ハリアーⅢって何だったんだろうと検索していましたら横道にそれたというか横道に引きずり込まれまして。
gz78BOK
なんだコレ!?
テイル部に後ろ向きコックピットがある!

掲載されていたロシア語サイト→では1972年のAST-396 (Air Staff Target 396) に対するホーカー・シドレー案、P.1184-16との事。

AST-396はハリアー、ジャギュア、ファントムの後継となるSTOVL攻撃機を目指した物でした。

この後部コックピットがあまりにも怪しいのでフェイクを疑ったのですが、上記記事でソースとして紹介されていた「BAe P.1216: Supersonic ASTOVL Aircraft」(Michael Pryce著 Blue Envoy Press刊)の名前をツイッタで挙げたら著者さんから「(もう在庫が無いので?)コピーを10.95ポンド+郵送料でお送りしますヨ」とリプがあったのでとりあえず出所は担保された、とw

この後部座席は平面図に見える連装チューブに搭載されたミサイル、SRAAM(Short Range Air-to-Air Missile)や新型ASMを後ろ向きに発射する際の誘導役を担っているのだそうで、テイルコーン内に誘導用の小型レーダーが搭載されています。

「後ろ向きって何やねん」と言われそうですが、SRAAMは格闘戦用の高マニューバ性能が主眼となっていました。
SRAAM-3b
現在で言うところのオフボアサイト能力のはしりみたいな物ですね。
tail-dog
1968年に始まったSRAAMの開発計画は1977年に発射テストにまで漕ぎ付けました。
sraam-jawa
ハンターF.6(XG210)から発射されたSRAAMは期待通りのマニューバビリティを発揮します。
なんでも発射直後に回頭して母機に命中する寸前までいったという雪風(戦闘妖精の方ね)みたいなことまであったとか。

しかし毎度の事ながら英国防省は次期AAMとしてAIM-9Lの採用を決定し、SRAAM計画はポシャってしまうという規定路線。
それでもSRAAMで得られた技術は後にASRAAMの開発に活かされる事になります。

AST-396も実現はしませんでしたがSTOVL能力はAST-409に引き継がれ、ハリアーGR.5からGR.9までの新世代ハリアーの礎となりました。
また、STOVL能力を除いた制空戦闘機案の要求AST-403はタイフーンへと繋がることになります。

つまり1990年代以降の英国空軍機の系譜を遡るとこのP.1184-16という変態がいると…