが、現代の生活にあうよに居間は南側とし、南面にこの格子窓を開けています。日本人が長い年月を掛けて育んできた美意識や自然観を受け継ぎながらも、現代人に相応しいものを未来を見据えて作るのが設計者の仕事。

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浮かび上がる杢目。雨の日でこれだけ見えるので、晴れの日にどのようにみえるかが楽しみ。

建具硝子建て込み

岡崎の家、今日は建具屋さんと硝子屋さんの建て込みの工事。

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坪庭に面した縦長のFIX窓。両脇をスリ加工して、柱の色の塗り分けを目立たなくして、ピクチャーウィンドー効果を高めます。今は脚立が映ってしまっていますが(笑)、奥にドウダンツツジ、そして灯籠が入れば、絵になると思います。

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縁側のFIX窓。色々考えたのですが、スリ加工で隅切の額縁としました。単なるトーメイガラスよりも、向こうの景色がより引き締まると思います。

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丸窓。こちらはシンプルにトーメイガラス。手前に見える梅は、建築主さんの現在の家から移植したもの。一足お先に引っ越して、ご主人の引越を待っています。

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居間の南窓。上はトーメイ、下はスリガラス。やはり上までスリだと少し閉塞感があったと思います。

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東の窓はすべてスリガラス。日の移り変わりによって、複雑な影を映し出します。

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二階寝室の入り口は、建築主さん好みの古建具、丸桟戸。古建具の欄間の腰板と相まって新築とは思えない雰囲気。ですが、古い建物の改修工事では出せない、新築のキリっとした雰囲気も併せ持っています。

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坪庭にワビスケも植えられました。

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今日はあいにくの雨。橋杭の蹲踞の水面に波紋が広がります。

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坪庭の庇の雨樋はすぐに外部へ。杉皮の壁に丸い穴を開けて。

杉皮張り

岡崎の現場、来月の竣工に向けて着々と残工事が進んでいます。

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東京出張から帰ると、坪庭の壁に杉皮が張られていました。

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押さえは女竹で、二本、一本、二本、一本、二本。中央を継ぎ目の部分は二本必要ですが、そうかといって全部を二本にすると少しうるさいので、二本、一本の交互で。東京出張中に大工さんとの電話で決定しましたが、よい感じです。

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女竹は皆折釘で固定。釘が竹の中央に来るように、穴は少し下側。

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東京出張中にデジカメが変わって、広角も撮れるようになったので、梁組を撮ってみたりして。

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厨子二階に上がる階段。

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建具が出て来て、、、

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閉められます。

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広角が撮れるのが嬉しくて、下からも梁組を撮ったりして。

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トイレの赤い大津磨き。某有名左官屋さんで修行された若い職人さんが塗ってくれましたが、上手です。

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和室六帖の土壁も塗られています。左官屋さんの仕事が加わることで、大工さんの仕事が一層引き立ち、全体として素晴らしいハーモニーを奏でるかのようです。20代、30代の若い職人さんたちのコラボレーション。

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土壁は水捏仕上げ。京壁の撫で物では一番上級とされる仕上げ。糊を入れずに材料を水だけで練る。はんなり柔らかい仕上がりは京都ならでは。こちらも同じ若い職人さんの仕事、上手いなぁ。

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渡り廊下から茶室を見る。上がトーメイ、下がスリガラスの建具は、洛中のお屋敷の解体現場から譲り受けたもの。

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渡り廊下外観。中央は広間への躙口。通常の躙口よりも少し大きめ、背の低い雨戸の古建具を再利用。

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坪庭、居間、和室六帖、茶庭を通して茶室の風炉先の下地窓が見えます。硝子戸はすべて古建具。間中のものを三枚引きにしているので、開けたときに開放感があります。

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外露地、そして内露地。腰掛待合の石はこれから。正客以下お詰めまでそれぞれがスムーズに自分の席に到達し、なおかつ、迎え付けの時や、後入の鳴りものを聞く時のそれぞれの居場所を作らなければなりません。

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坪庭の広縁に座って見上げるとこんな感じ。

中秋の名月

月がとても綺麗だったので、子供を寝かしつけたら、自転車で岡崎の現場へ。中秋の名月は明日ですが、天気予報によれば雨のようなので、天気の良いうちに、坪庭から月がどのように見えるか確認。建築主さんの感性を満足させる雰囲気に仕上がっているか確認です。

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到着時刻は午後9時35分。想定通り、ちょうど坪庭に月の光が差し込んでいました。見上げると屋根の合間に煌煌と輝く月。満月は明日、月の出は30分ほど遅くなりますので、午後10時頃が見頃でしょうか。月の桂ならば、登りかけの大きな月を眺められると思いますが、坪庭から眺める月はある程度の高さに来なければ見られません。それでも、長江家のように隣に大きなマンションが立ちならんだり、吉田家のようにそもそも坪庭が北を向いていたりと、中京、町中の町家では見られない光景が、この坪庭はでは見られると思います。縁側に腰を降ろして、お酒でも飲みながらお月見、よさそうです。

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橋杭の蹲踞の水面に浮月。残念ながらデジカメで上手く撮れなかったので、やむを得ずフラッシュを焚いて撮影。実際に見た光景とは全然違いますが、水面に輝く月が少し映っています。浮月、掬水在月手。

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茶庭の腰掛待合からの眺め。植木越しに、隣の家の屋根越しに月が見えます。小間の茶室に突き上げ窓はありませんが、観月の茶会なんてのも良さそう。

さて夜中の現場を訪れて改めて気がついたのは、近所の光や音。外灯がどの位置にあって、建物周辺がどのように照らされているのか、建築主さんが仕事から帰られて家にたどり着くときに見る光景はどんなものなのか。隣接する隣近所の生活の光や音というのも、こうして夜訪れるとよくわかります。テレビの音や光、浴室やトイレの音。設計時には隣家の窓の位置を図面に落とし込んで計画しているので、大きな問題はないと思いますが、より万全を期すには、こうした情報をも設計時に盛り込むべきかもしれません。

間違い探し

岡崎の家、たくさんの業者さんが入ってにぎやかです。大工さん、左官屋さん、水道屋さん、建具屋さん、ガラス屋さん、経師屋さん。

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洗面所では左官屋さんが色漆喰に取りかかっています。淡い緑色で、水廻りなので磨き仕上げにして、青磁のような肌になる予定、楽しみ。

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新しい障子は建て込み済み。あとは持って返って経師屋さんに紙を張ってもらいます。

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大工さん、建具屋さん、硝子屋さんと、ガラスの詳細について打合せ。今回はFIXガラスがたくさんあるので、その納まりについて確認。写真は5ミリトーメイガラスの入る溝。細かいことですが、中で二段になっているのがわかるでしょうか。ガラスを入れるのに、一旦深い溝にやりおくってから、戻してどんと押す、という納まり。こうすることでヒモを打たずにすっきり納めることができます。大工さん、やるなぁ。

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掃き出しの硝子戸は古建具。新調の建具よりかえって手間がかかります。お手数おかけしてすみません。でも、めらめらした古い硝子や味わいのある框が、新調の建具にはない味を加えてくれると思います。

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居間から和室を通して庭を見る。写真ではちょっとわかりにくいですが、寸法直しをした欄間も綺麗に納まりました。

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腰掛待合の正客石も据えられていました。根石のかたちに、鞍馬石の丸みを実にうまくあわせてあります。うまいなぁ。

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割れた鞍馬石。京都御所、迎春(こうしゅん)という建物の南縁の沓脱石は、久邇宮の献上の鞍馬石で、同様な割れの入ったものが使われています。腰掛待合の正客石は、やはり次客以下のの石とは違う雰囲気にしたいところですが、堅すぎてもいけないし、その石選びは難しいところ。割れのある石は、ぱっと見には侘びすぎて見えるかもしれませんが、正客の席にはそうした意図を汲み取ってくれる方が座ってくださることと思います。

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玄関から坪庭を見る窓にも障子が入れられていました、が、ちょっと桟割がおかしい。というのも、図面を描くときに、下の二段の枡の高さと揃えて、上の枡割を決めたのに、どうも上の枡の高さが低い、プロポーションが横長すぎる。確認してみると、上の横桟が図面より一本多くなっていました。当初はもう少し全体の高さがあり、桟が七本だったのですが、庭の眺めを確認した上で最終決定をするときに高さを変えて六本にしたので、どうも製作の時に新旧の図面が入り交じって間違ってしまったようです。ということで、作り直しをお願いしました。こんなことは滅多にないのですが、現場監理の仕事は、ある意味、間違い探しという面もあるかも知れません。細かな指示を出せば出すほど、ちゃんと図面通りに出来てるか、その違いが分からなければなりません。クラシックの指揮者コンクールでも、間違い探しがあるようです。音が違ったり、リズムが違ったり、クラリネットとオーボエが入れ替わっていたり。そうした指摘が当然出来た上でしか、人を感動させるような演奏は出来ない、ということかもしれません。

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古建具についても建具屋さんと最終を確認。たくさんある古建具を一枚ずつ、行き先と使い方を確認。

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障子は紙を張り替えます。

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網代戸は水屋の物入へ。たくさんあってちゃんと揃っているか不安でしたが、問題なく納まりそうで、ほっと一安心。

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トイレ手洗いの流しも製作済みで、設置待ち。

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アワビ入りジントギ。水に濡れるところを早くみたい。

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居間南側の格子窓は、全面スリガラスを入れる予定でしたが、改めて現場で見てみたら、全部スリガラスにしたらちょっと閉塞感があるかも。ということで、上二段分はトーメイにしてもらうことにしました。そうすることで、スリガラスで隣家は隠され、透過した柔らかい光でゴロンボが照らされながらも、上部のトーメイガラスから空への視線が抜ける、という塩梅になる予定。

建具と左官

進めなきゃならない図面を進めた後、小雨が降る中、岡崎の現場へ。

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現場に着くとちょうど建具屋さんが搬入をしているところでした。予定よりちょっと早いのですが、「工場が一杯になってきたので、持ってきました」とのこと。ちなみに今回の建具、WDは71まであり、建具の枚数は新規/古建具、大/小合わせて、総計140枚超。

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左官屋さんが内部/外部あちこちで作業を進めています。総勢5人。

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ファサード二階に嵌る格子戸。建て合わせ後、着色します。

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こちらは玄関の片引の格子戸。引手はすでに取付け済み。

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出格子が嵌められました。京都市内のあちこちの町家の出格子を採寸して(挙動不審)、今回の建物に相応しいと思われる寸法にしたつもりです。細い格子を最上段で切るとオーソドックスな糸屋格子ですが、あえて上まで延ばして、少し閉鎖的、現代的なイメージに。太い格子は見付一寸二分、細い格子は見付七分。これは玄関戸や二階の格子も同じで、ファサード全体に統一感をつけながらも、二階の格子は横桟を吹き寄せにして、少し変化を持たせています。

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外は生憎の雨。雨に濡れる加茂黒石の沓脱石。濡れてより存在感を増します。石は濡れるが、濡縁は濡れない、絶妙な軒の出。

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雨の日の庭。石も土も幹も葉も濡れて濃い色合いになり、しっとりと美しい。

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二階寝室から見下した居間と坪庭。

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南側の格子窓。雨の日は静かな光が入ります。

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東側の縦格子窓にささるゴロンボ。早く養生を外してみたい〜。

赤杉の濡縁

岡崎の家、坪庭の濡れ縁に板を張る工事が進んでいます。

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居間から見た坪庭の様子。

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張られているのは赤杉の板。板と板との間は一分(3ミリ)透かし。表から釘やビスを見せないために、、、

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大工さんは床下に潜って作業中。お疲れさまです。

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コブシの独立柱と橋杭の蹲踞と縦長のFIXガラス窓。玄関から居間に行くときに、濡縁、坪庭の様子がちらりと見える。

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窓からの眺め。

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見る角度を変えるとこんな感じ。一幅の絵のようなピクチャーウインドー。

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上からの見下ろし。

坪庭の庇

岡崎の家、坪庭の濡れ縁、庇の工事が進んでいます。

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丸太の桁を支える皮付きのコブシの柱。

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上からの見下ろし。垂木が並べられ、広小舞がついたところ。

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こちらは茶庭の濡れ縁。幅二寸六分の檜板を一分透かせてはっています。

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腰掛待合と濡れ縁がL字に繋がっています。

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小舞を取付け中。

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橋杭の蹲踞と、コブシの皮付きの独立柱。皮に蔓の巻いたあとの残る野趣あふれるコブシの柱が、内外の境をまぎらかします。俵屋旅館には内土間のある部屋があり「外のような内」空間がありますが、現代においても靴を脱ぐ習慣を続ける日本人にとって、自然との間にあってほしいのは、どちらかと言えば「内のような外」空間だと思います。久隅守景の「夕顔棚納涼図」や、千少庵の湘南亭の広縁のように、靴を脱いだまま、あるいは裸足で、場合によっては寝転びながら、くつろぎながら自然と親しむ空間は、日本人の感性、自然観に相応しい癒しの空間。

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小舞取付け終了。小舞は六分×八分の杉で、四寸六分ピッチ。

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勾配は二寸二分と緩い。玄関棟の軒先、五尺七寸の内法との取り合いで決定したギリギリの勾配。

板塀と腰掛待合

岡崎の家、大工工事もそろそろ終盤。主庭の板塀と腰掛待合の工事にかかっています。

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工事中の板塀。土台の上に建てた柱の間に板を縦張り、その上のアキの部分には角材を45度振って取付ける、近隣地区でよく見かけるオーソドックスな板塀。

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洛中のお屋敷からやってきた加茂黒石の沓脱石の上に、濡れ縁の束が立ちました。何度みても良い石、かたちもこの庭にぴったりでした。雨に濡れるところを早く見てみたい。

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濡れ縁と腰掛待合。当初は幅一間の待合としていましたが、やはり五人お客さんを招くことも想定すると、一間半は必要。ということで、延長して濡れ縁と接続、L字の濡縁としました。

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大工さんが板を張ったばかりの腰掛待合に早速座らせてもらって、正客の視点を確認。もみじの枝振り、蹲踞や灯籠の位置、躙口までの距離、扁額の見え方、なかなか良さそうです(雨樋は仮のものです)。躙口横の隙間は水屋に通じていて、茶事の時はそこから亭主が手桶を持って蹲踞を清め、その後枝折戸を開けて、無言の一礼、迎付。着物を着た建築主さんの姿が眼に浮かぶようです。

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黒い板塀に紅葉の緑が映えます。赤く紅葉するのも楽しみ。

キッチンカウンター

岡崎の家、キッチンカウンターの施工が始まっています。

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立ち上がりの上に配膳台の板が取付けられました。

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板はケヤキ、帯ノコ仕上げ。食器を置いたり引きずったりと、日常生活の中でハードに使われるところなので、鉋仕上げにはせず、傷の目立ちにくい仕上げに。板の側(そば)も帯ノコ仕上げ。塗装は設置後。

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食卓となるカウンター、幅一尺五寸のケヤキも準備万端。

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二階からの見下ろし。梁越しに見るキッチン。

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廊下から見たところ。

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トップライト、ハイサドライトからの光、白壁の拡散光で、ナグリ仕上げの柱の陰影が綺麗に見えます。

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玄関床の間、踏込床の床板。檜板漆仕上げ。

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面皮柱との取り合い。玄関を入った正面にある床の間。箪笥を置いたりも出来るように、踏込床にしています。縁甲板を敷き詰めた踏込床は、裏千家無色軒のイメージ。ちなみに無色軒の床の間が板張りになっているのは、もともと寒雲亭の柳の間に通ずる渡り廊下があったのを取り除いた名残なのだとか。

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リビング南側の格子の窓から差し込む光。夏の間は太陽が高く、ほとんど差し込んでいませんでしたが、八月ももうすぐ終わり、太陽の高さも低くなりつつあり、少しずつ部屋内まで日が入りこむようになってきています。

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大工さんがお隣さんから外壁の張り替えを依頼されました。薄くなった板をはずすと、レンガが出て来たり、竹小舞下地が出て来たり。こんな景色も面白い。

障子の桟

お茶のお稽古のあと、岡崎の現場で建具屋さんと打合せ。

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建具屋さんが来られる前に、古建具で障子のメンバー(部材寸法)を確認。写真は茶室の貴人口に使う古建具、竪框は九分(27)×七分(21)、ゴマ竹の引手は四分(12)×一寸九分(57)。

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こちらは八帖に入る雪見障子。竪框は九分五厘(29)×九分(27)、引手は五分(15)×二寸五厘(62)。

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組子は見込み四分(12)で見付ニ分五厘(7.5)ですが、一分面がとってあって、実質の見付は一分五厘(4.5)と繊細。しかも縦横の面が揃っていて、手の込んだ作り。現在しようとすると高価なこうした仕事のものが安価に入手できるのも古建具の良さ。

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こちらは小間の茶室、点前座の風炉先窓の掛け障子。茶室の障子の組子はあまり面を取らずあっさりした素組とすることが多いように思います。

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今日はこうした障子の各部材の寸法の打合せだったのですが、建具屋さんがこんなものを用意してくださいました。竪框のサンプル、見付が九分、八分、七分半、五分のもの。これまでに何度も頼もうかと思ったほど、こうしたものが欲しかったです。以心伝心、感謝感激。ほんの僅かなの差ですが、こうしたものを実際に現場にあてがうと、やはりこれだなあ、と確実な答えがすぐに見つかります。

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ゴマ竹の引手、一号と二号。ちょっとの差ですが、竪框にあったものを選びたい。これらを実際の場所にあてがって、各障子の寸法を決めていきます。引手についても有無、種類を決定。障子は組子があるので、実際引手がなくても開けられますし、見た目を優先させるなら引手なしという選択肢もあります。各場所で使い方を想定しながら決定。

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障子の組子のサンプルも作ってきてくださいました。感謝。二分半、7ミリ、二分、一分半。途中で7ミリが入るところが面白い。二分半は7.5ミリですから、その差は0.5ミリ。建具屋さんのこだわりを感じさせます。

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こちらはカウンターの持ち送り板。先日の現場での打合せで原寸を描いたものを元に作ってくださいました。

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カウンター(配膳台)の板。留めの仕事。

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現場では若い大工さんが二人で取付けの準備を進めてくれています。





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坪庭

岡崎の家、現場では造園屋さんが入って坪庭の工事が進んでいます。

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玄関からの眺め。養生のシートが掛かっているところと、下の部分には障子が入り、真ん中の開いた部分から坪庭が立蹲踞などが見えるピクチャーウィンドウ。

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台所から出たところにも、縦長のFIX窓があり、手前に立蹲踞、奥に灯籠が綺麗に見える予定。

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坪庭を上からみたところ。各縁側からの沓脱石と、立蹲踞、加茂石の景石。植栽はワビスケとドウダンツツジが入る予定。庇が三方から取り付きますが、それでも南を向いているので、うまくいけば、蹲踞の水に浮かぶ月が見られるかも。掬水在月手。

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坪庭に面した板間には、大工さん作のオーディオラックが出来ました。上の棚にはCDやDVD、ミニチュアスコアが入ります。

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主庭の沓脱石(加茂黒石)から伽藍の踏み分け石までの飛び石も打たれました。
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岩崎建築研究室
岩崎 泰

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