蛇乃目伍長の「エアフォースの英国面に来い!」 Mk.2

歴史に埋もれたヘンな物偏愛ブログ。ただし基本 拾い食いなので安全性(信憑性)に関しては注意だ!

2015年01月

英米軍用機計画ナンバーリスト

ありましたよ!
計画機のみならず実戦配備機の出自を探る上で重要な仕様要求のナンバーをリスト化したものが!(ふつー計画機と実戦配備機のプライオリティが逆だと思うんですが…いいんです、こういう人間なので)

◎まず英国です(英語版Wiki)
List of Air Ministry specifications

「partial(不完全)」と最初に断りが入っていますが愛称がある軍用機はほぼ全て網羅されていると思います。
リスト左より
・仕様要求コード 
・OR(Operational Requirement)ナンバー 
・航空機の分類 
・採用もしくは試作された機体 
となっております。


◎そして英航空機メーカー別にリスト化されたもの!
British Aviation - Projects to Production

上のWikiにはないメーカー内での開発ナンバーも判るようになっています。
例えばボールトン・ポールはこんな風
ピクチャ 1
「Type No.」P.82はデファイアント。
1937年初飛行で「Spec.」F.9/35 (OR.20)に基づくもの。
実際に生産され(Prdn=Production 計画のみはProj=Project)生産数1062機。
2S(2Seater)、1E(1Engine)の銃塔戦闘機、
と記載されています。(一番右は参考資料の番号)

ただ残念ながら会社名A、Bあたりまでしかリスト化が進んでないようで…。サンダース・ローやウェストランドなどは空白となっております。
サイト主さんにはぜひ頑張って頂きたい所存。


◎そして米空軍(1941〜)
Designations Of U.S. Air Force Projects

1941年に始まる「MX(Materiel, Experimental)」ナンバー、1950〜60年代の「WS(Weapon System)」ナンバーとその結果生まれた航空機の名前(またはシステム名)が記載されています。

ただXF-88、XF-90、YF-93が競作された長距離侵攻戦闘機計画はAMCD(Air Materiel Command Design)938Aという名称らしく…このような変化球がどうして生まれるのか、またはどれだけあるのかはナゾです。



これだけあればあと10年戦える!と思ったんですが米海軍のこうしたリストがまだ見つかっていません。

OS-130(昼間戦闘機 採用はF9F-6とF8U)とかTS-140(昼間VTOL戦闘機 計画のみ:XF3L-1=ベルD-188AとアブロTS-140)とかを目にするのでコード自体は存在する筈なのですが…。
またVFXやVFAX、VALといった計画名とそれらコードはどのような関係にあるのかも判りません。
まだまだ奥は深いぞ〜?

3発型A-5

What ifのフォーラムで見つけたので創作かと思ったのですが…
jpg~original
RockwellNAANR-349IMI01_zps0eb58cd4
…実在してました。
1972年にノースアメリカン・ロックウェルが空軍向けに提案したNR-349です。

J79エンジンをリニアボムベイのスペースに追加し、ダッシュ力を高めようという物です。
この3発目のJ79のインテークは機体上面に設けられています。

元々1960年代にやはりリニアボムベイにロケットダイン社のXLR46-NA-2ロケットエンジンを搭載した「リタリエイター(Retaliator:復讐者)」が提案されていました。
NAA Retaliator
1968年にYF-12をキャンセルした空軍は1970年にF-101、F-102、F-106の後継を模索するIMI(Improved Manned Interceptor:改良型有人要撃機)計画を開始。

ノースアメリカンはリタリエイターの改修案NR-349を提出しました。
NAA A3J-1 & NR-349 sml

競合他社はグラマンとコンベア。
コンベアはF-106E/Fを提案しましたがこちらの画像は見つかりませんでした
Convair F-106X IMI
(※多分、F-106Xに似た外観をしていると思われますが…。というかF-106Xという名称自体がF-106C~Eを包括する「発展型F-106」を指す物のようですので…ややこしくてすいません

グラマンはF-14 IMIを提案。
640px-USAF_ADCOM_Grumman_F-14_Tomcat_proposed_interceptor_-_1972
AIM-54ランチャー付きコンフォーマルタンクを機体下面に装備した物ですが、元より高価なトム猫からさらに高価になる見通しだったので即キャンセル。
搭載機関砲がGAU-7/A 25mm ケースレス砲というちょっと変わった物だったので実機を見てみたかった気もしますがw

IMI自体も、ソ連のICBM配備がかなり進んでいた事もあって要撃専用機の意義が問われて立ち消えとなったそうです。

A-6 with Vectored Nozzle

今日知ってビックラこいた事実、その8。

「A-6は初期において推力偏向ノズルでSTOLを狙っていた」
18639155

プロトタイプ1号機のYA2F-1 (A-6A) 147864がこの機構を組み込んでいましたが、かなり早い時期に事故で喪失。推力偏向の廃止はこれが原因のようです。
147864
YA2F-1_NAN-12-60
(※追記:推力偏向ノズルはいわゆる「先行量産型」の4機に装備されていたそうです。
下の画像は4号機にあたる147867(A2F-1)でノズルがスイングするスリットが見て取れます)

A-6+wf+bombs


この構想の名残りだと思いますがA-6は機体重心近くにノズルが位置しています。

このためか後に再度ベクタードノズルを装備しようという計画がありました。
73407887
ADEN (Augmentor Deflector Exhaust Nozzle)という2次元断面ノズルです。
1980年代にGEが研究を進めており、上手くすればA-6F イントルーダーIIに実装されていたかもしれなかった物です。
800px-A-6F_1987_DN-SC-88-00704

NASAのアーカイブにレポートがありました。→
19900008322_014_opt
ADENは最終的にF404と組み合わされる予定でしたが、研究では(F404の原型とも言える)YJ101が使用されています。
F404との組み合わせではA-6の離陸距離が1500ftから400ft以下(10ktの向かい風、総重量45000lbで)、着陸時の速度が100kt(約185km、10000ポンドの搭載物有り)への低減が可能になると見られていました。

19900008322_015_opt
19900008322_016_e
各モードのノズルベーン作動状態が判ります。
…あの…「VTOL」とかあるんですけど…。

A-6FはA-12共々、予算不足でキャンセルされてしまったためADENが実用化される事はありませんでした。
もし実用化されていたとしても、さすがにADENによるVTOLはYak-36同様不安定で禁止されていたかもしれませんが…。

Multi-purpose munitions carrier

ロシアの新型戦車、アルマータ(T-14)が砲塔の両脇に遠隔操作の機関砲を装備するのではないかと見られていますが。
Armata_mbt_Russian_army_defence_industry_military_technology

実は1971年に米国ではこんな特許が申請されていました。
US3757635-2_e
アシュラテンプル(TV版)かっ!?

フレデリック・ヒッカーソン(Frederick R. Hickerson)とアンドリュー・マーエフカ(Andrew J. Marhefka)による「Multi-purpose munitions carrier」です。→

アームの先端に銃座を兼ねたコックピットがあります。
アームの操作はこのコックピットからおこない、それぞれ独立した動きが出来るそうです。
US3757635-7_e
したがって車体を遮蔽物の陰に隠しながらアームを伸ばして高所から攻撃が可能とか、

US3757635-8_e
渡河する時も水上の様子を監視しながら、とかが可能。(とかとかうるさい)

そしてこの車両、実はモジュール式なんです。
US3757635-1_e
これが基本形。車体中央はぽっかりと空間となっていてここに作戦に応じて種々のモジュールを取り付けるようになっています。
図中の「18」の部分はエンジンルームとされています。

US3757635-6_e
カーゴキャリア?を取り付けたタイプ。
US3757635-5_e
US3757635-4_e
道路移動用の車輪もアタッチメント化されています。

でも戦車型の図をみると砲塔は自動装填式の無人砲塔らしいんですよね…。
US3757635-9
つまり上記のエンジンルームの位置とあわせて考えるに…この車両のオペレータはアーム先端のコックピットにいる2人という事になります…マジか…。


万が一この車両が実用化され、採用されていたら…と考えるのは自由ですよね?

当然開けた土地での対戦車戦闘には不向きですけど、都市部での対ゲリラ戦には有効かもしれません。
敵兵の立てこもる建物にコックピットごと突入させるまさしくアームパンチな戦術をとります(笑)

(窓から突入するだけではすぐに対策をとられてしまうので)壁をぶち破るために重武装・重装甲化したコックピットを支えるためにアームはより太く、応答速度の速いものとなり、さらには壁面に「脚をかけてより高い所に届くようにする」ために無限軌道から歩行脚が装備され…。
その脚もより体重をかけた「重いパンチ」を繰り出せるよう人間のような双脚となり…。



すなわちそれ

グラップラータンク

怖い考えになってしまったよッ!!?

20万アクセスありがとうございます!

…アクセス記録からすると本来は3日ぐらい前に言うべき事だったんですが(爆)
そしてやはり記念企画みたいな事をまるっきり考えていないという体たらく。

本当に申し訳ありません!

こんな甲斐のないブログ主が好き勝手書き散らしているだけのブログですが、閲覧・コメントしてくださる方々、SNSで紹介してくださる方々には大変感謝しております。

今後もお付き合い頂ければ嬉しいです。

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