2007年09月12日
大日岳の事故と事件
<心から感謝をしております> 2007年9月
2000年3月5日、当時の文部省登山研修所主催「大学山岳部冬山リーダー
研修会」に於いて、北アルプス大日岳の雪庇崩落事故により、研修生2名の
命が失われました。この研修会での主任講師であった私は、業務上過失致死
の疑いで書類送検をされました。この件に関しては不起訴になりましたが、
亡くなった学生のご両親が文部科学省に損害賠償を求める民事訴訟を起こされ、
事故発生より7年という歳月が掛かりましたが、この7月に被告である国と
原告側に於いて和解という形で決着がつきました。
本当に良かったと心底思います。
法律は人の責任を問う。
厳しい状況下での複雑な心境は、稚拙な語彙、表現力ではとても文字にする
ことは難しいのですが、裁判というものに関して全く無知であった私に、
あらゆる面から救助の手を差し伸べてくださった「山本・高村を支援する会」
の皆様には、心から深く深く感謝をしております。
本当にありがとうございました。
また、「この事故はなぜ起こったか」をテーマに「支援をする会」の皆様が、
2005年4月に2週間を掛け大日小屋をベースにし大日岳の巨大雪庇にメスを
入れるべく、雪氷学者、山岳ガイド、一般登山・山スキー愛好家を含む総勢
50名にて雪庇の調査活動を実行しました。その努力と汗の賜物である成果を
日本だけでなく世界の登山者に伝えようと、「北アルプス 大日岳の事故と
事件」という一冊の本に纏めました。今までの雪庇の常識では計り知れない
ことや、まだまだ未知の世界であるということを改めて認識させられました。
「ナカニシヤ出版」刊行で、9月20日より全国の書店に並ぶことになりました
のでご一読下されば幸いです。
ブログ上で失礼とは思いますが、今回の件に関しましては実に多勢の山仲間
から暖かい支援をしていただき幾重にも御礼を申し上げたいと思います。
誠に誠にありがとうございました。
2000年3月5日、当時の文部省登山研修所主催「大学山岳部冬山リーダー
研修会」に於いて、北アルプス大日岳の雪庇崩落事故により、研修生2名の
命が失われました。この研修会での主任講師であった私は、業務上過失致死
の疑いで書類送検をされました。この件に関しては不起訴になりましたが、
亡くなった学生のご両親が文部科学省に損害賠償を求める民事訴訟を起こされ、
事故発生より7年という歳月が掛かりましたが、この7月に被告である国と
原告側に於いて和解という形で決着がつきました。
本当に良かったと心底思います。
法律は人の責任を問う。
厳しい状況下での複雑な心境は、稚拙な語彙、表現力ではとても文字にする
ことは難しいのですが、裁判というものに関して全く無知であった私に、
あらゆる面から救助の手を差し伸べてくださった「山本・高村を支援する会」
の皆様には、心から深く深く感謝をしております。
本当にありがとうございました。
また、「この事故はなぜ起こったか」をテーマに「支援をする会」の皆様が、
2005年4月に2週間を掛け大日小屋をベースにし大日岳の巨大雪庇にメスを
入れるべく、雪氷学者、山岳ガイド、一般登山・山スキー愛好家を含む総勢
50名にて雪庇の調査活動を実行しました。その努力と汗の賜物である成果を
日本だけでなく世界の登山者に伝えようと、「北アルプス 大日岳の事故と
事件」という一冊の本に纏めました。今までの雪庇の常識では計り知れない
ことや、まだまだ未知の世界であるということを改めて認識させられました。
「ナカニシヤ出版」刊行で、9月20日より全国の書店に並ぶことになりました
のでご一読下されば幸いです。
ブログ上で失礼とは思いますが、今回の件に関しましては実に多勢の山仲間
から暖かい支援をしていただき幾重にも御礼を申し上げたいと思います。
誠に誠にありがとうございました。
2007年09月09日
登山の心得
ずっと続いていた腰痛のため、暫く実践(山)から遠ざかっていたが、
先日のっぴきならぬ事情から入山をすることになった。
嬉しいことに懸念していた出来事もなく行動がスムーズにいく。
気付かぬうちにリハビリ効果があったのか、その後も調子が良い。
つい先頃、東京で消防庁消防大学にて山岳救助技術の講義と実技の
講師を担当してきた。全国から入校した消防士の方々に、私の知り得る
山岳救助技術を伝えることが目的である。
さすが消防関係者の集まりだけあって、講義、実技共その飲み込みの
速さとテキパキとした動作にはいつも感心させられる。
ここ何年か消防大学で講師を勤める機会が増え、特筆すべきは
彼らにとって山岳地(自然界)での救助活動が非常に増加している
ということである。またその救助内容は街中であれ山中であれ、
実に多種多様で、自然界では厳しい救助活動が強いられるのである。
自然界の一部である山岳地帯に足を踏み入れる我々登山愛好者は、
山で事故を起こしたらどうなるのかということを、今一度考査すべき
だと思う。
何よりも大事なのは山で事故を起こさないためにはどのような準備を
すれば良いのか、再構築しておきたい。
”ちょっとそこの低い山に登るだけ”とか”ハイキング、トレッキング
に行くだけだから”と言うように軽い気持ちで出発するのではなく、
”事故を起こさないためにはどうすれば良いか”と考えるだけでも
そこには大きな違いが出てくる筈。
時と場所には関係なく事故が起きれば救助関係者はもとより、あなたを
取り巻く多くの方々に多大な迷惑がかかるということになる。
救助関係者の方々に接する機会が増えた今、特に以上のようなことを
痛感している。
先日のっぴきならぬ事情から入山をすることになった。
嬉しいことに懸念していた出来事もなく行動がスムーズにいく。
気付かぬうちにリハビリ効果があったのか、その後も調子が良い。
つい先頃、東京で消防庁消防大学にて山岳救助技術の講義と実技の
講師を担当してきた。全国から入校した消防士の方々に、私の知り得る
山岳救助技術を伝えることが目的である。
さすが消防関係者の集まりだけあって、講義、実技共その飲み込みの
速さとテキパキとした動作にはいつも感心させられる。
ここ何年か消防大学で講師を勤める機会が増え、特筆すべきは
彼らにとって山岳地(自然界)での救助活動が非常に増加している
ということである。またその救助内容は街中であれ山中であれ、
実に多種多様で、自然界では厳しい救助活動が強いられるのである。
自然界の一部である山岳地帯に足を踏み入れる我々登山愛好者は、
山で事故を起こしたらどうなるのかということを、今一度考査すべき
だと思う。
何よりも大事なのは山で事故を起こさないためにはどのような準備を
すれば良いのか、再構築しておきたい。
”ちょっとそこの低い山に登るだけ”とか”ハイキング、トレッキング
に行くだけだから”と言うように軽い気持ちで出発するのではなく、
”事故を起こさないためにはどうすれば良いか”と考えるだけでも
そこには大きな違いが出てくる筈。
時と場所には関係なく事故が起きれば救助関係者はもとより、あなたを
取り巻く多くの方々に多大な迷惑がかかるということになる。
救助関係者の方々に接する機会が増えた今、特に以上のようなことを
痛感している。