jamkenのMUSICJAM音楽評

ROCKフリークの中年オジサンによる音楽評。ROCK.JAZZ.CLUB.FUSION中心です。

2017年10月

Circle。必聴。3


Circle"nefertitti"1972
Anthony Braxton reeds, percussion
Chick Corea piano
Dave Holland bass, cello
Barry Altschul percussion
Recorded February 21, 1971 at the Maison de l’O.R.T.F, Paris
チックコリア。本名はArmando anthony “Chick” Corea。
当時30歳。まだ若い。

1968年より1971年にかけてはアヴァンギャルド音楽を手掛ける。
1968年にはHerbie Hancockを退けMiles Davisの”Bitches Brew”、”Filles de Kilimanjaro”、”In a Silent Way”に参加した。
コンサートでは、Miles davisのリズムセクションであったDave Holland、Jack DeJohnetteとともにfree improvisationとrock musicを融合した音楽を行った。
当時はFender Rhodesを試用していた。

Miles Davisのバンドは1970年まで続き、1970年から1971年にはDave HollandとともにCircleというフリージャズバンドを結成し活動した。このバンドにはAnthony Braxton、Barry Altschulらが在籍した。
アンソニーブラクストンは日本では知名度が低いが、このアルバムで
有名になったといってもいいだろう。当時27歳の若者。


さて、このアルバムは世間一般にはあまり評価が良くない。
「交わらない線。二人の間に越えられない何か、を感じる。だから、
同じリズム・セクションを使った、比較的近い音楽のようにも思える
アルバムをつくった二人が共演すると、
1+1>2ではなく、1+1<2を感じてしまった。」・・・。など。
コリアとブラクストンは水と油だという言い方が多い。

私はブラクストンというアーチストの経歴をあまり知らないので素直にこの音楽と向き合えた。
この作品は2枚組でベースソロだけとかパーカッションのソロなども演奏されるけれども
やはり全員で奏でるアンサンブルの曲が出来がよろしいと思われます。
disk1のnefertittiとdesk2を聴けばこのアルバムは随分スッキリいて聞けます。
いずれにせよ、フリー音楽が好きでない方には向かない。
このアルバムはそんなフリーな部分と従来のJAZZフォーマットのアンサンブルが
絡み合ってできた非常に貴重な当時の記録音源だといえる。
4人の火の出るような演奏は必聴だと言えます。

ROXY MUSIC。マニフェスト。媚薬。5


Roxy Music"manifesto"1979
Bryan Ferry(vo,p)
Phil Manzanera(g)
Andy Mackay(sax,oboe)
Gary Tibbs(b)
Paul Thompson(ds)
Alan Spenner(b)
Paul Carrack(kb)
ロキシーミュージック
イギリス発
1971年デビュー。
はじめはグラムロックであった。アートなジャケットにふわふわしたとらえどころのない
音楽はプログレッシブであり斬新である。
オリジナルメンバーはこの時点で
フェリー、アンディ、フィル、ポール。
今回はブライアンイーノが参加していない。
従ってイーノが求める冒険的で斬新でアートな作風は少し影を潜めている。
どちらかというと前作「サイレン」などの路線ではなくのちの大ヒット作
「アベロン」に近い流れであろう。
実は私は初期の作品をまだ聴いていない。
というか、ラジオで紹介された時のハチャメチャ感に嫌悪感を抱いていたからだ。

Roxy Music”2HB”1972
この作品は彼らのデビュー作だ。
久々にユーチューブで聞いたが、改めて聞くとデビュー当時から
後期のアダルトな作風の影が見える。
コード進行がJAZZYで複雑でなんといってもブライアンフェリーの
歌い方が浮遊感のある媚薬をなしている。
この媚薬がロキシーの肝でありあとの音処理の仕方が前期と後期で
違うだけだと思う。
しかしサックスの音処理やドラムのドタバタ感は初期の作品では
アダルトというよりは未完成と言わざる得ない。

さて今回紹介しているマニフェストではそんなドタバタ感や未完成感が全て取り払われて
まるで、アダルトコンテンポラリーではないのかというくらい
完成度が増している。
やはり、「ロックバンドはファーストから聞くべきだ」という後追いの鉄則は
ある意味で正しい。
失敗している例で言うと(ファーストが怖くて聞けない)(聞いてはいるが嫌悪感)
ピンクフロイド。ストーンズ。ディープ・パープル。エマーソンレイク。
ドゥービー。・・・・   そして、オールマンなんかも最近まで怖くて聞けなかった。
ほとんどのバンドはメンバーチェンジをして後期に成功をなしている。
わたしは要するに70年代思考なのかな。60年代のサウンドの単に音処理の悪さを嫌っているのかも
しれない。
ロキシーの作品は全て聞くべきかも知れないということは今回よく分かった。
しかし私はロキシーの作品の中で何が一番好きですかと聞かれたら
アベロンではなくこの「マニフェスト」ということに決めている。
まだ誰からも聞かれてないけど。



ジョーヘンワールド。フガフガサブトーン。4

Joe Henderson"Mirror Mirror"1980
Joe Henderson: tenor saxophone;
Chick Corea: piano;
Ron Carter: bass;
Billy Higgins: drums.
1980.1 LOS 

1980年はJAZZからフュージョンへと時代の流れが完全に移行した時期であり
私の青春時代である。
ライブアンダーザスカイでスタンリークラークとコリアとレニーホワイトラと共演したのライブを見て感動していた。
フュージョン畑の私は当時、なんてつまらない音楽だなと最初思っていた。
ジョーヘンにしても「のそのそ、フガフガ・・」の切れ味のなさ。
とても当時流行っていたデビットサンボーンやスティーブコールマンなどの若手
に比べると切れ味がない。当時は私もJAZZBANDでサックスを演奏していたので
どうしても「なんでこのおじいさんが?」という疑問が湧いていたつ
しかしやがてそのもんだいはあきらかになっていく。
音楽は上手さだけではないということに皆いつか気づく。

ジョーヘンダーソン。
1963年ページワンで発のリーダー作。
その後JAZZ、ニューJAZZ、モード、スピリチュアル・・と時代を渡り歩いてゆく。
2001年肺気腫で他界。
とにかく評論家筋では評価の分かれるアーチストである。

「嫌いだ、とまでは言わないが、
派手なフレーズはないし、楽器も鳴ってるんだか鳴ってないんだかモソモソした音で、
個性派ぞろいのJAZZメンの中に置くと没個性的に思えてしまう。」

よくわからなかったが今は割と理解できたアーチストとして
ウエインショーター、セロニアスモンク。
この人下手なのでは・・・と思わせるパターンが多い。

しかしジョーヘンはやや違うと思う。
人に媚ない。意固地。変わり者。そういったイメージがライブでわかる。にじみ出る。
一切笑顔や人間臭さを出さない。
そんな人いますね。
ジョーヘンは下手ではない。むしろ上手いと思う。
ただ地味なのだ。

私自身そういった地味な派閥なのでよくわかる。
お酒を飲んで大騒ぎはしない。
媚は売らない。
演奏は好きだが演出は嫌い。

彼の気持ちがよくわかる気がする。

このアルバム。
昨夜から繰り返し何回も聞いている。
携帯をつつきながら。
派手さがないところがすごくいい。
徹頭徹尾ジョーヘンワールド。
独特のフガフガサブトーン。
いいですよ。フガフガサブトーン。
コリアはほとんど脇役です。
それがいいのです。
下手な演出一切なしの「暗くて地味でフガフガしてて・・・」
ジョーヘンワールド全開。
最高です。



BOOM BOOM SATELLITES。大傑作。5


Boom Boom satellites"sloughin' blue"2001
ブンブンサテライツ。
JAPAN発。
ビックビート。
川島道行  Vo G
中野雅之  Bass Pro
1997年デビュー。
2016年ボーカルの川島が脳腫瘍のため死去。47歳。
現在活動終了。
この作品は彼らの2ndアルバムであり最高傑作。
だと思う。
わたしは1stアルバムを先に購入してその素晴らしさにすっかり虜になってしまいました。
このバンドは鑑賞するというのではなく、エネルギーを感じることだと思う。
ドラムやその他のデジタル音はすべてプログラムされた音で処理されている。
だから最初はテクノバンドかなと思っていた。
しかしライブではDSがいてしっかり演奏している。
従来のROCKの要であるギターソロなどはない。どちらかというと
同じリフを繰り返してカオスを作り上げて爆発させるテクノっぽい手法に
ボーカルが絡みさらに中野のプログラミングが絡んで考えられないほどの
ハードでヘビーで陶酔させるワールドを作り上げている。
3rdアルバムでは少しJAZZワールドに入り込んでマニアックな音楽
になりすぎた感がある。その後ややポップになったため、わたしはこの2ndが一番好きなアルバムになって
しまいました。
全体的に音感はダークで重たい。
ダブ的な音楽感とテクノワールドと激しいビートでカオスを釣り上げる一曲目。
ベース音がかっこよく、ドラムとベースの絡みにテクノワールドっぽい音が複雑に絡み合っていく。
すごいアレンジだ。
センスがいい。
この音楽はUSにもUKにもないのでは。
JAPAN発のオリジナリティーを発するこの世界感は、珍しく私が洋物と比べても
見劣りしない評価を下すという。
まだ聞いたことがない方はぜひオススメですよ。





グラントグリーン。フラワーライクな作品が気に入りました。5


Grant green"My favorit things"1964
Grant Green (g)
McCoy Tyner (p)
Bob Cranshaw (b)
Elvin Jones (ds)

グラントグリーン。アメリカ発。JAZZギタリスト。
1961年初のリーダーアルバム。
この作品はコルトレーンのリズム隊、エルビンとタイナーを従えての
意欲版であります。
彼はこの頃頻繁にリーダーアルバムを録音していたらしく
ブルーノートを代表するギタリストでありました。
グラント・グリーンという人は,ギター弾きでありながら
和音というものをほとんど使わず,シングルノートでホーンライクな演奏に
徹した奏者です.楽器の機能にみずから制約をかけ,
不自由と思える演奏法でジャズギターに独自の世界を開拓したとは言えるでしょう.そんな演奏スタイルを持つグリーンが,ギタリストの先達ではなく,ホーン奏者の演奏に強く影響を受けたことは疑いようもありません.そして,当時のジャズ界で最も革新的に見えたのがコルトレーンだったはずです.

さて私はそんな彼の作品を聞くのは2枚目くらいでありまして、
この度その良さにこのアルバムを通じて気付かされたという素人であります。
このアルバムは先人の評価はあまり高いとは言えないようで玄人筋から
いわば名盤扱いされていないアルバムであります。
しかし私はそんなこととは一切関係なくこの作品を評価したい。

まず、エルビンとタイナーに関しては言うことなしであります。
エルビンの3連片手スネアリズム刻みは粒が細かく気持ちが良い。
それに呼応するマッコイのリズムキープは控えめでありながらファンキーかつ
ジャジー。よって単なるモダンジャズの域を脱したモードファンク音楽を奏でている。
そこにグリーンのややロック寄りのサイケデリックスケールや
ファンキーなおかずやクリシェが絡んでいくとややフラワーアレンジなムードが奏でられて
私の愛するヒッピームードが香ってくる。
もちろんギターのフレーズで勝負した作品なので、ほぼ最初から終わりまで
フラワーライクな世界が余すところなく味わえて私はこのアルバムのすっかり虜になってしまった。
もしかしたら、ウエスやバレルよりも好きかもしれない。
彼の作品はもうしばらく観察する必要がありそうだ。



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