自分も昔持っていたスウェーデン軍の飯盒のスゴいところは、風防が標準装備されている事でした。これは付属のアルコールストーブを 使うための五徳も備えたもので、世界的にもあまり類をみない飯盒でした。飯盒というのは、元々は焚き火で温めるのを前提として作られたものですが、最近で はポータブルストーブで炊爨する事が多く、風除けの有無はポータブルストーブの火力と相まって、野外での炊爨では重要なポイントになります。
   と言いつつも、自分はこれまであまり風防にはあまり頓着してませんでした。というのは、キャンプの時は大抵はテントの中か前室でやっているので、あまり風の影響を受けないからです。それでも一応はアルコールストーブのセットにはウインドスクリーンを入れてますが、広げるのが面倒でほとんど使ってません。
   ところが、4リットルのオイル缶で兵式飯盒の風防を作ってる人が居て、ビビーンと電撃を受けてしまいました。そこで今回も丸っと真似てみました。

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自筆の設計図
作例があるのでちゃんと出来る事は判っていますので
キレイに作るのを念頭に置きました


■設計
   作例から、4リットル缶にロ号飯盒が入る事は判っていましたが、より完璧を求めるなら、スウェーデン軍飯盒みたいな五徳を入れるべき、という風に考えてい ました。しかし、そこそこの太いステンレスの棒を切って曲げて、折りたたみ式にするのはかなり大変そうです。そこで、思い切って五徳を装備するのは諦めま した。そして、アルコールストーブや携帯燃料の五徳ごと中に入れる事で五徳なしでもやっていけると考えました。むしろ、固有の五徳を持たない事で、様々な 熱源を使える方がメリットと考えました。(スウェーデン軍飯盒の風防は、アルコールストーブしか使えません)
   次に考えたのは、「如何にキレイに作るか」でした。何せ相手はブリキ缶ですので、アルミ板を切るよりも大変です。また切り口がそのままでは、使ってる最中 に指を切ってしまう可能性もあるので、切り口は折ってキレイに仕上げたい。そこで折り代を含めて、どの辺りで缶を切断するか、飯盒と見合わせながら設計す る事にしました。
   さて、缶をどうするか。バイクで使っているオイルは、ホンダ純正のG1とG3なのですが、どちらも1リットル缶で4リットル缶がありません。他のメーカー のを買って使う事も考えたのですが、平井のホームズに行ってみると無地の空の4リットル缶が500円ほどで売ってました。中身は要らないので丁度良かった です。その他に万能日曜鋏も買い準備万端です。

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風防の高さは蓋から下の飯盒本体の高さになります
エスビットの場合は十分です

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アルコールストーブも大丈夫です
トランギアのアルストを純正五徳で使った場合でも大丈夫でした

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問題は、250g缶の携帯燃料
風防が飯盒の下をちょっとだけ覆う感じです
中華製の分離型ガスバーナーでも同様でした


■作製
   設計図を見ながら、飯盒を4リットル缶にあてがい、飯盒の蓋の下から底の高さで線を引き、その上15mmの所にも線を引きました。後の線が切断する線、先 の線が折り曲げの線です。さらにツルの耳金とバンド通しの切り欠きも線を引きました。また、空気の取り入れ口の穴も引きます。缶の下から15mmと 30mmの位置で線を引き、四面全部に穴を開ける様にしました。
   次に空気穴と切断の為のハサミの穴を開けるために、電動ドリルを使って要所に穴を開けて行きました。いきなり太いドリルを使うと、位置がずれた時に悲しい 想いをするので、まずは細いドリルで穴を開け、続いて太いドリルでホンちゃんの穴を開けました。サラっと書いてしまいましたが、実はこの作業が一番大変で した。まぁ、それなりに音はウルサいですし、粉も出ます。軽くショックだったのは、ドリル使えばバリも出ずキレイに仕上がると思ったのですが、結構缶の裏 にバリが出来た事でした。
   穴あけが終わったら、次は切断。万能日曜鋏を使って、出来るだけ鉄板がボコらない様に切って行きます。とは言え、缶を輪切りにする時はそれなりにボコりま すので、一旦切ったあと、正規の切断面を切る際に丁寧に切る様にしました。また、この作業では缶の断面で手を切ってしまう事があるので、くれぐれも注意が 必要です。

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切断起点と空気穴を電動ドリルで開けて行きます
ハンマーとドライバーでブチ開けるよりはキレイに開きます

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切り口はギザギザになりますので
指を切らない様に注意してカットして行きます

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ラジオペンチを使って、丁寧に縁を折ります
ちなみに、自分は鈑金の経験はありませんw

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余った部分を使って延長用の風防も作ってみましたが
固定の仕方を考えてなかったので、上手く行きませんでした
まぁ、無くても何とかなりそうですw


■出来上がり
   線引きから完成まで、おおよそ所用時間は4時間ほどでした。耳金だけでなくバンド通しも切り欠きを設けたため、上手い具合にスッポリ入ります。自分が発案した訳ではありませんが、上手い具合に納まった時はあまりの出来の良さに作った自分を自画自賛しまくりでしたw
   作例と違い、バンド通しが露出しているので、ストラップを使って飯盒と一緒に風防を結束する事が出来るのがミソです。またツルがいい具合に風防の底辺と合 致するので、背嚢に縛着したりパッキングする時はツルごとストラップで留める事が出来て邪魔になりません。実にスマートな出来映えになりました。
   また、基本的にはこの風防はアルコールストーブと携帯燃料で使う事を前提としていますが、分離型のガスバーナーやガソリンストーブも使える様に、背面底部にフェールラインチューブを通す穴も設けました。
   あつらえたみたいにロ号飯盒にぴったりな風防になったのですが、イタリア軍飯盒やトランギアのメスティンでもいい感じに使えます。また、一斗缶ストーブの様にちょっとした焚き火も出来ると思います。作る手間はありますが、安価かつ入手し易い材料で作ったので、ラフに作って潰しても惜しくないのが良いです。

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ビックリするほどジャストフィットの風防
出来映えの良さに大感動ww

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ロゴスのハンドル付き飯盒でもOK
ハンドルは風防の外に出します

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背面に開けたフェールラインチューブの穴
ガスストーブは足をあまり広げず入れます


■仕上げ
   当初、風防は無塗装で銀色のままにしておくつもりをしていましたが、使っていくウチに焦げて茶色く変色したり錆びたりする事を想定して、耐熱塗料をスプレーしました。結果的にとてもマットブラックなイカす風防になりましたw
   作製した翌日、さっそく外で使ってみましたが、火入れをした直後に塗料から上がる煙が少し出た以外は、全く異状なく使えました。その時は中華製のやっすい ガスバーナーを使ったのですが、強火にすれば火柱を上げるため、中火以下でしか使えない代物だったのですが、風防のお陰で火力を損なう事なく、しっかり 10分で3個の肉まんを蒸し上げる事が出来ました。(この数値は、室内で使用した場合と同じ)

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塗装は3回行いました
いきなり厚塗りするのでなく、薄く噴いて行くのが
キレイに塗装するコツです

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火入れ直後、風防から少し煙りが出てます
その後、熱によって塗装が燃えたり、風防が変形したりする事なく
しっかり風防の役目を果たしてましたw