今回はIOTAの話題ではく久々にDXCCの話題になります。
 しかも当局は殆ど運用しないU/SHFバンドのお話です。

 この趣味を続けていてDXerと言われる方は、その殆どの目標がDXCCでしょうし、そのメンバーとなるために世界中の国や地域から100以上のENTITYQSOして得られるこのアワード(賞状)の重みを理解してくださると思います。
 このDXCCにはシングルバンドで達成された方向けに、そのシングルバンドでのアワードも準備されています。
 当局も160-6m10バンドでこれを達成出来ていますが、その先は残念ながらありません。

 今回ご紹介しますJA6AHB/田中さんは、何とJA(日本)で初めて70cm(432MHz)でこのシングルバンドDXCCを達成された方になります。
 今回、この田中さんの話題を取り上げたのには或る出会いと経緯があります。
 田中さんは、福岡県にお住まいで今回初めてDXCCを申請されるということで、ご自宅から一番近い距離に暮らす当局の許にDXCCのフィールドチェックの依頼があったのです。
 JARLDXCCのフィールドチェックを受けることは可能ですが、我々にとって命の次に大事なQSLカードは郵送となり、書留扱いでも万が一郵便事故が発生すればQSLが戻る保証はありません。
 そのような理由から、QSL持ち込みによるチェックが希望でした。

 田中さんは90歳のご高齢にも拘わらず、DXCCのオンライン申請に挑み、申請書・QSLカードリスト・QSLカードを準備され当局の許にチェックを受けにお越しになられました。
 DXCCの申請は初めてですと言われ、LoTWを含むDXCCの説明をさせて戴きました。
 LoTWにつきましてはこれから挑戦されるとのことでした。
 そこで今回チェックを受けられるQSLの内容を拝見しましたが、申請内容を見て驚愕しました。
 何と全てEME(月面反射通信)による432MHz帯のQSOでした。

 それまでこの432MHz帯におけるDXCC達成者は世界中で僅か10名でした。
 最初の達成者は、2008年にこの偉業を達成されたDL9KR/Janさんと記憶しています。
 それが遂にJAからも達成者が出ることになりました。
 実はDXCCにはサテライト(人工衛星)による交信として特別な括りのアワードがありますが、EMEという交信スタイルには何ら特別な括りは有りません。
 これは、EMEGW(グランドウェーブ)や、電離層反射、山岳反射等と同じく自然物である月の反射を利用した通信であるが為です。
 そのことを田中さんにも説明し、今回のチェックQSLにありましたHL(大韓民国)とのQSOについてもEMEではなくGWによるものだったとしてもOKなのですよとお話させて戴きました。
 また、田中さんは同バンドのQSLで今回申請に使用しなかった消滅ENTITY等のQSLが他にもあるとのことで、次回はそれをお願いしますとのことでしたので、少なくとも現在世界第3位のOK1DFC/Samekさんをも超える勢いです。
 さらに驚くことに、田中さんは1.2GHz(23cm)バンドでもDXCCにリーチが掛りつつあるとのことで、これは達成されれば世界初になるのではと思ってしまいます。
 田中さんの更なるご活躍とご健勝をお祈りします。

 JA6AHB/田中さんのWeb siteはこちら:http://ja6ahb.ninja-x.jp/

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