「マンション経営よりももうかる」。携帯電話の充電器にからむマルチ商法をめぐり、大阪市の販売会社「MMS」(現・メディアクロス)が27日、摘発された。元社長の石川和孝容疑者(52)らは充電器を購入した契約者を「代理店」と呼び、言葉巧みに勧誘を展開。違法な充電器ビジネスで巨額な資金を集めていた。

 ■書面のみの「所有権」販売

 滋賀県湖南市菩提寺の閑静な住宅地。この日午前8時20分ごろ、府警の捜査員に伴われて自宅から出てきた石川容疑者はパーカーのフードで顔をすっぽり隠したまま、捜査車両に乗り込んだ。

 関係者によると、石川容疑者らは契約者が新たな顧客を獲得するごとにボーナス名目で4万円を支給。上位の契約者のなかには、他の物品を扱う別のマルチ会社も加わっており、組織的な勧誘で売り上げを伸ばす一方、契約者には実際の充電器は渡さず、書面上だけの「所有権」を売りさばいていた。パンフレットなどでうたっていた約1万1千台の設置台数も、実際ははるかに少なかったという。

 高知市内に住む60代の無職男性は5年前、地元で開かれたセミナーに出席。セミナーの主催者は、MMSの上位の契約者にあたる京都市内の健康食品会社だった。

 「韓国では公衆電話のように街中に充電器が置かれている」。担当者は熱っぽく充電器ビジネスの有望さを訴え、男性は約52万円で充電器1台の所有権を購入。契約書には購入後3年間は解約できないと書かれていたが、「充電器の価値は今後もっと上がる。新たな購入希望者に所有権を転売すれば購入時よりも高く売れる」と説得され、平成18年ごろまでに計20台分を購入した。

 しばらくは1台につき約2千円の配当が毎月支払われていたが、徐々に配当額が減ってきたため、MMSに問い合わせると「事業が遅れて一時的に利益が上がっていないが、問題ない」と説明された。

 「老後の蓄えがすべて無くなってしまった。だまされた」。現在は弁護士に相談して民事訴訟を起こしているという。

 神戸市内の40代の主婦も「月に数万円の配当がある」と知人から紹介され、18年に1台分を購入。約束通りの配当が支払われなかったために契約の解除を申し込んだが、返答はなかったという。女性は「MMSには誠意ある対応がまったくなかった。だまされて悔しい」と話した。

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