The Collects of Thomas Cranmer

本日の特祷から 【特定15】
2019/08/18 井田 泉

主よ、どうか絶えることのない憐れみをもって主の教会を守ってください。人間ははかないものであり、あなたに頼らなければ倒れてしまうほかありません。み助けによって、害のあるすべてのものからわたしたちを守り、益となるものを与えて常に救いの道に導いてください。主イエス・キリストによってお願いいたします。アーメン

1. 「特祷」は英語では”collect”と言います。これは「人びとの祈りが集められたもの」という意味を持っています。一般的な表現になっているとしても、ここには一人ひとりの切なる思いがこめられているのです。

2. 特祷の起源は古いのですが、16世紀の英国の宗教改革を推進し最初の祈祷書を編集した中心人物であるトマス・クランマー(カンタベリー大主教)が、情熱と祈りを注ぎ込んで1年間の特祷を整えました。

3. この特定15の特祷のもとになっているクランマーの祈りは
Keep we beseech thee, O Lord, thy church……
「守ってください、わたしたちはあなたに懇願します、おお、主よ、あなたの教会を……」
と始まっています。人間の弱さ、自分自身の弱さを痛切に自覚しつつ、教会の危機の中で祈りを整えていったクランマーの思いが伝わってきます。
(Barbee & Zahl, ”The Collects of Thomas Cranmer” Eerdmans Pub, 1999)

4. 教会は「主の教会」、thy church 「あなたの教会」です。神さまのものです。人間が自分の思いどおりにするものではなく、まして人間が支配するものではありません。ここは神の言葉と聖霊が生きて働き、わたしたちはそれによって清められ、信仰が養われるはずの場所です。愛と祈りが満ち、信仰の交わりが深まっていくべき場所です。
しかし、現実には人間の過ちによって、神さまの教会の実質が損なわれてしまうことがしばしば起こります。だからこそ、「主の教会を守ってください」という祈りは切実なものとなるのです。

5. 神さまはどのようにして、何によって教会を守ろうとされるのでしょうか。今日の聖書日課からひとつの言葉に注目しましょう。
「このように、わたしの言葉は火に似ていないか。岩を打ち砕く槌のようではないか、と主は言われる。」エレミヤ23:29
「わたしが来たのは、地上に火を投ずるためである。その火が既に燃えていたらと、どんなに願っていることか。」ルカ12:49
「火」です。ご自分の愛の火によって、神さまは教会を守ろうとされるのです。その火は愛の火であるがゆえに、わたしたちに愛の情熱を与える火です。同時にわたしたちを清めて「害あるすべてのもの」(特祷)を焼き尽くす火です。
神の愛の火が教会に、またわたしたち一人ひとりに燃え上がりますように。