柔道の寝技

2012年12月02日

足緘み外回しは橋本年一『日本柔道・寝技指南』2000年のP28ページに名称があります。ブラジリアン柔道でいうデラヒーバガード、スイープ。

1まず相手を引き込み、
2左手で相手左手袖口をとる。
3右足を外回しで相手の後ろ股に差し入れ(普通の足緘みは内回し)、
4右手で相手後ろ帯をとる。
5体を右に勢いよく捻転させながら相手後方へとうまく回り込み、
6後方から相手両膝を内掛け(フックガード)にする。
7相手を自分の上に尻餅倒しにし、
8絞めるなりなんなりに仕留める。

古い記録では金光弥一兵衛『柔道本義』1953年に、

「第十五(片脛押し)乙が引き込んで左足を甲の右足に外から掛け、右足を下腹に当てて居る時」とあります。

ブラジリアン柔道ではその名の通りヒカルド・デラヒーバガードが開発したのだそう。

デラヒーバの誕生日は1965年1月26 日。15歳からブラジリアン柔道をはじめたそうなので1980年から1990年ぐらいに見つけたのでしょう。


2012年11月04日

投げ技と寝技は共に柔道の一分野を構成する技術ですが、嘉納も言うようにその複雑さと高尚さには雲泥の差があります。

1俗に投げ技三年・寝技三ヶ月と言うように投げ技で結果を出すには寝技の十二倍の時間と労力を必要とします。

2投げ技は先生に教えてもらう以外に成長しようがないのに対し、寝技は一人で自得するものです。

3寝技は乱取りの予定調和に従っていれば勝手に進歩するのに対し、投げ技はこれに抗わなければ進歩しません。

4投げ技は引き込まれてしまうと寸毫も使えませんが、寝技は引き込んでしまえば後は独断場です(刃物・多人数にはあまりにも無力ですが)。

総じて投げ技で大成するのは難く、寝技で大成するのは容易い(相対的に言って)。

今日寝技を売りにする道場が雨後の筍(たけのこ)のようにあらわれているのも、寝技の垣根の低さがあるからでしょう。


2012年11月02日

今回は亀や四つ這いの相手に腕挫脚固を掛け、ここから前転して抑え込む技です。

映像の方がわかりやすいですね。

0:45~1:12辺りです。
http://www.youtube.com/watch?v=he2GttCwiYE

名古屋大学ではMBAと呼んでいるようです。

『近代柔道』2011・5月号では土浦日大高校の生徒が実演しています(中学生ではまだやらない方がいいですね)。

技の出所はヨーロッパ柔道、日本、サンボ辺りでしょうか。そんなに昔からある技でもないでしょう。

2012年10月21日

絞め技には並十字絞め、片十字絞め、逆十字絞めなどがありますが、今回紹介するのは裏十字絞めです。

ブラジリアン柔道ではベースボールチョークと呼んで使っているようです。説明するより見る方が早いですね。

http://www.youtube.com/watch?v=7YvIMcpNi1Y
http://www.youtube.com/watch?v=IIWyg-5e87w

監修嘉納行光ほか『柔道大事典』に裏十字絞めで出て来ます。確か三船久蔵の本を出典にしていたと思います。YouTubeに投稿された三船の映像にあった気がします。これですね43:33ぐらいです。

http://www.youtube.com/watch?v=46veLgINFjU

2012年10月20日

回転(式送り襟)絞めは四つ這いになっている相手を跨いで前転し、くの字に返して送り襟絞めにする技です。かかりが弱い場合は地獄絞めの要領で頭に足をかけます。

「回転絞め」の名称は講道学舎『もっと強くなれる!「勝つ柔道のコツ50・メイツ出版のコツがわかる本ステップアップ!」』2008年に見られます。

http://www.youtube.com/watch?v=0BSuwwOccf8

戦前の柔道本には見られませんが、いつの間にか使われ出して、今や柔道を代表する絞め技の一つになっています。

ビクトル投げからや前屈している相手にも入れます。

ブラジリアン柔道は柔道のを取り入れたのでしょうか?弓矢絞めと呼んでいるようですね。



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