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韓国の「共同翻訳聖書」改訂版(2004)を読んでいたら、詩編85編13節の訳が非常に印象的だった。
直訳すると次のようである。

「正義があなたの前を歩み行き、
平和がその足跡に従って行くであろう。」


これは詩編85編の最後だが、このように訳されているものはほとんど見当たらない。

「正義は御前を行き
主の進まれる道を備えます。」85:14 新共同訳

「義は主のみ前に行き、
その足跡を道とするでしょう。」口語訳

Righteousness shall go before him; and shall set us in the way of his steps. (Psa 85:13 KJV)

Righteousness will go before him, and will make a path for his steps. (Psa 85:13 NRS)

韓国の共同翻訳と通じるのは次の関根正雄訳である。

「義はそのみ前に行き、
  安きはその歩み給う道を行くであろう。」

そこで旧約聖書ヘブライ語原典BHSを見ると、注に別の読み方として「シャローム」(平和、安き)が出ている。

「正義があなたの前を歩み行き、
平和がその足跡に従って行くであろう。」


正義と平和は必ずしも両立せず、しばしば葛藤を起こす場合があるように思う。

そのしたなかでこの詩編85:11は

「正義と平和は口づけし」(新共同訳)

と歌う。

韓国の共同翻訳は、この11節に込められた思いを14節においても反響させている。

正義の実現が平和のための道を切り開く。

私は「正義」のなかに、虐げられた人々、苦しめられた人々の尊厳と健康と権利の回復を思う。

(追記)

フランシスコ会聖書研究所訳注『聖書』(2011=合本)では次のように訳している。

義は主の前を行き、
麗しさは主の足跡に従う。