July 02, 2012

回歸十五年:你聽到嗎?

2012-7-1 (1)
7月1日。中国返還15周年に、
市民40万人が民主デモパレード。





ここ数日、香港では色々な大きな出来事がありました。
まずはそのはじまりまで、時を遡ります。

2012年6月29日(金)

台風熱帶風暴「杜蘇芮」(Tropical Storm DOKSURI)
とともに、胡錦濤国家主席がご来港されました。
7月1日の香港の中国返還15周年式典に出席するためです。

胡錦濤様謁見のため、香港駐在人民解放軍が結集したのは
香港郊外にある石崗。

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わたし、たまたまその胡主席の人民解放軍視察生中継を
見ていましたが、釘付けになってしまいました。
面白いから、蘋果さんが報じてた動画ニュース貼っちゃう。




胡主席:同志們好〜〜〜〜〜〜!!!

解放軍:首長好〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

胡主席:同志們辛苦了〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

解放軍:為人民服務〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

解放軍:敬禮〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

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すげえ。。。。。。。

なんだこれ。。。。。面白い。。。。。。

女性の声(01:24)、ひっくりかえっちゃってるし。。。。。。


っていうか、香港じゃないみたい。


ところで、皆様!
香港駐在の人民解放軍は厳選されてるそうですわよ!
ごらんください!


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全員身長がほとんど同じなのですwwwwww

ニュースで言ってました。
たぶん香港駐在は軍人用途ではなく、世界で注目される
式典とかのパフォーマンス用途だから見た目で選ばれている模様。


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さて、胡主席が石崗で

「同志們〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

とか叫んでいたその頃。


かたや主席ご宿泊ホテル及び返還記念式典が執り行われる
湾仔コンベンションセンターには、最高厳戒態勢を突破した
「平反六四車」(天安門事件の再評価を!車)が登場。

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慌てる警察。

どっから入ったwwwwwwwwwwwwww

もう面白すぎるんだけどwwwwwwwwww

李卓人議員、乗ってるしwwwwwwwwwww (支聯會主席)


この「同志們〜〜〜〜〜〜」と「平反六四車」の
ふたつの映像が前後して繰り返し報道されるテレビニュース。


さあ、香港の熱い七月がやってきた!


中国と香港って面白いなと思う。
こういう場ではお互いに「表面的」に素晴らしい発展と関係を称えあい、
作り笑いで塗り固められたそんなやり取りを冷めて見ている香港市民。


ここで台風の話にも触れておきましょう。
この日、胡錦濤国家主席とともに香港に上陸した台風トクスリ。
当初トクスリが香港直撃で7月1日の返還記念日が大荒れになる
という予報も出ていたのですが、威力が弱く、「直撃してもたいしたこと
ないみたい」という予報にかわり、速度がスピードアップするとともに
進路も香港直撃ルートから少しずつずれていきました。
とはいえ、6月29日の日中にシグナル3発令。
夜更けに風雨が強まり、シグナル8にあがったと思ったら
まだ雨足は強いのに6月30日の未明にはシグナル3に下がりました。
台風シグナル8が発令された香港は、安全保護のために
都市機能が停止し、基本的に全市民が自宅待機となります。
胡錦濤国家主席様が香港視察をされる日に、
街が機能してないなんてありえないですね。
なんとなく、政治的な動きでした。
空回りしてあっさり去ってくれたトクスリさんに気象関係者の皆様も
さぞ感謝されたことと思います。


2012年6月30日(土)

事件発生です。

香港を視察中の胡錦濤国家主席に
隔離された記者エリアから蘋果日報記者が声を発しました。

「胡主席!港人望平反六四 你聽到嗎?」

(胡主席!香港人は「平反六四(天安門事件の再評価)」を
求めていますが、聴こえていますか?)


と大声で質問したところ、警察に連れ出され、15分間拘束。

記者陣に取り囲まれた警察官が明かした拘束の理由は

「声が大きかったから!」

理由になってない。香港人はいつも声大きいわよ。


香港警察は中国の公安か?

香港の報道の自由が脅かされている。



この出来事は瞬時に香港中のテレビ・新聞・ネットメディアで

一斉に報じられました。

ここはやっぱり蘋果さんの動新聞でどうぞ。
ちょっと長めの動画なので、雰囲気だけ流し見ででも。




蘋果日報さん、誰もやらなかったことをよくやった!と思います。

主席が質問に答えても話題になる、
答えなくても話題になる、
拘束されても話題になる。

外ではデモ隊が平反六四を訴え続けていますが
主席はそんな「街の声」からは隔離されています。
だから、聴こえているかどうか質問したのです。

記者は質問しただけ。それが仕事だから。

さすがは蘋果。うまいです。

そして蘋果日報の記者さんは、
蘋果日報と志を同じにしているんだな・・・
と改めて思った出来事でもありました。

6月30日夕方。

李旺陽さん不審死の真相究明を求めて
80年代生まれ中心チーム(香港の民主デモには
それぞれテーマがあり、主催もそのテーマごとに
異なることが多いです)が
湾仔コンベンションセンター周辺でデモ活動をおこない、
警察と衝突。

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この水馬(ソユマー)と呼ばれるバリケードが以前登場したのは2005年。
WTOに反対する韓国の超過激デモ隊が香港に上陸して大暴れ、
最終的に機動隊が出動する騒ぎに発展した時にも使われたもの。

2005年当時、韓国発の「本物のデモ」に香港が受けた衝撃を
伝えている香港在住りえさんのブログがこちらです。

第一報:水馬登場
http://blog.livedoor.jp/riehk/archives/50300032.html

第二報:機動隊出動
http://blog.livedoor.jp/riehk/archives/50310826.html

最終報:衝撃が残したもの
http://blog.livedoor.jp/riehk/archives/50322469.html


報道やネットなどでは、今回再登場したこの水馬が
香港警察の「最高厳重警備の象徴」のように扱われていました。


【画像追加挿入】

なお、水馬による厳戒態勢を如実に表した最たるものが、これです。

香港警察が作った6月30日の湾仔デモ用開放エリアです!!!



demo





















この中に入れとwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

これはコメディなのでしょうかwwwwwwwwwwwwwww


フェイスブックでも秒速でシェアされていったこの写真は、

「ああこれ、中にいっぱいのボール入れたら、

子供が遊ぶのにちょうどいいよね」


とか言われてました。ボールプールw



この日は通り過ぎた台風トクスリの影響で、
晴れ間と大雨が繰り返される不安定な天候だった香港。

混沌とした中、香港は中国返還から15回目の7月1日を迎えます。

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日付が変わった頃、7年間の任期を終えた
曾蔭権・蝶ネクタイ行政長官が公邸を出ました。
最後まで色々ありましたが、おつかれさまでした。


2012年7月1日(日)
回歸十五周年


晴れました。

午前中、回歸十五年を祝う香港政府の式典。
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そして、新行政長官として梁振英氏が就任。
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毎年、この7月1日の香港らしさが現れるのが午後。

残念ながら、お忙しい胡錦濤国家主席は午前中の政府式典が
終わったらご帰国されてしまいましたが、香港の本当のパーティーが
はじまるのはこれからです。

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銅鑼湾ビクトリアパークに集まり、中環の政府總部まで歩く
一般市民参加民主デモパレードで中国返還記念日を迎えるのが
香港スタイル!

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七一大遊行(7月1日民主デモパレード)です。

毎年、集合地点のヴィクトリアパークから、
順次訴求テーマのグループごとに出発していきます。
どこの団体と一緒になって歩いても、適当に歩いても自由。

銅鑼湾(先頭グループが15:00出発)〜湾仔〜金鐘〜中環

と歩くので、始点のビクトリアパークではなく、
途中からの合流参加も多いです。

もちろん、途中まで参加して途中で脱落する人も多いです。

別に最初から最後まで歩かないといけないわけではありません。

毎年ビクトリアパークから出発すると中環の政府總部(今年は
新政府總部)に着くまで歩いてだいたい2時間半かかるのですが、
今年は暑い上に参加人数が多すぎて大変でした。

15時すぎに出発したわたしでも、17時すぎにまだ銅鑼湾入口!!
(普通に歩いたら10分程度の距離)

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動かない!

つ、つらい・・・。

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2012年の七一デモ参加人数、40万人。(主催発表)

40万人のパワー。

そもそも先頭チームが公園を出てから、
最後尾チームが出るまでにも「4時間」かかったらしいです。

わたしは出演番組の【東北ロケ】が終わって気が抜けたのか、
先週夏風邪をひいてしまって、やっとデモに参加できるまで
復活させたという体調だったので、今年はほどほどで脱落。
こんな混雑の中で無理して倒れて運ばれるのだけは避けなくては。
支持する各団体などへの寄付もできたし
(募金ブースはビクトリアパークから銅鑼湾にかけて集中しています)
今年も参加することは出来たので、このくらいで我慢です。


今年は日本でも大規模デモが大きな関心事となっているところに
香港で40万人が参加という大規模デモがあったためなのか、
日本でも意外と多く報じられてるみたいでちょっとビックリしました。

ただ、日本で「嫌中デモ」とか「中国の民主化を求めるデモ」とか
報じられているニュースには違和感もあります。
間違っているわけではありませんが
この香港の七一大遊行は今年突発的におきたデモではなく、
2003年から毎年この日に行われるようになったデモであり
中国に何かを求めるものというよりも、
「香港が香港であるための香港人によるデモ」だからです。
(※胡錦濤国家主席滞在中の6月30日に湾仔であったデモは、
李旺陽さん不審死の真相究明を中国に求めることをテーマ
とした別のデモです。)

「民主と自由」という軸は毎年ぶれないものですが
「言論の自由を守るため」だったり、
「行政長官の辞任要求」だったり、
「完全普通選挙要求」だったり、
メインテーマとなる追求ポイントは毎年変わります。

去年は約21万人が参加しました。

去年の七一大遊行。
http://blog.livedoor.jp/japanavi/archives/52007685.html

今年のブログではデモの雰囲気にはあまり大きく触れていないので
関心のある方は、一昨年などドンドン遡って7月1日のブログを
見てみてねー。右側--->にある日付からバックナンバーが見られます。
香港の七一大遊行は、子供連れ家族や学生グループの参加も多く
とても平和的で明るいです。香港市民の政治への参加意識の高さや
関心の強さ、その「当たり前さ」を大きく感じることができます。

デモへの参加人数の多さは不満の多さでもあるので、
多いほど良いことではないのですが、何か政治や政府に不満があるとき
方向性が間違っていると思うとき、一人一人が行動で表すことで
「変えることができる」という民意の力を個々が信じ、表現する場がある、
そして「大切だからこそ自分たちが変えよう、守ろう」と思って団結する
ということを素晴らしいことだと思います。
与えられたものではない、それが本当の「民主政治」なんじゃないかな。


今年のデモの大きな(多数の市民が関心を持っていた)テーマは

(1)=香港の自由と尊厳を守る=
「港人治港」(香港は香港人が治める!)
「梁振英下台」(新行政長官、辞任しろ!)

(2)=天安門事件の追求=
「李旺陽さん不審死の真相究明を!」
「平反六四」(天安門事件の再評価を!)

の2つだと思いますが、メインテーマは(1)の「香港」だと思います。

行政長官に至っては就任して数時間しか経ってないのに
「下台(やめろ)コール」されてるのもどうなのよw
とも思うけれど、民意で選ばれたトップではないので
こういうこともあるのです。
っていうか、就任前から「下台!下台!」って言われてる。


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中国の活動家、李旺陽さん不審死(今年6月6日発生)のことは
日本ではあまり知られてなさそうですが香港は大きな衝撃を受けました。
日本の大手メディアは天安門がらみなど人道的な中国の暗部までは
そんなに追いかけて報道しないですよね。
この話は長くなるので、機会があればまたその時に。
いやいや気になるしって方は、ネットなら日本語記事も見つかると思う
ので、検索してみてください。キーワードは「李旺陽」。他力本願!
香港では毎年6月4日に大規模な天安門追悼集会があることもあり
どちらかというと「香港」にフォーカスする七一デモの時に天安門事件
のことが前面に出ることはそれほど多くはないのですが、
今年は【六四追悼集会】のあとに暗殺と思われる李旺陽さんの不審死が発生したため、継続して大きな追及テーマとなっています。


それから、今年は報道記者協会も参加していました。

「報道記者は中立の立場であるため、
これまではデモには参加しない方針でした。
ですが、もう、私達は我慢できない!」

銅鑼湾で、こう記者協会の方が街頭演説していました。

前日の香港警察による蘋果日報記者拘束事件を受けて、
「香港の報道記者と報道の自由が弾圧されている」ということで
関心を持った世界中の報道メディアも今年のデモ取材に来たそうです。

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社会記録協会(主にデモなど民主活動を記録に残し続けている
組織)のブースでアルパカのぬいぐるみ買いました!
だってかわいいんだもん(笑)

アルパカは中文で「草泥馬」というんだけど、
「草泥馬」の発音が北京語の罵り語に似てることからの登場。
カワイイだけじゃないのだよ。

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草泥馬と河蟹。
河蟹については、2010年に【ここ】で紹介。


それにしても今年の7月1日には、
英国領香港時代の旗が本当にたくさん翻っていました。
返還記念日に返還前に使われていた港英旗が掲げられる皮肉。

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決して手放しに植民地時代が良かったと思っているわけではなく
「長い年月で香港が築いてきた香港文化」を制圧しようとしているか
のような中国に対する痛烈な皮肉でもあると思います。


そして、新政権が発足した日に、
前政権時代をはるかに上回る
40万人市民デモがおこなわれる皮肉。


(2003年と2004年7月1日の50万人デモは前々政権時代。
このデモは国際的にも大きく報じられ、香港の民意に押される形で
当時の行政長官、董建華氏は2005年3月に辞任しました)


2012年7月1日。
民主デモに参加して歩く40万の市民の波は夜21:00まで続き、
20:00に始まった「中国返還万歳花火」がビクトリア湾を
真っ赤に染めている間も、まだまだ多くの人が歩き続けていました。
その状況は、すごく「香港の今」を象徴している気がしました。

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写真:Yoyo Sham 岑寧兒さん from facebook


20時頃にゴールの政府総部に到着した人々は真正面に上がる
花火に向かって粗口(罵り言葉)言いながら盛り上がっていたようです。
それも楽しそうw


では40万人の迫力、7月2日の蘋果さん動新聞でもごらんください!

その1



その2




人口、710万人。

新政権発足の日に、40万の市民が団結して異議を訴える香港。

その中には、1997年以降に生まれた青年たちも多く含まれていました。

これが中国返還15年目を迎えた

2012年7月1日の香港の現実で、香港の真実です。

ここ数年、香港社会のひずみと問題は大きくなる一方で

香港市民に広がる鬱屈した思い、不信感、危機感は増大しています。


你聽到嗎?


7月2日の蘋果日報一面。
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こうして戦い終わった香港戦士たちには、
その後戦い疲れて眠りに付くのではなく
再び熱い戦いが待っていたのです。





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ユーロカップ2012、決勝戦w

多くの人が見てたはず。だって、それが香港だから!

テレビも新聞もネットもデモの話題一色だった昨日、
この時間だけはネットがサッカー一色になってました(笑)
スペインの連覇、すごかったねーーーーー!!


明けて、

2012年7月2日(月) -返還記念日の振り替え休日-

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ビクトリアハーバーでの国際ドラゴンボート大会開催。

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横浜チームのみなさまと!!いえーーーーーーーーーーい!
今年は日本勢の入賞はなかったけど、
横浜、長崎、沖縄チームのみなさま、おつかれさまでした!


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ビクトリアハーバーを、龍が飛んでいきました。
香港は、今日も香港です。

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りえ

2000年〜香港移住。

香港永久居民。

香港TVタレント(電視節目主持)

日本夜景応援大使

関西観光大使

座右の銘は「芸人魂」「騎牛搵馬」

香港最長寿の訪日観光番組、香港地上波Viu TV「日本大放送 Go!Japan TV」レギュラー出演中。


「日本大放送 Go!Japan TV」

*Viu TV 99ch
毎週日曜日11:30放送!
*2012年からは台湾,シンガポール,中国等でも放送開始!


*番組ホームページ
www.jptime.tv


2012年11月番組オフィシャル中文月刊誌「Go! Japan」創刊!
毎月5日香港全域のコンビニエンスストアや新聞スタンドで発売です!20ドル!


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