自他共に認める25年来のバイク好きである。

これまで多くのマシンを愛してきたが、大きいもので1,300cc (Suzuki HAYABUSA)、小さいもので400cc (Honda CB400SF) で、主に1,000ccクラスのバイクに長く乗ってきた。

ここインドネシアに来てから免許を取って(買ってw)すぐに何に乗ろうか考えたが、結局私のバイク史における最小排気量となる125ccクラスに落ち着いた。

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YAMAHA Soul GT 125

日本では販売していな現地専用モデルで、値段は約15万円。
スクーターに乗るのは10年近く前に日本でSUZUKI Skywave650以来だ。

続き インドネシア独特のバイク事情
 


 
80-150ccがメインだがすごい数
ベトナム、タイ、インドネシアは数だけ言えばバイク天国。
道を走っている数は車の数の何倍にもなる。
2014年は1年間でインドネシアで約900万台のバイクが売れた。
HONDAが60%ちょい、次にYAMAHAで30%。残りの10%がKAWASAKI, SUZUKI, その他である。

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バイクのほとんどが80-150ccクラス。
こちらの二輪免許は日本の様に排気量による区分がないので、二輪免許があれば何でも乗れる。
日本メーカーのモデルがほとんどだが、売っているものは現地専用モデルが多く、生産もインドネシアで行われている。
産業育成の国策により、完成車バイク(車もそうだが)の輸入関税がめちゃくちゃ高いので、日本で150万円前後で買える750c-1,000ccクラスのバイクはこちらの小売価格では400万円オーバーとなり、庶民にてが届くものではない。

バイクが生活の足
モータリゼーションの波はここインドネシアにも及んで、4輪車の数も激増中のインドネシア。
特に首都ジャカルタはブラジルのサンパウロと並んで世界最悪の渋滞都市として有名だ。
ジャカルタ北部のKota地区から、南部のSenayan地区まで、渋滞していなければ一般道路でも車で20分もあればいける距離なのだが、渋滞すると2時間超となることもザラである。

こうした交通事情に加えて、庶民の家計ではまだまだ中産階級以下では車は買えない。
月収が3-4万円前後では150万円の車もなかなか買えないのは当たり前で、給料の半年分で賄えるバイクしか選択肢がないのだ。

一方、自転車の数は極めて少ない。
一部の愛好家を除いては街で見ることはあまりない。
坂道があまり多くないので、一見自転車での移動は合理的だが、とにかく暑いので日中の移動に自転車はきつい。

こうした背景から日本以上にバイクが市民の足となっている。

ジャカルタでのバイクの運転
バイクの運転マナーでよく日本でも関連スレが賑わうのが「すり抜け」である。
バイク乗りは特権としてすり抜けを駆使するし、渋滞でイライラする4輪ドライバーは多くの場合感情的にも許し難いとして反対する。

ここジャカルタでは一般道路では暗黙のうちにバイクに優先権がある様だ。
例外は深夜早朝で道路がガラガラの時。この時は低排気量のバイクより車の方がスピードを出せるので、車が幅を利かすが、これはごく限られた時間帯でのこと。
昼間の時間帯は曲芸さながらに多くのバイクが車を右から左から抜いていく。

日本以上にバイクが多いので、4輪ドライバーも周囲のバイクの挙動に多くの注意を払っている。
このため、4輪vs2輪の事故は思ったほどには多くない。
日本ではバイクはマイノリティーで、4輪ドライバーも注意を払わないので、右直事故などがよく起きる。ある意味ではバイク乗るならジャカルタの方が安全といえる一面だ。

右折できる道が極めて少ない
渋滞以外のジャカルタの道路事情の特徴としてあるのが、「右折可」の交差点が極めて少ないことだ。
この結果幹線道路では1-2km間隔でUターン箇所が設けられている。
ちょっと目の前の店に行くにも、店が右側にある場合は大回りしてUターンさせられることが多いのだ。
(ちなみにインドネシアは日本と同じ左側通行の国)

バイク乗りの同じ様にUターンさせられるのだが、Uターン箇所には多くの場合小銭稼ぎの道路交通整理おじさんが車をせき止めたりしているので、意外と事故が起きないのだ。
右折可交差点が多い日本と違い、ここジャカルタでは右直事故は非常に少ない。

ライダーのマナーなんてものはない
一定数以上のバイクで道路を走る場合、日本ではいわゆる「千鳥走行」が基本となる。
自分のすぐ右や左にバイクがいない様に後続車はスペースを与えて安全を意識してのマナーだ。
ここジャカルタではそんなマナーなんて全くない。
スペースがあれば後ろからどんどん入り込んでくる。
私も当初は前後左右バイクに挟まれている状態には恐怖を覚えたが、慣れとは恐ろしい。
今はそれが当たり前になっている。

ルールはあって無きようなもの
交通ルールを守るのは日本では当たり前だが、こちらでは「状況次第で守れば良い」という程度である。
夜間、意味なく赤信号になった無人の交差点、横断歩道では例外なくみんな信号を無視する。
逆走も当たり前。逆走しないとかなり先のUターン箇所まで走らなければならない。

生活必需品なので、家族での移動もバイク。
赤ん坊を背負ったノーヘルのおかーさんがおとーちゃんの後ろに乗る光景、4名乗りなども日常の光景である。

高速道路は一部モデル以外は乗り入れ不可
ジャカルタの首都環状線、高速道路はバイクの乗り入れは不可である。
これはバイクの排気量も考えれば妥当な措置であるが、例外としてHarley Davidson, BMWは許可証を見せて通行することができる。
しかし、これらバイクを所有しているのがごく一部の超富裕層ばかりで、多くは政財界でのコネを持っている人物。おそらくこうした人物が圧力かけて高速道路乗り入れを可能にしたのだろう。

メンテナンス・給油・改造
人件費の安いインドネシアではバイクの維持費も日本と比べれば格段に安い。
まず洗車。街中いろいろなところに "Cuci Moto" と書いた看板があるが、これはバイクの洗車場。
もちろん専門スタッフが洗ってくれる。
125ccクラスのスクータなら手洗+拭き取り+タイヤワックス でせいぜい120円だ。

ガソリンを買う選択肢は二つ。
日本の様なガソリンスタンドで給油するパターンと、少し郊外なら路上でガソリンが売っているので、路上で買うパターンだ。
GSでの値段は2016年6月現在で1リットル約57円。路上で買う場合は1リットル80円くらいだ。
小排気量なのでそもそもガソリンタンクが3リットル程度しかない。私のバイクだと走れる距離はせいぜい90-100km。郊外に行くとそんなにGSがないので、こういう路上のお店がないとガス欠してしまうのだ。

かつての日本もそうだったように、バイクには改造がつきものである。
定番なのはマフラー交換。そして照明類などの電装品、ホイール、サス、ハンドルレバーなどの改造が多い。
東京なら上野にバイク店がかつて多く集まっていた様に、ジャカルタでもKamp Melayu地区にある通りはバイクサービスショップが1kmに亘って連なっている。
海賊部品がほとんどだが、なんちゃって無限のマフラーとか、結構安い値段で買えたりする。
私は控えめにヘッドランプだけをLEDに交換したが、費用は2000円で済んだ。

ジャカルタでバイクの乗る際に注意すること
バイクタクシーの後ろに乗る機会は別として、自らジャカルタでバイクに乗る際に注意すべきことを挙げておこう。

(1) 日本での運転経験は忘れること
密集する中で乗ることになるので、周囲との「阿吽の呼吸」が必要である。
日本で当たり前だったマナーは一旦すべて忘れて周囲の動きに同調することだ。
本来見習うべき日本のマナーはこちらでは「予想外の動き」となり、トラブルを招きやすい。

(2) ウィンカーを出すライダーはごく少数であることを覚えておくこと
せっかくウィンカーが装備されているのに、使わないライダーが多い。
右手と左手を横に出してヒラヒラさせて周囲に意思表示するライダーが多い。
とにかく日本で当たり前のマナーが全くないと思うべし。

(3) 舗装が悪いことを覚えておくべし
道路のあちこちに穴がある。4輪ならゴツンと言って乗り越える程度だが、2輪の場合は速度を上げて突っ込むと結構なダメージになる。舗装が悪い箇所は突然出てくるので、夜間空いている時は特に注意が必要。
また、住宅街では多くの道で「もっこり=hamp」が一定間隔で置かれていたりする。
これにスピード出して乗り上げたら危険だし、また男性の場合はキンタマへのダメージも大きい。

(4) 雨への備え
スコールが突然やってくるので、雨具はあった方がいい。
暑い国なので濡れて寒くなることは稀であるが相当に濡れてしまう。
また、河川の付近や低地では頻繁に洪水となる。洪水に見舞われるとバイクが終了し兼ねないので、急激な雨で洪水の恐れのある場合はとにかく洪水危険箇所から脱出すること。

(5) 通行禁止道路だけは覚えておくこと
ジャカルタ市内では幾つかバイクが通行禁止な道がある。
高架道の多くは一時的立体交差を除いては多くがバイク通行禁止であるし、前述の通り高速道路は乗り入れ不可だ。
また、東京で言えば青山通りに相当するSudirman通り、Thamrin通りも一部通行禁止。
また脇道は通れても本道は通れない・・・といった箇所も多い。
こうした場所には大抵警察が網を張っているので、捕まったら素直に「交渉」に応じよう。

(6) 最低限のインドネシア語
警察に運悪く見つかった場合、正規手続きで違反キップを切ってくる警察官は皆無である。
その場でネゴして見逃してもらうことになる。インドネシア人の場合は50,000ルピア(500円程度)で済むが、外国人だとかなりふっかけられる。
これを交渉するためにも、またさらに事態を悪化させないためにもパスポート等の携帯、小銭、交渉のための最低限の語学力はあった方が望ましい。

これらに注意すれば、インドネシアでのバイク生活も意外と楽しめる。
街の多くの場所にはちゃんと駐輪場も用意されていて、インフラを見るとジャカルタの方が東京より便利な点も多い。
少し排気量の多いバイクに乗っていれば、仲間でBandungあたりにツーリングに出かけるのも楽しい。
距離的には東京〜軽井沢 程度だが、一般道だけで行くのでそれなりに走りごたえがある。