全国で初めて民間も含め屋内施設での喫煙を規制する神奈川県の受動喫煙防止条例が1日、施行された。厚生労働省も2月に公共的な空間での原則全面禁煙を通知しており、全国的な影響が注目される。県内の対象施設では「禁煙」の看板を設置するなど、対応に追われる姿も。一方、客足への影響が懸念される店舗では不満がくすぶっている。

 施行により禁煙か分煙のいずれかを決めなければならないホテルのうち、JR横浜駅西口にある「横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ」(横浜市西区)は「分煙」を選択。1日から公共スペース、レストラン、ラウンジを全席禁煙とする一方、喫煙スペースを約700万円かけて2カ所増設した。館内15カ所には条例を啓発する看板を立て、スタッフが位置関係などをチェックしていた。愛煙家の多いバーについては当面、喫煙できることに。広報担当者は営業への影響について「未知数で、しばらく様子を見たい」と語る。

 一方、小規模店からは不満の声も。横浜市中区のバー「無頼船」では客の8割が喫煙者といい、店員の稲田晃大さん(28)は「規制には大反対。酒場はストレスを発散する場所で、たばこを吸えないのはおかしい。喫煙室を設ける余裕もない。(財政的な)援助がなく規制だけ進めるのはおかしい」と釈然としない様子だった。

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 施行準備に当たってきた県の「たばこ対策室」は1日「たばこ対策課」に改組。県庁では午前10時前、職員に辞令が渡され、条例を提唱した松沢成文知事は「調査では(条例の認知度は)施設は8割、一般の方は5~6割。理解と協力が得られるように動いてほしい」と激励した。【木村健二、杉埜水脈、松倉佑輔】

 ◇【ことば】神奈川県の受動喫煙防止条例

 不特定多数が利用する施設は民間も規制対象としたのが特徴。学校や病院など「第1種施設」は禁煙とし、大規模な宿泊施設や飲食店など「第2種施設」は施設側が禁煙か分煙かを選び、入り口に表示を義務付ける。煙が流出しないようにした喫煙所を設置すれば喫煙できるが、禁煙区域で吸った人は過料2000円、規制措置を怠った施設管理者は同2万円が科される(第2種施設への適用は来年4月以降)。調理場を除き床面積100平方メートル以下の小規模な飲食店やパチンコ店など「特例第2種施設」では規制は努力義務にとどまる。

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