栃木県さくら市の国立児童自立支援施設「きぬ川学院」で平成21年、当時の男性寮長(40)が、入所していた少女の顔をけるなど虐待行為をした問題で、厚生労働省は2日、背景に「閉鎖的な組織風土があった」などとする専門委員会の報告書を公表した。

 再発防止に向けては、適切な支援方法や理念を協議する委員会を定期的に開き、施設全体で情報を共有することなどを求めた。厚労省は報告書に基づき、学院への指導を徹底する。

 厚労省によると、虐待行為は昨年8月15日に発生。元寮長は、日課の畑作業に参加しなかった少女を注意したが、従わなかったため、髪をつかんで地面に押しつけ、けるなどしてけがをさせた。元寮長は停職3カ月の懲戒処分となった。

 報告書によると、同学院には5つの寮があり、それぞれ10人前後の児童が入所していたが、寮ごとの独立性が非常に高く、学院全体で児童を支援する体制になかったと指摘。

 そうした状況で、少女と適切な人間関係を築けなかった元寮長が一人で問題を抱え込み、暴力につながったと分析した。さらに、(1)職員に対するきめ細やかな指導・支援体制がなかった(2)日課などの遂行に重点を置きすぎていた(3)職員の指導方法に関する研修が行われていなかった-など施設全体の不備を指摘した。

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