・製作国/アメリカ
・1987年度作品
《ストーリー》
エコーパーク無料診療所で、医師を勤める心優しい青年ジョン(ジェームズ・スペイダー)。
そんなエコーパークの近辺では、娼婦ばかりを狙った凶悪な連続殺人事件が発生していた。
ある日ーー
ジョンは幼なじみのデニスが、中絶の為に診療所を訪れていた事を知る。
デニスのカルテを盗み見たジョンはデニスのアパートを突き止め、デニスのアパートに押し掛ける。
が……
ジョンがそこで見たのは、無惨にも切り刻まれたデニスの死体だった。
ジョンが振り返ると、そこには診療所の同僚ジャック(レックス・ライオン)の姿が。
デニスを殺したのはジャックなのか?
慌てて逃げるジャック。
それを追うジョン。
ジャックは勤務先のエコーパーク無料診療所へと逃げ込む。
ジョンも直ぐ様追い付き、ジャックと揉み合いに。
格闘の末……
ジョンはジャックに殺害されてしまう。
その頃ーー
ジョンの双子の兄リック(ジェームズ・スペイダー(一人二役))は、弟が殺害された夢を見る。
弟の殺害現場を訪れたリックはジョンと瓜二つ。
その為、ジョンは生きているのか?と、現場は騒然となるのだった。
リックがジョンの兄と判明し、安堵のため息をつく関係者。
警察に犯人逮捕の協力を申し出たリックは、そこで催眠術を掛けられる事に同意する。
リックがジョンの死を察知した事から、二人の意識が同調している可能性が分かったからだ。
催眠術による潜在意識の中で、ジョンが見た殺人鬼の正体を知る事が出来る可能性もあるとの事。
催眠術を掛けられたリックは、恐るべき犯人の素顔を垣間見てしまう・・・。
《解説・感想》
監督・脚本は『コンフェッション』の、ローディ・ヘリントン。
監督はこれがデビュー作だそうです。
ヒロインのクリス役には、『サルバドル/遥かなる日々』のシンシア・ギブです。
1888年にロンドンを恐怖に陥れた殺人鬼、切り裂きジャック。
その模倣犯が、アメリカの一都市を再び恐怖に陥れるというストーリー。
ここまでは良くある感のサスペンス劇です。
が、この映画はそれに一味も二味もミックスされ、独特の雰囲気を醸し出しています。
特筆なのは主人公の描かれ方。
前半の主人公はジョン。
彼は殺人現場を目撃してしまい、途中、あっさりと殺害されてしまいます。
↑首吊り自殺と偽装されるジョン……
で、場面が切り替わりーー
ジョンと瓜二つのリックが登場。
あれ、ジョンが死んだのは夢オチだったのかな?
と、視聴者は戸惑います。
しかし、すぐにリックがジョンの双子の兄である事が判明します。
奇抜なのは、ここから。
リックがジョンの死を察知した事から、二人の意識が同調していると推測した警察の心理学者。
リックに催眠術をかけ、ジョンが死ぬ間際に見た殺人犯を特定出来るのでは?と、考えたのです。
催眠術をかけられるリック。
そしてリックは、ジョンが死ぬ間際に見た、あるモノを垣間見てしまうのです・・・。
中々良く出来た佳作ってのが感想ですが、演出に難がアリ、今いち盛り上がりに欠けます。
やや強引ではあるもののアイデアは抜群に面白く、もっと脚本が練られていたなら歴史に名を残す名作になっていたのですが・・・。
それでも、ジョンが死ぬ間際に見ていた意外なモノ。
おお!!
そういうオチだったか!!
と、ちょっと感心。
その場面は
『ホントにそうだったのかな?』
と、ビデオを早戻しして二度見してしまいましたからね。
この映画の《オススメ度》は・・・69%。
画面に潤いを与える、ヒロイン役のシンシア・ギブ。
ヌード(下着姿)も披露してくれてサービス満点。
とっても、可愛いんだけど……
そんな彼女も型通りのヒロイン役で終わってしまうのが、寂しい限りです。
さて……
普通のブログであれば、本作にジェームズ・スペイダーやシンシア・ギブが出演している事を紹介して終わりますが、当ブログはひねくれ要素が加わってますからね(笑)。
(↑ホントかいな(汗))
最後にご紹介するのは、本作の悲劇?の裏の主人公ジャック君⬇です。
ジャック君はシンシア・ギブ演じるヒロインに好意を寄せるも、全く相手にされないのがカワイソウ過ぎます。
演じるのは「ビバリーヒルズ・コップ」等に出演しているレックス・ライオン氏です。
「ビバリーヒルズ・コップ」に出演と言っても、数秒の事なのですが……
日本で彼をスクリーンで観る事はやや難しいのですが、本国では性格俳優としてちょっとだけご活躍されていたらしいです。
何故彼の話しを持ち出したのかというと・・・
とあるDVDを観ていて、偶然にも彼を発見したからです。
それは「冒険野郎マクガイバー/シーズン2」に収録されている、「スティング作戦開始」でです。
彼は敵方の用心棒役として、数分間だけ出演されています。
台詞はやっぱり一切無いのですが……汗。
それでも意外なところで意外な方を発見すると、少し嬉しくなりませんか?
そんなレックス・ライオン氏も2005年に既に他界されてしまっているようで、ググらなければよかった……と、ちょっと後悔。
今でも元気に現役で活躍されていると思ったのですが……
なんだか寂しい気持ちになりつつも、彼は今でもこの映画の中でイキイキと息づいているはずです。
ご冥福をお祈り致します……。