名古屋市の河村たかし市長は19日午前、総務省で原口一博総務相と面談し、同市として住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)から離脱する考えを伝えた。住基カード普及率は全国で3%にとどまっており、人口225万人の同市が離脱すれば大きな影響があるとみられる。市長は記者団に接続予算について「来年度は計上するつもりはない」と明言した。

 市長は、総務相に「民主党政策の一丁目一番地は地域主権であり、国民に番号を付けて中央政府が管理するのは間違いだ。住民基本台帳法は廃止すべきだ」と指摘したうえで、「新年度予算への計上は留保している。切断の方向で対応してもらいたい」と述べた。総務相は「年金の照合や納税の電子申告で使用しており不便を被ることもある。対応するスピードは事務方で検討させてもらいたい」と応じた。

 総務相は面談後の記者会見で「市長は新たな仕組みに向けた、いろんな議論を進めていこうということをおっしゃった。成立している法律は守らなければならない」と述べたが、市長は、記者団に「私ははっきり総務相に『切断したい』と言った」と説明した。

 名古屋市がネットへの接続を維持するには年1億3000万円がかかり、10年度予算案(財政局案)に計上したうえで「市長判断を待つ」という扱いになっている。

 現在、住基ネットに参加していないのは東京都国立市と福島県矢祭町の2自治体で、市長は「住民への理解を求める手続きを検討したい。両自治体とも連絡を取りたい」と話した。

 河村市長は衆院議員時代から、住基ネットについて費用対効果や個人情報保護の観点から反対を続けてきた。原口総務相らと連名で廃止法案を提出したこともある。【岡崎大輔】

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