2010年05月21日

・・・思うこと

岳人6月号に、カジタックス廃業のお知らせが掲載されていた。


社長である梶田民雄氏とは、1984年、日本山岳会東海支部の
ガウリサンガール登山隊でご一緒させていただいた。
氏が作り出すアイゼン、ピッケル等の試作品を、何本もテスト用として
使用したり批評したりして、氏が道具に更なる磨きをかける為のお手伝いを
僅少なるもさせていただいた訳であるが、あれから30年近く、国産の本格的な
ピッケル、アイゼンとして最前線で活躍して来たカジタックスそのものが
その一時代に幕を降ろすことになる。

後継者が居ないということも大きな要因ではあるが、それより何より
本格的なピッケル、アイゼンを使用する登山者が少なくなったのでは
ないだろうか。





  

2010年05月19日

誰もが思うこと

「山と渓谷6月号」 山の俳句・短歌より一句


 ★稜線は 風雪強まり 雲疾し
  ガイドは凛と 撤退告げる   (青木旭氏・深谷市)



出発前は、誰もがこうあるべきと思っていても、イザとなると判断に
迷いが出ることもあるだろう・・・
自然を前にした時、人間の非力さを否応無しに実感する。

ガイドに限らず誰もが固い信念で貫いて行かねばなるまい。
         



          
  

2010年05月09日

ガイドの危険と難しさ

「もろ刃の剱」


ある山岳関係の総会があり、会員Aの起こした事故報告があった。

雪山でガイド中、お客様の滑落によりロープで繋がっていたために、
ガイド自身も引き込まれてお客様と一緒に滑落してしまった。
ガイドは怪我をしたが、不幸中の幸いとも言うかお客様に怪我はなかった。

ガイドの技術で代表的なものにショートロープ技術があるが、この技術は
もろ刃の剱ともなる。
「もろ刃の剱」と言うのは、お客様とロープで繋がっていたために一緒に
滑落してしまったが、上手く行っていたならば滑落を止められたかも知れない。
ガイドにとってショートロープ技術は、強い味方でもあり、反面、大事故に
発展する要因でもある。

ショートロープ技術は、昔よりある登山技術の一つで、古くて最も新しい技術
でもあるが、未だにその結果は見られない。