2020年11月

2020年11月27日

「楽しむこと」その１

いよいよカンボジア入りが近づいてきました。

私は先日まで山梨県の牧丘病院にお世話になっていたのですが、この準備期間に感じたことは牧丘の自然にどれだけ癒され、牧丘の人たちの愛にどれだけ救われてきたのかでした。

海外事前研修で吉岡先生は楽しんだらいい。と言いました。
話を聞きながら私は牧丘でのひとときを思い出しました。
それは、末期がんを患ったMさんとその家族さんと過ごした時間です。

Mさんは軽い頭痛をきっかけに脳腫瘍、肺転移がみつかり数カ月でみるみる状態は悪化していきました。娘さんは治療の効果があまり現れないのならせめて本人の“家に帰りたい”を叶えてあげたい。と在宅療養を希望し医大から牧丘病院へ転院されてきました。

入院時アナムネを取っていると娘さんからはもっと本人がわかる前に帰してあげたらよかった、本人の嫌がる手術を受けさせなければよかったとこれまでの後悔を語られました。

病状の変化は大きくどのような経過を辿るのかなんて誰にも分かりません。娘さんが自分を責めることはないのに。。と思いつつ、これ以上後悔を残して欲しくないと思いました。

主治医の先生も同様の考えでひとまず家に帰そう！と入院した2日後には退院し2泊3日を家で過ごしました。この急なプランにもソーシャルワーカーさんやケアマネさんは即座に対応し必要最低限の支援を揃えてお家に帰ることができました。

1回目の家での生活は特に大きな問題もなく、Mさんの表情も良く娘さんからは「こんなに早く家に帰すことができて驚きました。」と嬉しそうに話してくださいました。

私も入院時に2日後の退院が決まったときはすごく驚きましたが、それを誰も反対せずそれがベストだと思いみんなが素早く動けているのは牧丘ならではのチームワークだなと思いました。

その後3週間程の入院を経て2回目の退院になりました。
退院数日前よりMさんの状態は悪化し嘔吐・下痢、食事摂取もできなくなってきました。このことを主治医よりご家族さんに話し、

「何かあっても最期はうちで。。」

と覚悟を持ってお家に帰られることを受け入れられました。

この続きはまた後程

54期生　うめちゃん

2020年11月25日

早送りの一カ月

カンボジアに来て、早くも一カ月近くになりました。ミッションが一カ月続いたこともあり毎日があっという間に過ぎ去っていきました。

カンボジアは今、雨期も終わり、ほぼ毎日晴天続き。雨期の間はかなり湿気も多くどんよりした毎日でしたが、今は洗濯物もすぐに乾きます。

毎日暑くて、こちらに来てから半袖しか着ていません。
扇風機を2台使いでそれなりに快適に過ごしています。

ただそろそろ日本食が恋しくなってきました。時々病院の給食センターでも朝食に味噌汁が出るのですが、それが美味しくて美味しくてたまりません。具はスタンダードなわかめです。しみ込みます。やっぱり御出汁だよなと心底思います。でも、クマエにはあまり味噌汁は人気がないようです。

食事や暑さ、疲労の影響もあるのかお腹を壊すことが多くなりました。これまた人生で一番の腹痛と下痢に悩まされ、しばし食事もできませんでした。
研修生の皆が心配してくれ、熱を測ってくれたりポカリスエットを差し入れてくれました。

やっぱり誰かと一緒は安心します。
心強いです。
励まされます。
日本語での会話のありがたさ。

この時間を大切に過ごしていきます。

55期生　C.K

2020年11月23日

奄美大島での活動start

10月26日島入り（奄美大島）晴天で気温も高く、地元とはずいぶん違うと空港に降りたつと感じました。

メールでのやり取りだけだった病院の総務の方はどんな方だろう？オンラインで顔しか知らない同期の方はどんな方かなとワクワクドキドキしながら皆さんの待つところへ。　

メールでの印象と変わらず優しい方でホッとしました。一足先に到着されていた同期の方も優しい笑顔で迎えてくれました。
病院の総務の方に島内の説明を受けながら寮へ、途中見える海の美しさに感動！！

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僻地医療ということで不便さをイメージしていましたが、私の勤務する病院の近くには徒歩圏内に色々なお店が揃っていて驚きました。自宅より便利かも？と思うほどでした。
また、島の人の優しさにも感動！信号のない横断歩道に立っているとどの車もすぐに止まり渡らせてくれる等々

11月2日よりいよいよ仕事スタート
1日目　オリエンテーション　忙しい時には省略されるところも落ち着いていて説明して頂けました。
2日目からは教えて頂きながら担当業務を
NCPRの勉強会を15分ですが週3回もされており小児科医のいない病院だけにスタッフ教育にも力を入れられていると感じました。海外でもとても重要な事なのでありがたく感じています。

まだ3日ですが病院のやり方を覚えるだけでなく、私は10年以上電子カルテからも離れており覚えることが多く頭がパンクしそうです。
RIKAjob、結いの島ナースの先輩方が多く、色々教えて頂け心強いです。若い方々ですが様々な経歴、今後の夢などをお持ちでお話がとても興味深い物でした。

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今は慣れることに精一杯ですが、少しずつでも島の人の生活、島の人の特性、島の医療の特徴なども理解できればと思います。

また、島ならではの美味しい物を食べたり、観光もできればよいと思います。

国際助産師研修3期生　佐々木

2020年11月21日

＜ありがとう対馬＞

先日、対馬での国内研修を終え、
一年ぶりに地元に戻ってきています。

ありがとう対馬①

対馬での生活は

買い物にいくのも一苦労、だからこそ買い忘れがないように準備して慎重に選んだり、お裾分けで助け合う温かい繋がりにほっこりしたり

飲みに行くのも一苦労、だからこそその一回一回がとっても嬉しくって、ビールも増し増しで美味しく感じたり

友達に会うのも一苦労、だからこそその時間を最大限楽しもうと思えたり

物が少ない、だからこそ本当にやりたいことや必要なことに気づけたり、ひとつひとつに感謝の気持ちが芽生えたり

シンプルな生活だからこその豊かさがあって、丁寧に生きられる場所でした。

美しい自然と美味しい食べ物、そして温かい島民のみなさまに囲まれて過ごした１年間はとっても幸せでした。

患者さんの人生に、より近い存在として寄り添える地域医療はとてもやりがいがあり面白さを感じました。
そして、海外研修に繋がる、限られた人材・医療資源の中だからこそ身に付く力をエネルギッシュな島ナースの方々から学ばせて頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。

ありがとう対馬②

最後に
「何か新しいことを始める時、他で成功したことが、通用するとは限らない。まずは、その土地のことを知ることが大切。」

これは師長さんとお話をしたときに改めて感じたことです。対馬では本州から医師が来ることが多くあります。そのお話のなかでは、在宅での看取りに力をいれてくださった先生がいましたが、そのやり方は定着しなかったとの内容でした。

なぜなら、対馬で暮らす患者さんのご家族(介護者)のほとんどが本州にいるなどで最期の時を在宅で過ごされる方が少ない現状があるからです。

同じような集団にみえても、実際は異なる点が多く、様々な視点でその地をみて、現地の人々の思いを聞いて、状況を把握していく必要があることを学びました。

ありがとう対馬③

今後も、まずはその地を知ることを忘れずに過ごしていきたいと思います。

５５期 y.y

2020年11月13日

＜tsushima＞

下記ブログは、半年前、離島活動を行っていた研修生が書いたものですが、コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言、海外渡航制限による海外研修の延期などの混乱から提出ができないままとなっていたものです。
現在、このブログを書いてくれた研修生は無事にカンボジアへ渡航することができました。
半年前のブログですが、掲載させていただきます。
（ジャパンハートグローバル人材育成事業）

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対馬に来させて頂いてからあっという間に半年以上が経ちました。

予定では今頃、ミャンマーについていたのだな…と、寂しさと心のどこかで少しほっとしている自分を感じながら、新緑に包まれた穏やかな海の前でブログを書いています。

紅葉が始まる頃に来島し、風が痛い冬を越え、島中に咲く桜に癒され、これから夏を迎えようとしています。３つの季節を過ごした今、これまでの日々を少し、振り返ってみようと思います。

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　私はこれまで病院で最期を迎える場面に立ち会う機会がほとんどありませんでした。
今回、配属された場所ではターミナル期の患者様も多く、病院で最期を迎える方がいらっしゃいます。

本人は、「家に帰りたい」と思っていても、ご家族が本州で働いており介護が困難であったり、医療ケア度の高い患者様の受け入れができる施設やホスピスがなかったりと、ご本人様が望む最期に寄り添うことが難しい現状があります。
白い壁に囲まれた部屋で、静かにその時を待つような状況を見たときに、切なく、もやもやした気持ちになる日々が続いていました。

そんな時、ある患者さんとのたわいもない会話からある１冊の本の話になりました。
そして患者さんはこう言いました。
「対馬にもホスピスがあったらいいのにね。みんな最後つらそうだもんね。父はお酒もたばこも好きだったけど、入院しているとダメとしか言えなくて、それがずっと、こう、残っているのよね。」

これを聞いた時に、自分の中ではすーっと整理がついたように感じました。ご家族も苦渋の思いで、患者の最期を病院で迎えることを決断していること。できる限りのことを患者にしたいと思っていること。もちろんそれぞれの患者・家族の状況によりますが、最大限患者・家族の思いを把握し、それに沿った方法を一緒に考え、ご本人も残されたご家族も穏やかな気持ちになれるように関わっていきたいと思っています。

　患者さんと医療者の人生も生活も近い対馬は、ほっこりする瞬間が度々あります。一番すきな瞬間は、スーパーやレストランで、退院した患者さんが元気そうに過ごしている姿を見られる時です。

「元気になったんですよ！だいぶ自分で動けるようになって。手厚くやって頂いて、ありがとうございました。」と声をかけてくれる方もいらっしゃいます。

　病棟ではスタッフの家族・同級生が入院してきたり、患者様同士が同級生だったり、兄弟だったり、たとえ知り合いでなくでも入退院を繰り返し顔なじみになったりと…ナースステーションではよく「なんだか家族みたいだね」という言葉が聞かれます。

ある認知症の患者さんは１回目の入院では、不穏が強かったのですが、２回目ではスタッフの顔をみて穏やかになる様子があったりします。患者さん同士でお話をして、とってもいい表情をされている場面もあります。島全体が大きな家族のような、とっても温かい対馬がどんどん好きになります。

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せっかくのチャンスなのでもっともっと島のことを知っていきたいと思います。研修が予定通りに進んでいたら、きっとみることができなかったであろう初夏の対馬を静かに楽しみながら日々過ごしています。

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