・製作国/アメリカ
・2011年度作品
これは実話の映画化だそうです。
《ストーリー》
葬儀屋を経営する父親から逃れるように、神学校へと入学したマイケル・コヴァック(コリン・オドナヒュー)。
だが無神論者のマイケルは、学校卒業を目前に退学を申し出る。
マイケルはどうしても、神を受け入れる事が出来なかったのだ。
そんな、ある夜ーー
マイケルは偶然にも交通事故を目撃。
一人の少女の死に立ち会う。
それを見ていたマイケルの恩師は、マイケルに神父としての素質を見い出す。
マイケルは恩師からエクソシスト(悪魔払い師)の道を進むように勧められる。
バチカンで行われているエクソシスト養成講座を体験する為、ローマへとやって来たマイケル。
彼はそこでも、神の信仰・悪魔の存在に懐疑的だった。
そんなマイケルの態度を見かねた養成講座の恩師から、マイケルはルーカス神父(アンソニー・ホプキンス)に会う事を勧められる。
マイケルはルーカス神父の元で、悪魔払いの儀式に立ち会う事となるが・・・。
《解説・感想》
監督は『1408号室』の、ミカエル・ハフストローム。
原作はマット・バグリオ。
脚本は『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』の、マイケル・ペトローニ。
音楽は『Dear フランキー』の、アレックス・ヘッフェスです。
実話の映画化の為、過度なSFX、バリバリのCGは控え目。
映画『エクソシスト』のように悪魔払いのシーンも、
クビが回転したり、
緑のゲロを吐いたり、
空中浮遊したり・・・
・・・なんーて、過激な演出は期待出来ません。
そこはホラーを期待して観た人には、肩透かしを喰らって拍子抜けになってしまうかもしれません。
この映画の本質は、ホラーという題材を通して、一人の人間の信仰を説いた人間ドラマ。
その為、良く言えば重厚な人間ドラマとして仕上がったと言えます。
反面、ホラーとしては敷居が高く堅苦しいでしょうか。
そんな前半部の展開に、観るのを投げ出してしまう方もいるかもしれません。
実は私もその一人。
『クソ真面目で地味なホラー映画だな・・・』
と、途中で観るのを放棄しそうになりました。
しかしーー
マイケルが何故神を信仰出来ないのか等、切ない過去が浮き彫りになる後半。
アンソニー・ホプキンスの怪演、
それに立ち向かう若手俳優のコリン・オドナヒューの熱演、
二人の名優の白熱する演技。
正に本当の悪魔払いさながらとなる驚愕の展開は、後に涙を誘います。
マイケルが十字架を握り潰すシーンは、親しい近親者を亡くした私と重なり見入ってしまいます。
純粋なホラーを観たい方にはお勧め出来ない映画ですが、中々の傑作。
それは間違いありません。
時間に余裕のある時に、じっくり味わって欲しい作品です。
この映画の《オススメ度》は・・・75%。
マイケルの父親役で、『ヒッチャー』『レディホーク』のルトガ・ハウアーが出演しています。