まずは見てもらった方が早いでしょう。
マトラ社の迎撃戦闘機案、R-130です。

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マトラR-130は1946年(!)の段階でマッハ2での要撃を想定して計画されたジェット/ラムジェット混合動力機案の1つである。

ジェット/ラムジェットという事から判る通りノール1500グリフォンと競合関係にあった機体だ。
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(Nord 1500 Griffon)

グリフォンがアルセナル(後のSFECMAS:フランス特別航空研究製造社)1301グライダーによるデルタ翼の基礎研究を経てノール1402ジェルフォーのデータを引き継いでいるのに対し…
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(Arsenal 1301 Glider)
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(Nord 1402 Gerfaut)

R-130はいきなりVG翼を採用した変わり種である(アルセナルの超音速研究用グライダーには2301という後退翼のものもあるのだがそのデータがR-130にフィードバックされたかは不明)。
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(Arsenal 2301 Glider)

しかしVG翼と言ってもかなり変則的な物で速度によって2種類の主翼を使い分けるのだ。

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離着陸からマッハ0.65までの速度域ではフラップ付きの折畳み翼(翼長12m)を使用し、それ以上の速度では折畳み翼を収納し、胴体を90°回転させて元は機体の上下にあった2枚の固定翼(翼長4.5m)を使用する」
コックピット(パイロットは伏臥姿勢で搭乗する)は胴体の回転からは独立して向きは固定されている。
(この点もサンダーバード1号と同じです)

さらに低速時用の翼のフラップは引込み機構が付いている。
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動力はR&Rニーンとラムジェット。
この2つは個別にも、また、同時にも作動させる事が出来た。

また、高速時の操縦翼面はノズル部に取り付けられたスラスターベーン!

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空力試験モデルはシャレ・ド・ムートンの風洞試験で良好な結果を出した。
しかし機構的にかなり複雑になるため、1951年の予算削減によって計画は中止となった。

マトラ社はその後も研究を続けたが1960年代後半に研究結果を米国に売却したと言われている。

ユニークなアイディアが盛り込まれた斬新な機体ではあったがスペックを見ると…
「飛行時間20分、超音速飛行可能時間6分」

とあって「ひぃ」となります。