一連の愛国心に関する議論のなかで、いちばん馬鹿馬鹿しい(しかし、広範に流布している)意見について簡単に駁しておきます。

それは
「日本に住んでいて、日本のインフラを利用して、日本国のサービスを受けているのだから、この国に感謝して敬意を表するのが当然だ」(他のブログで拝見した何人かの方の意見を結合したものです)
というものです。

つまり、道を使ったり橋を渡ったり水を飲んだりしているのだから、国に感謝し、これを愛せという論理です。

この意見を見て、私は口をあんぐりとしてしまったのですが・・・恐らく、このような意見を述べる人というのは、税金を1円も払ったことがないのですね





道路は何によってできるのか? 答えは、いうまでもなく税金です(ま、私道というのもありますが、それは一層国に感謝するという対象外なのでおいとくとします)

税金を払っているのは誰か? それはもちろん、あなたです。

あなたが働く給与から天引きされる所得税によって、また、毎日の買い物をするたびに付加してくる消費税によって、ガソリンスタンドで給油するときの石油税(だったっけ?)によって、道は造られているわけです。

つまり、スポンサーはあなたなわけです。あなたが出したお金によって給与を得ている公務員が、あなたが出したお金を使って、あなたのための道路を造る。そこにどうして「感謝をして当然」という概念が入り込んでくるわけでしょうか?

 |私はもちろん「公務員は感謝に値しない」と言ってる
 |わけではないですよ。私は常々、誠実に市民のために
 |働く公務員には感謝の念を払ってきました。その一方
 |で、不誠実で市民の利益を阻害しているとしか思えな
 |い公務員とはよく喧嘩します。

私は親切な運転手さんのタクシーに乗ったときにはよく「ありがとう」と言って降りますが、「乗せてやってるんだから感謝しろ」みたいな態度をとられたら、ふざけんな、ですよね。そういうことです。

もしかして、多くの日本人は、「自分が税金を払っている国家のスポンサーである」ということを忘れているんじゃないでしょうか?

元(前かも?)政府税調会長だった加藤寛さんが、どこかで「源泉徴収という制度が悪い」という主旨のことを言っておられた気がします。つまり、給与から「なにか」が天引きされているけれど、それは健保とか年金とかとならぶ「なにか」なんだという以上の考えが及ばない。それゆえに、地元に道路がつくられると、国会議員に感謝をしたりする。自分の払った金なのに。

 |どんどん話がそれていくけど、
 |年末調整のときに、2、3万円お金が返ってきて「わぁ
 |い」という感じの人がよくいますが、なんのことない、
 |その前にあなたが何十万円も源泉徴収されていること忘
 |れているということです。

この「スポンサー意識」=「納税者意識」の欠如というのは、日本社会全体にとって、かなりやばいと思うんですよね。なぜかというと、役人が使っているのが「おれの金」なのと「どっかから落ちてきた金」とは大変な違いがあるわけですよ。

「自分の金」だと思ったら、1日ほとんどクルマも通らないような高速道路を何百億もかけて建設するのを許せますか? 当然、行政に対するチェックもきびしくなってくるわけです。

このように国民県民市民町民の監視がきびしいということは、お役所にとっても本当は幸福なことだと思うんですよ。「自分たちの仕事は注目をされているから、いい加減な使い方ができない」と意識し続けることは、彼等の意欲を向上させ「いい仕事」ができる土壌になる。

「行政」を「他人事」としてみる国民県民市民町民の意識が「行政のレベル」を下げている。

だからやっぱり変だと思ったら「変じゃないすか?」と聞いてみよう。本当に変なら「ふざけるな」とちゃんと言おう。それではじめて「お国は私たちが心から感謝をできる存在」になっていくわけですから。
(あれ、前の記事と同じ結論になってしまった。。。。。)


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