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今年の春、トランプ大統領が連邦最高裁判事に保守系を指名し、共和党と民主党が争い続けました。

連邦最高裁判事は、自ら引退を申し出るか、死去するまでの事実上終身制ということが大きく、保守と革新で4対4だった最高裁判事の最後の空席に保守系がついたという事は、今後欠員が出るまで保守系に有利な判決が出やすくなるということで、大きな意味がありました。

実は、韓国でも8月にムン・ジェイン大統領が、大法院長にリベラル系の人物を指名しました。

国会の承認が必要ですが、現在はリベラルが優勢ですのでおそらく承認されるでしょう。



この大法院長のニュースは、テレビや韓国関連ブログでもほとんど見かけなかったので、注目度はかなり低いと思うのですが、実はかなり大きい影響があると思います。

大法院長は、いわゆる最高裁長官ですから、今後の韓国の司法の方向性が見えてくるでしょう。

韓国司法は今後、リベラル系に有利な判決が出やすく、政権運営にも活用され、保守系は更に力をそがれることになります。

ソウル高裁で進められている元国家情報院長の裁判でも、左派に有利に進み、国家情報院の権力を奪う結果につながると思います。

そして、この大法院長は日韓関係の隠れたキーマンになり得るし、ムン・ジェインもその事をわかって指名したはずです。日本人はまだ気がついていない。



先日、安倍首相とムン・ジェイン大統領の会談で、日韓基本条約での徴用工問題は解決済みという点について、言及されました。

日本と過去の韓国政府は常に『徴用工問題は解決済み』としてきましたが、ムン・ジェインは『請求権協定による両国間の合意は個人の権利を侵害できない』としました。

おそらくこの問題は最高裁と憲法裁判所を通して、韓国政府の今後の方針が決まる事になる。ムン・ジェインはそれを理解しており、左派の大法院長を指名した。

パク・クネ政権時、慰安婦問題に韓国が力を入れたのは憲法裁判所が『問題解決に動かないのは憲法違反』という判断を下し、パク・クネがそれを口実としたからです。

ムン・ジェインも同じ道を辿り、『徴用工問題は解決済みではない。個人賠償の請求権がある』という憲法裁判所判決を導き出す。



そうなれば韓国政府は『解決済みと思っていたけど、違憲判決が出たから賠償請求する』という方針転換が可能になる。

この首脳会談に対して、『韓国司法が国際条約を否定するのか』という批判も多いようで、少なくない数の批判を見ました。

さて、そうなると国際条約と憲法、どちらが上位概念か・・という事、しかも日本と韓国で、それぞれどう考えるか・・という事がポイントになると思います。

日本では、戦後は国際条約は憲法を上回るという考えが強かったようですが、現在は国際条約は法律よりも上位ではあるが、憲法よりは下位であるという考えが多いようです。

国民主権の日本では、立法府である国会が憲法改正の動議を出し、国民が判断を下すことになるので、それを国際条約が上回るとなれば、主権否定にもなりかねないと思います。



韓国の場合、国際条約は国内法と同等であり、憲法より下位の概念です。韓国憲法6条の1項が根拠となります。アメリカも同様です。

韓国の場合、憲法裁判所が『日韓基本条約は違憲である』と判決を出せば、条約を破棄出来るでしょう。

同様に、日本でも二国間の政治的・経済的条約については憲法が優先すると思われるので、違憲判決が出れば条約破棄できるでしょう。

ただし『日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする』という一文がありますので、これが難題になると思います。

そう考えれば韓国が国民の総意として、日韓基本条約を認めず、違憲判決を出すことは可能と思います。



日本は法律<条約<憲法。韓国は法律=条約<憲法。これが正しいとすれば、韓国が日韓条約を違憲判決する可能性は否定できない。

日韓基本条約を見ても破棄に関する記載はありませんので、韓国側が一方的に破棄したとしても、条約違反にはなりません。

またそれに対して制裁を課す国際組織もありませんので、止めることも出来ません

ただ憲法解釈としては可能でも、韓国に国民の判断があるように、日本にも国民の判断がありますので、条約の無効化や破棄が行われれば、当然二国間の関係は更に悪化します。

そして影響力として経済力や安全保障などが、国力に比例する事を考えれば、徴用工の司法判断が韓国に与える影響は小さくないでしょう。




※編集後記

というか・・・日本人の『約束は守らなくてはいけない』という価値判断が、良くも悪くも甘いって部分はあるでしょうね。

自分に得な約束は守り、損な約束は破ることもありえるし、法的拘束力・制裁が無ければ破る可能性を否定しない・・ってのが、実際のところでしょう。

よくアメリカが国際的な決め事を『アメリカの利益に反するから批准しない』ってのは、ありちゃありで、まぁ超大国だから他の国ものむしかない。

何度か『日本は大国であることを忘れている』と書いた事あるんですけど、経済力でごり押ししようと思えば出来るわけですよ。

韓国が徴用工で違憲判決出せば、韓国に対して国交断絶通告したっていい訳ですし、スワップなんて当然拒否できる。いらないって言ったのは韓国なんですから。

なんというか日本ものび太的な当たらず触らずのあいまいさを捨てて、そろそろジャイアン的な強引さを発揮してもいいと思うんですけどね。