2022年11月01日

中国料理の世界史、岩間一弘、慶応義塾大学出版会、2021

夏からずっと読んでいた分厚い学術書、ようやく読了。
そして明日は2家族9人で北京ダックを食べに難波に行く。
「中国料理の世界史」読了の打ち上げである。

日本だけが中国料理を自分の国のものにしているかと思っていたが、心斎橋の韓国風ちゃんぽん屋
などを見るにつれ、うすうす「そうではないんじゃないか」と感じていたことが裏付けされたのである。

沖縄そば、フォー、ルンピア(フィリピン)、こないだ孤独のグルメにも出てきたインドネシアのシウマイ・・・
世界中で中国料理は各々の自国と文化と溶けあい、独自の発達を遂げていたのである。

油でネギ、ニンニク、ショウガ、鷹の爪を炒め、肉、野菜、エビ、貝、魚などの身を入れ、醤油、砂糖、酢、
ごま油、味の素、ほんだし、スープの素などで味をつければ、中華料理のできあがりである。

オリーブオイルとにんにくと鷹の爪とバジルならイタリアかスペインかポルトガルだ。
ごま油とにんにくと鷹の爪とコチュジャンとダシダなら韓国。
(めんつゆと味噌のマリアージュがチゲ)

煮干しに野菜・肉・水・味噌を入れて煮れば味噌汁、これは和食の基本である。

原則をおさえれば料理は難しくなく、バリエーションは広がる。
問題はそれがうまいか、だ。うまいためには正確さが必要となる。
分量とタイミングは難しい。大体では作れるが、サイゼリアでワインとジュースを混ぜた謎ジュースのような美味しいんだがぴたりと決まりきらないもどかしい気持ちになることが多い。

パンが皿だったという中世ヨーロッパの記憶を思い起こせば、皿の上に鰯や鯖をのせてみたくなる。
脂のしみたパンはバンズに化け、ヘルシーな真のフィッシュバーガーになる。

卵でいろいろ丸め込むのもよい。
スーパーで無料でおいているラードで卵を焼き、中の具はこれも無料の紅ショウガをつつみ、炊いておいた米がふるさと納税で実質無料みたいなものだとしたら、この食事はほとんどタダのようなものである。
これは強力なスキルだ。

話がずれたが、最後に、理想の中華の食い方を。

ビールを片手に、揚げピーナッツとレバー、バンバンジーでじっくり料理を待つ。

野菜と、豆腐と、ホルモンと、北京ダック、小籠包。杏仁豆腐。明日の夕食はそんな感じの予定である。