使う機会は滅多になくても、大抵の人が知っている飯盒。特に兵式飯盒と呼ばれる、例の空豆型の飯盒ですが、どこに売っているか知らない人は意外に多い様です。昔は、登山店やアウトドアショップに大抵は売っていたのですが、最近はこうした店にこそ売ってない事が多い。おそらく、登山で飯盒を使う人が今は皆無だからでしょう。今回は、より良い飯盒の買い方についてのお話しです。

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現在、市販で唯一手に入る国産の兵式飯盒となった
オオイ金属の飯盒


■安い飯盒の落とし穴
   登山店やアウトドアショップから姿を消した飯盒、実はホームセンターのアウトドアコーナーに置いてある事が多いのです。ホームセンターのアウトドアコーナーというと、それなりにキャンプや登山をやってる人から言わせると、値段が安い代わり質も安いという、お試し版みたいな製品が置いてある訳ですが、まことに残念ながら、飯盒はこういった所に売っています。ただし、ここで売っている飯盒というのに、注意点があります。
   というのは、ここらで売っている飯盒は、実売価格で1,500円から1,800円の物が多いのですが、実は中国製です。見分け方としては、飯盒の背の部分に、革通しが付いていません。また、釣り手が飯盒の底にあたって360度回転しません。昔の軍隊みたいに、飯盒を背嚢に縛着する事もまずない事から革通しを省略したとか、釣り手が360度回転する理由が見当たらない、といったところだと思うのですが、それよりも問題なのは、さすが中国製というべきか、造りがチャチで、蓋と本体の噛み合わせにガタが多く、さらには塗装が焦げて禿げ易いという報告もあります。つまり、「安かろう悪かろう」な出来映えです。
   この飯盒を買う人は、安さに惹かれてという人も多いと思うのですが、それ以上に、「それしかホームセンターに売ってない」ために、国産のいい製品との比較も出来ず、中国製をつかまされてしまっているケースが多いと思います。一度使ったら、次いつ使うか分からんといった人が多いと思いますが、安いといっても、500〜1,000円の違いですから、出来れば良い物を買ってほしいと思うところです。

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よくホームセンターで見かける中国製飯盒
メーカーは別でも同じ製品です

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ところどころ、今ひとつな造りで
いわゆる「安かろう悪かろう」といった製品です


■国産の飯盒
   かつて、飯盒が登山を含めアウトドア全般の主力炊具であった時代には、様々なメーカーから飯盒が売られていたのですが、2018年現在、国産の兵式飯盒として流通を当協会が確認できるのは、京都府八幡市のオオイ金属株式会社の飯盒(品番811、812)と、エバニュー兵式ハンゴーのみです。
   エバニューの兵式ハンゴーは、中国製の飯盒の元になったのか、革通しがありません。また値段が定価で3,240円と少々高いです。しかし、カタログには載っているものの、ネットショップを調べると大抵は品切れになっており、入手できない様です。
   オオイ金属の飯盒の方は、オオイ金属から直売はしていないものの、Amazonヤフーショッピング楽天市場等で購入可能です。また、ロゴス兵式ハンゴーもオオイ金属のOEMで同等品です。ちなみに、かつてはキャプテンスタッグもオオイ金属OEMの兵式ハンゴーを販売していて、当協会でも12年にわたって使用していますが、現在は取り扱いを止めた様です。
   ロゴスの兵式ハンゴーは、たまに置いているホームセンターがありますが、大半のホームセンターは中国製の粗製な飯盒に置き換わってしまいました。なので店頭で入手するのが困難な状況です。ただし、ネットショップで入手する事が可能で、送料無料で2,000円前後、もしくは送料入れてその値段くらいで購入する事が出来ます。

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オオイ金属の飯盒の箱

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一時期売られてたフッ素加工の飯盒
これもオオイ金属製でした

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こちらはオオイ金属と同じ形の太田金属の飯盒
今でも、ちょくちょくオークションでみかけます

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昔はカラー飯盒というのもありました
これもときたまオークションでみかけます

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オオイ金属系の飯盒たち
かつてはキャプテンスタッグでも扱ってましたが
今はOEMはロゴスだけです


■国産飯盒を勧める理由
   上記でも少し述べましたが、中国製は国産品に比べて若干安い程度で、出来映えは国産品に比べると見劣りします。材質はペラペラ、蓋はガタガタ、塗装もお粗末です。一回使って捨てるとかならともかく、買えば1,500円〜1,800円はしますから、もうちょっと出して、しっかりした国産品を買ってほしいところです。
   もう一つは、これは心情的な理由です。今の時代、何でもかんでも安い中国製が市場を席巻してますが、明治時代に日本向けに改良された日本の飯盒なのですから、やっぱり日本製を使ってほしい、という気持ちです。何を買おうが各人の自由ですので強制は出来ませんが、値段が安くて性能も良いならともかく、そうでもないのが中国製飯盒ですので、その点においても、どの飯盒を買ったら良いか迷っている人には、当協会は国産飯盒の購入を進めています。
   中国製飯盒の一番の特徴は、革通しがない事ですが、この飯盒が海外のサイトなどで「WW2 Japanese Imperial Army Messkit」と称して売られているのを見かけます。海外の日本兵マニアのリエナクターが、一体どうやって背嚢に縛着するのか興味のあるところです。一般の人は、縛着する機会は滅多にないと思うのですが、当協会では輸送中に蓋が開いたりしない様に、革通しにナイロンのストラップなどを通して蓋を固定したり、バックパックに上手い事付けたりするのを勧めています。あればあったで使い出はありますし、やっぱり雰囲気も大事だと思うので、上記の国産飯盒をお勧めします。

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こちらはかつての谷口金属系の飯盒
国産の飯盒ですが、革通しが本来の目的で使えません

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オオイ金属系の飯盒は、革通しが使えます