殺人罪など凶悪事件の公訴時効を廃止する改正刑事訴訟法が27日、衆院本会議で可決、成立した。「殺人事件被害者遺族の会(宙(そら)の会)」の活動に参加して時効撤廃・停止を訴えてきた未解決事件の遺族らは「犯人に対するプレッシャーになるはず」と事件解決への思いを一層強くしている。【福島祥】

 「私たち被害者には時効はありません。日がたつにつれて苦しみが増します」。99年11月に名古屋市西区の自宅で殺害された主婦、高羽奈美子さん(当時32歳)の母親(70)は09年春、宙の会に自分の署名と嘆願書を託した。

 当時、事件から既に9年余が過ぎていた。風化を感じ「このまま時効になれば奈美子は忘れられ、二度殺されるようなものだ」と焦っていた。会の活動に直接参加することはかなわなかったが「思いは一緒」と感じ、嘆願書に自分の思いをぶつけた。「一生逃げなくてはいけないということは犯人にプレッシャーを与えるはず」と時効撤廃の意義を語る。

 一方、奈美子さんの夫悟さん(53)は、宙の会会員として時効撤廃を求める署名を集めた。奈美子さんの事件では、現場に犯人のものとみられる血痕が残っていた。「時効が過ぎた後に別の事件の捜査でDNA型が一致し、犯人が分かっても逮捕できない……と、悪い想像をしたこともあった」と明かす。「事件の遺族は失った家族のために何かしてあげたい、と時効撤廃を強く求めてきた」と話す悟さんの思いに動かされ、会社の同僚や取引先も署名を寄せた。

 活動には愛知県豊明市母子4人殺害・放火事件(04年9月)の遺族も加わった。殺害された加藤利代さん(当時38歳)の母、渕村信子さん(71)は「犯人が捕まらない以上、この日を待っていた。皆さんに感謝したい」。姉の天海としさん(47)は「犯人には『逃げ得はないよ』と言いたい。そして法改正が、私たちのような遺族を作らない社会につながってほしい」と話している。

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