ラジオを聴きながら寝床に入ること1時過ぎ。大型台風の情報がずっと流れている。

私が子供の頃、育ったのが九州なので、よく台風に見舞われた。
雨風が強まってきたら、とりあえず雨戸を父が閉める。
すると外の気配がまったく感じられなくなり不気味で洞穴に隠れている気分だった。
そして、暴風域に入ると停電になり、部屋中真っ暗になる。
すると非常用に備えているロウソクを母が立てる。家族がロウソクの灯りの前に集まる。
そして台風が過ぎ去る時をじっと待つ。私の顔のすぐそばで、
ろうそくの火が父、母、弟の顔を揺らす。恐くも寂しくも無かった。

そういえば最近、地震のときに誰かそばにいて欲しいという理由で結婚した友人がいた。

今、若者の間で流行している歌の歌詞に頻繁に出てくることばがある。
「そばにいる」「そばにいて」「そばにいたい」。
そう、最近は「愛してる」とか「愛し合う」とかではなく
愛情表現のキーワードは「傍」。

海が荒れているとき、道があれているとき、心が荒れているとき、
遠くにいても近くにいても「そばにいてくれる人」と思える人、いますか?