人生ただいま迷走中

安定志向なのになぜだか山あり谷ありの方向にすすんじゃう私の迷走日常ブログ

第二章・マリアの使命-4

翌朝、マリーが目覚めると、もうエヴァは階下へ降りていた。

 マリーは勉強会の内容が、どうしても気になった。

神様の話を聞いたついでに勉学ができるのなら、歓迎すべきかもしれない。

だが、その教えがカルトであれば、子供たちは利用され、信者として育成されてしまう。

 マリーはジョゼほど宗教の現実に詳しくはなかったが、心配する気持ちは同じだった。

 マリーは身体を起こし、ゆったりした茶色のワンピースに着替えた。

髪を櫛で整え、軽く化粧を済ますと、階下へ降りた。

 店内に子供たちの声はしなかった。

代わりにダニエルとエヴァの言い争う声がした。

「宵っ張りの大人が寝ている朝のうちに、子供たちを集めて何が悪いの?」

「ヘッドの許可を取っていないなら、何の会合であろうと禁止なんだ」

 マリーは一瞬、階下に降りたことを後悔した。

しかし、ダニエルに即座に見つかってしまった。

「よお、聖母様。

大事なアジトを、知らない間にあんたを祭る教会にする気だったか?」



「マリーには関係ないわ。

私が勝手にしたんだから、責めないで」

 エヴァは階段を降りたマリーを守るように傍に寄った。

背中に手を添えて、いつもジョゼが座るテーブルに着かせる。

 マリーは嫌味な笑みを浮かべているダニエルを無視し、エヴァに問い掛けた。

「子供たちは、どうなったの? 

追い出されてしまったの?」

「ダニエルが怒鳴り込んできたとき、ポールと私でテーブルを片づけていたところだったの。

ポールは追い出されたんだけど、店の前に立って、やって来る子たち一人一人に、丁寧に説明をして。

いったい何がいけないっていうのよ。

勉強の場を奪うなんて!」

 エヴァは怒りに顔を赤くしていた。

マリーは複雑な気持ちだった。

ホッとしたと言えば、その通りなのだ。

 マリーはダニエルに向き合った。

「勉強会が駄目だというのは、ここがアジトだから? 

それとも、教義が怪しいから?」

 ダニエルは眉間に皺を寄せ、大きく首を横に振った。

「ただビラを配るだけならともかく、集会をして妙な教えを広めるのは、禁止だ。

ヘッドの名の下に治安を守ってきたこの街に変な思想が入り込んだら、乱れの元となる」

 その言い分は、マリーも理解できた。

たった一日、出席したたけだが、子供たちはマリーが舌を巻くほど、教えを理解していた。

 マリーはエヴァに提案した。

「エヴァ、子供たちに勉強をさせるだけなら、大人たちが交代で教えればいいことだわ。

私も小学校の算数と綴りぐらいなら、教えられる。

兄さんの許可を取って、私や他の大人が勉強会をする、というのはどう?」


つづく


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第二章・マリアの使命-3

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0  ポールはマリーの言葉に、明らかに落胆の色を示した。 「あなたのような女性が信心をしていないのですか。 神の心を知れば、今以上に日々に幸せが訪れるでしょうに」  エヴァが真顔でポールに釘を刺した。 「マリーに信仰を強要しないでちょうだい。 旦那様が宗教大嫌い人間なの。 下手に神々しいものだから、第二のマリアとか担ぎ上げられそうで、怖いわ」  マリーは自分が言うより早くエヴァに牽制してもらって、ホッとした。 だが、ポールは眉間に皺を作り、考え込んだままだった。 「聖マリアだって、最初から自分の使命に気づいていたわけではない。 使命ある人は、自分の思い通りに生きるなんて、許されないんです」  ポールは興奮に顔を赤らめ、澄んだ碧の瞳で宙を見つめていた。 言ったところで、ポールは我に返った。 「別に、マリーに使命があるという意味ではありません。 そうだ、お腹の子の性別は、もうわかってるんですか?」  マリーは小さく微笑んだ。 「いいえ。アブリル市のお医者様は、超音波で見られる機器を持っていなくて。 生まれてからのお楽しみなの」  エヴァがコーラの瓶を頬に当て、うっとりと目を閉じた。 「マリーの子は、罪の街の子よ。 この街で生まれ、育まれていくの。 大きくなる頃には、この街もいい方向に変わってるといいわね」  マリーもエヴァにつられて微笑んだ。 「この街に来て八か月しか経ってないけど、私の故郷はこの街よ。 エヴァがいて、ジョゼがいて、兄さんがいるこの街が、私は大好きなの」  ふと妙な沈黙に、マリーはポールを見た。 ポールは碧の瞳をぎらつかせ、険しい顔でマリーを見ていた。  だが、すぐに笑顔を作り、瓶を掲げてみせた。 マリーは作り笑いを浮かべたものの、ポールの顔をまともに見られなかった。  グエンはマリーを、セナの生まれ変わりと言った。 偶然とはいえ、セナの再来を待ち望んでいるポールたちが、マリーを要らぬ厄災に巻き込みはしないだろうか?  しばらく夫はいない。 エヴァは手放しにポールを信頼している。 心細さが募る。  ポールとは距離を置き、詳しい事情を知られないようにしなければ。 つづく にほんブログ村 励みになります。ぽちっと一押しお願いします

第一章・預言者の住む街-5

 ポールはマリーの言葉に、明らかに落胆の色を示した。 「あなたのような女性が信心をしていないのですか。 神の心を知れば、今以上に日々に幸せが訪れるでしょうに」  エヴァが真顔でポールに釘を刺した。 「マリーに信仰を強要しないでちょうだい。 旦那様が宗教大嫌い人間なの。 下手に神々しいものだから、第二のマリアとか担ぎ上げられそうで、怖いわ」  マリーは自分が言うより早くエヴァに牽制してもらって、ホッとした。 だが、ポールは眉間に皺を作り、考え込んだままだった。 「聖マリアだって、最初から自分の使命に気づいていたわけではない。 使命ある人は、自分の思い通りに生きるなんて、許されないんです」  ポールは興奮に顔を赤らめ、澄んだ碧の瞳で宙を見つめていた。 言ったところで、ポールは我に返った。 「別に、マリーに使命があるという意味ではありません。 そうだ、お腹の子の性別は、もうわかってるんですか?」  マリーは小さく微笑んだ。 「いいえ。アブリル市のお医者様は、超音波で見られる機器を持っていなくて。 生まれてからのお楽しみなの」  エヴァがコーラの瓶を頬に当て、うっとりと目を閉じた。 「マリーの子は、罪の街の子よ。 この街で生まれ、育まれていくの。 大きくなる頃には、この街もいい方向に変わってるといいわね」  マリーもエヴァにつられて微笑んだ。 「この街に来て八か月しか経ってないけど、私の故郷はこの街よ。 エヴァがいて、ジョゼがいて、兄さんがいるこの街が、私は大好きなの」  ふと妙な沈黙に、マリーはポールを見た。 ポールは碧の瞳をぎらつかせ、険しい顔でマリーを見ていた。  だが、すぐに笑顔を作り、瓶を掲げてみせた。 マリーは作り笑いを浮かべたものの、ポールの顔をまともに見られなかった。  グエンはマリーを、セナの生まれ変わりと言った。 偶然とはいえ、セナの再来を待ち望んでいるポールたちが、マリーを要らぬ厄災に巻き込みはしないだろうか?  しばらく夫はいない。 エヴァは手放しにポールを信頼している。 心細さが募る。  ポールとは距離を置き、詳しい事情を知られないようにしなければ。 つづく にほんブログ村 励みになります。ぽちっと一押しお願いします
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