February 04, 2012

雙非風暴

heatup (1)
港中大戦、開戦中。





ここのところ個人的にも慌しい日々を過ごしていますが
香港社会はさらに一気に過熱中、ついに沸点を越えました。

2月1日(水) 蘋果日報出稿広告
heatup (2)







香港人,忍夠啦!(香港人はもう我慢できない!)

2月1日、香港最大手一般新聞「蘋果日報」に
香港有志による「大陸批判全面広告」が掲載されました。
実はこれは掲載の少し前からネット上では話題になっていたもので
広告出稿費用は香港大手掲示板の「高登」と「親子王国」で募集。
約800人が実際に出資して、約10万HKドル(約100万円)集まり、
広告出稿が実行されたものです。

大雑把な喩えですが、「高登」は日本で喩えれば2ちゃんねる、
「親子王国」は発言小町とお考えいただくとわかりやすいと思います。
普段は利用層も方向性も異なる相容れない掲示板同士です。
大陸の方向性と大陸観光客の非文明ぶりが許せない「高登」チームと
大陸からの妊婦殺到により産院不足の危機に怒る「親子王国」チームが
「大陸様、もう勘弁してください!」という主旨で手を結びました。

広告出稿が決定すると、今度は広告デザイン。
デザインとキャッチコピーなどは職人が多い「高登」を中心に
いくつかの案が出され、公開検討され決定していました。

「高登」は香港のネット文化をリードしている存在で
影響力が強いです。東日本大震災直後にブログでご紹介した
この歌を作ってくれたのも「高登住民」のアーティストたちです。

2011年3月22日 向福島50人致意
http://blog.livedoor.jp/japanavi/archives/51969971.html

してたんだけどね、メルトダウン。なんか、ごめんね。
でも、戦ってくれている戦士たちへの感謝の気持ち思い出した!
ありがとうございます!(もうすぐ1年・・・)


話戻って!

そして、掲載された批判広告がこれです!

香港人,忍夠啦!(香港人はもう我慢できない!)

heatup (3)























你願意香港
毎18分鐘 花$1,000,000
養育「雙非」兒童嗎?

(香港が18分ごとに100万ドルを使って
「雙非」兒童(※)を育てる現実を受け止めますか?)

※「雙非」兒童とは、両親ともに香港住民ではない子供のこと。
香港居住権を持つ子供を産むためだけに越境してくる大陸人
が多いことを示唆している。



香港人,忍夠啦!
(香港人はもう我慢できない!)

因為明白你們受奶粉所害,所以容忍你們來搶奶粉
(あなたたちが有毒粉ミルクの被害を受けていることを知っているから
香港はあなたたちが粉ミルクを買い閉めることを黙認してきました)

因為明白你們没有自由,所以招待所以來港「自由行」
(あなたたちには自由がないことを知っているから、
香港はあなたたちが「自由行(個人旅行)」で来港できるように
してきました)

因為明白你們教育落後,所以分享了教育資源給你們
(あなたたちの教育が欠落していることをしっているから、
香港は教育資源をあなたたちにシェアしてきました)

因為了解你們看不慬正體字,所以下面用了殘體字
(あなたたちが繁体字を読めないことをことを知っているから、
私たちは以下の言葉を殘體字(簡体字の蔑称)で書くことにします)

「來香港請尊重本地文化,要不是香港你們全完蛋了」
(香港の文化を尊重してください。
もし香港が存在しなければ、あなたたちだっておしまいです)
わたしは簡体字が書けないので、繁体字ですみません!

強烈要求政府修訂基本法24條!
阻止大陸雙非孕婦逃難式入侵香港!

(政府に対し、基本法24条の改正を強く求めます!
大陸雙非妊婦(夫婦ともに香港住民ではない大陸人妊婦)の
香港避難式侵入を止めろ!)


以上、名付けて、「反蝗蟲」廣告。(アンチイナゴ広告)

香港に押し寄せる中国大陸観光客様を
「蝗蟲(イナゴ)の大群」に喩えるようになったのも
確か高登発だったと思います。

この広告は同じように中国に不快感を感じている台湾ネット民の
間でも熱い話題になり、CNNやBCCでもニュースで取り上げられるなど
国際的にも話題になりました。

ただし、香港ではよく使われる「雙非」=夫婦ともに香港居住権を
持たない大陸人を指す=ですが、この単語は台湾等では通じません。
ただ「雙非」だけ見ても、3Pの暗喩(女二人の意味)にしか見えない
らしいです(笑)。この広告の話題で盛り上がってた台湾の掲示板でも
「雙非妊婦」ってどういう意味っ!!!\(◎o◎)/!
と驚いて質問している台湾人たちを見かけました。
要注意キーワードです。


もちろん中国ネット民からは反発も戻ってきていています。

heatup (4)

















「息子(香港)よ、てめーらに金を与えてるのは俺様(中国)だ。
そんな生意気なこと言ってるなら、水や電気止めるぞ、おら!」

(要約)

その日のうちにこんな画像がWEB上にアップされ、拡散しました。
これが強国様目線よ!


最近の「香港 vs. 中国」の構図については
先日このブログでもD&G騒動解説の中で触れました。

2012年1月22日 香港D&G風暴
http://blog.livedoor.jp/japanavi/archives/52066791.html


しかし、この対立は、それで終わってはいなかったのです。

時は、遡ること「D&Gの乱」がまだ収まりきっていない1月17日。
香港観光中に地下鉄内で飲食をしていた大陸観光客に
香港人が注意をしたことで大陸観光客が罵り言葉で言い返し
大口論になった騒動がありました。
これはYoutubeに動画がアップされ、瞬く間に映像が拡散。

そして1月19日。
北京のテレビ番組で、この騒動に言及した北京大学教授が、
「北京語を使いもしない香港人というのは、
英国からの支配に慣れきった犬同類の民族あるよ」と発言。
これまた情報と映像は瞬く間に拡散し、香港は再び大騒動。

heatup (9)







孔慶東 - 香港人是狗!香港係是狗?



次期行政長官候補の英英、唐唐もそれぞれ公式に見解を表明。
ここで「この発言はけしからん!個人であっても発言には責任を持て」
という強く公言した唐唐が支持率アップ!と、政治動向にまで影響。

これに対しては香港政府観光局も
「香港には香港のルールがある。鉄道内では飲食しない、
街では糞尿をしない、守っていただきたい」という発言をしています。

ただ、この大学教授の発言は、ネット上を見ている限りは
中国大陸内でも批判されていました。
彼が中国の気持ちを代表しているわけではありません。
ただこれはどこの国でもそうですが、メディアでの発言は
個人のものでも「代表」のように見られてしまうから注意が必要。

D&G、お犬様騒動。こうしたことが続き、香港市民は一致団結。
こういう時に、すぐまとまるのが香港の特徴。
2月1日の批判広告掲載に突き進んでいくことになるのです。

こうして、「香港狗」(北京命名)vs 「內地蝗蟲」(香港命名)
は表面化、対決がはじまりました。


2012年2月3日 蘋果日報一面
heatup (5)






このまま凄まじい「香港-中国罵り合戦」に発展するかと思いきや、
蘋果日報の報道を読むと、香港高登製作の広告やコピーの
クオリティの高さが、中国の人々の心を打ちもした気配です。
中国大陸のネット民たちまでがこぞって自分たちの居住地に変更し
「廣東人はもう我慢できない!」「北京人はもう我慢できない!」
などと、改造した自国政府批判広告を作ってUP。

heatup (6)














heatup (7)












heatup (8)














なんか違う方向にも盛り上がってきた(笑)!



heatup (11)






現在、中国に対する香港のフラストレーションは
若者層を中心に最高潮まで高まり、沸点を超えました。
最近は少し、「嫌いなものは嫌い!嫌なものは嫌!」的な
感情論にもなりつつあり、かなりヒートアップしていますが
この行方、温かい目で見守っていただければと思います。
これは香港という独特の歴史と文化を持つ都市ならではの
出来事だと思うから。

英国領香港時代からはじまり、香港と中国の間柄は複雑です。
現在の香港は確かに中国ですが、
喩えてみれば「西洋育ちで中国には全くいなかった子供」です。
生まれてすぐに英国に養子に出され、そういうものだと受けとめ、
その中でアイデンティティとしての中華文化を大事にしながら成人。
その後、望んだわけじゃないのに中国に連れ戻され、
「さあ、我々が産みの親だよ」と言われても適応することはできません。
そして、自分が海外育ちで教養の高いエリートだということを
知っていて、出生一族を少しコバカにもしています。
親のほうにしてみても、ずっと海外に離れていた生意気な息子を
どう扱っていいのかわからないのでしょう。苦々しく腹立たしいことも
多々あれど、国際的な息子のブランド力が自慢でもあり、
時には譲る姿勢も見せつつ、他の家族とはちょっと異なる特別扱い
をしているように見えます。ただし、自分の目の届く範囲で。
息子は、田舎の成金のような産みの親に嫌悪感さえ感じています。
何かあるたびに、もしくは粗を探して、どの国よりも公共の場で
親を糾弾し、徹底的に非難し、抗議することが多いのも息子です。
ですが、やっぱり家族なので世界中が親を称賛するような出来事が
あれば内心誇りに思い、世界中(中華圏以外)から大きく批判
されることが起きると、場合によってはちょっとかばいたくなる気持ち
が湧き上がってくることもあります。
ともかく、息子には息子の世界があり、守りたいものがあります。
このような関係性にある親が自分たちの権力を使って、
息子の世界へ侵入し築いてきたものを壊そうとしている。
そう感じるからこそ、こういう拒絶行動に出るのだと思っています。
他の国に対して、香港はこんなことはしません。
中国側が実際にどう思っているかはわかりませんし
香港の中から見ているわたしの私見ではありますが、
香港と中国の間柄をこんな関係性だと感じています。


こんな騒動になっていながら、
大陸から香港への自由行(個人旅行)の次段階では
「自家用車で来られる」という規制緩和が予定されています。

市民を殺す気か!(轢かれることへの恐怖が追加される)

ということで、また大騒ぎが予想されます。

観光客による車での往来緩和は
右側通行か左側通行かも違うし、交通ルールも認識も違うし、
確かにかなり危険が伴いそうです。


ま、そんな感じです。今年は色々ありそうです。


余談ですが、今日1枚目の写真は尖沙咀の金馬倫里「通利」の裏手。
香港映画「PTU」で尋問されたチンピラが暴行された場所のロケ地。
闘いの現場イメージで載せてみました、マニアックです(笑)



それはそうと、こんな風に香港がヒートアップしている中、
日本にはものすごい大寒波襲来中のようですねー!

「日本海側大豪雪」、それは香港でもニュースになっています。

そんな最中、

ジャパナビ撮影隊、龍年日本ロケ開工!いえーーーーーい!

いつもながらタイミングいいです。

日本海側、向かいます(笑)

今度の舞台は豪雪の能登半島!!!

北陸ロケへ出発です!



さて、
今週2月5日(日)ATV WORLD 18:25〜オンエアのジャパナビは

前半は、【三重観光編】「鳥羽市」 現役海女さん登場!
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セーマンドーマン!
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後半は、【熊本観光編】「熊本城」 加藤清正公ご登場!
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今週も、ぜひ番組オンエアご覧ください。よろしくお願いします。
HPでの映像配信は日曜日のテレビオンエア後に更新されます!

香港製作「JP TIME TV/日語大放送」 ==Enjoy Japan!==
Sun(日) 18:25~ on ATV WORLD/亞視國際台
Sat(土) 20:00~ on ATV HD/亞洲台
Sun(日) 10:00~ on ATV WORLD/亞視國際台

テレビでは見られない方も、番組HPでは24時間放送映像配信中。
毎週日曜日、日本時間20時頃更新。次回更新は2月5日です。
毎週見てね!

番組HP: www.jptime.tv

放送週以降の放送映像もHPバックナンバーページで視聴可能です。
http://www.jptime.tv/common/back2012.html


では、完全防寒で行ってきまーす(明日から)。Flying to 北陸!


japanavi at 10:25│TrackBack(0)

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りえ

2000年〜香港移住。

香港永久居民。

香港TVタレント(電視節目主持)

日本夜景応援大使

関西観光大使

座右の銘は「芸人魂」「騎牛搵馬」

香港最長寿の訪日観光番組、香港地上波Viu TV「日本大放送 Go!Japan TV」レギュラー出演中。


「日本大放送 Go!Japan TV」

*Viu TV 99ch
毎週日曜日11:30放送!
*2012年からは台湾,シンガポール,中国等でも放送開始!


*番組ホームページ
www.jptime.tv


2012年11月番組オフィシャル中文月刊誌「Go! Japan」創刊!
毎月5日香港全域のコンビニエンスストアや新聞スタンドで発売です!20ドル!


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