トラベルクリニック海外渡航者センター     品川イーストクリニック

海外渡航・出張・旅行・留学を予定している方へ、世界各国の感染症情報や流行っている病気などをいち早くお届け。トラベルクリニック渡航者センター品川イーストクリニックでは、海外滞在を快適に過ごせるよう健康面から皆様を応援しております。

 麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって起こる病気です。空気感染、飛沫感染、接触感染によって、人から人にうつります。その感染力はウイルスの中で最も強く、麻しんを発症している人と同じ部屋にいるだけで(空気)感染することがあります。また、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、肺炎や脳炎などの重い合併症を起こすこともあります。

 欧州疾病対策センター(ECDC)から公表された情報によりますと、ルーマニアで麻しんの流行が発生し、2017年5月5日までに、死亡者25人を含む患者5,290人が報告されました。国をあげてワクチン接種活動が実施されているものの、患者の報告が続いています。これまでと現在のルーマニアでの流行に関連して、ヨーロッパの他の国でも患者が増えています。ルーマニアに加えて、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、チェコ共和国、デンマーク、フランス、ドイツ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ポルトガル、スロバキア共和国、スペイン、スウェーデンからも、患者が報告されています。
*各国の発生状況については、原文でお確かめください。

 麻しんは予防接種で予防することができる病気ですが、予防効果を確実にするためには、2回の接種が必要です。海外の麻しんの流行がみられる地域へ渡航する前には、母子健康手帳などで、予防接種歴を確認してください。麻しんに罹かったことがない方で、麻しんの予防接種を受けたことがない方や1回しか接種していない方、または予防接種を受けたかどうかがわからない方は、渡航する前に、早めに医師に相談してください。





厚生労働省検疫所 FORTHより

麻疹の予防接種について詳しく見る

 HIV /AIDSは、世界で最も大きな公衆衛生上の課題の1つです。特に、低所得国および中所得国では大きな課題です。

 最近、抗レトロウイルス療法(ART)の利用環境が向上したことにより、HIV感染者は以前よりも長くより健康に暮らしています。さらに、ARTがHIVの感染を予防することも確認されています。

 2016年半ばまでに、世界で1,820万人(1,610万-1,900万人)がARTを受けるようになりました。2015年の時点でHIVに感染している3,670万人のうちの46%(43〜50%)しかARTを受けていませんでした。

 母子感染の予防と撲滅、母親の生存の維持にも進展が見られました。2015年には、HIV感染者10人中8人(110万人の女性)が抗レトロウイルス薬(ARV)を受けました。

 WHOは、一連の基準となるガイドラインを発表し、各国で必要されるすべての人々に対してHIVの予防、治療、医療支援および生活支援のサービスを向上させるとともに、規模を拡大させるための政策と策定した計画を実施できるように支援しています。

 このファクトファイルは、この病気に関する最新のデータ、および病気の予防法および治療法などの情報を提供しています。

事実1:HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、免疫系の細胞に感染します。
 感染は、免疫系を持続的に悪化させ、感染や他の病気から身体を守る能力を破壊します。AIDS(後天性免疫不全症候群)は、HIV感染の最も進んだ段階を示し、20を超える日和見感染症(のひとつ)または関連する癌の発生によって定義されます。

事実2:HIVにはいくつもの感染経路で伝播します。
 HIVは以下のような経路で伝播します。
・予防していない性交渉(膣または肛門)や感染者とのオーラルセックス
・ウイルスで汚染された血液や血液製剤の輸血、また、ウイルスで汚染された組織の移植
・ウイルスで汚染された注入器材および溶液(針、シリンジ)、また、入れ墨の器材
・ウイルスで汚染された外科用器材やその他にも鋭利な器具の使用
・妊娠、出産、授乳中の母親からその赤ちゃんへの感染伝播

事実3:HIV感染を予防するにはいくつかの方法があります。
 HIV感染を防ぐ主要な方法は以下のとおりです。
・コンドームの使用など、安全に性交渉を行う。
・HIVを含む平行感染を予防するために、性行為感染症の検査と治療を受ける。
・薬物注射を使用しない。もし使用するとしても、常に無菌の注射針とシリンジを使用する。
・必要とされる如何なる血液や血液製剤もHIV検査を受けていることを確認する。
・もし、この処置への介入を促進している14か国のいずれかに住んでいるときには、自発的に男性包茎手術を利用する。
・自分自身の健康や、性交渉の相手、薬物を使用しているパートナー、(妊娠中や授乳中の場合には)胎児や乳児にHIVが感染することを予防するために、できるだけ早くHIVの抗レトロウイルス治療を開始する。
・ハイリスクの行動に関わる前には曝露前の予防投与を行い、職場環境と職業外環境ともにHIV感染と接触した可能性がある場合には、曝露後の予防投与を要求する。

事実4:世界中で3,670万の人々がHIVに感染しながら生活しています。
 2015年に、世界では約3、670万人(3,400〜3,980万人)のHIV感染者が生活しています。そのうちの180万人(150〜200万人)が子どもでした。HIV感染者の大半は、低所得国と中所得国で暮らしています。2015年に、新たにHIVに感染した人は約210万人(180〜240万人)でした。これまでに、HIV関連の原因で約3,500万人が死亡しており、2015年には110万人(94〜130万人)が死亡しました。

事実5:抗レトロウイルス薬の多剤併用療法(ART)は、HIVが体内で増殖するのを防ぎます。
 HIVの産生が止まると、体内の免疫細胞が長く生きられるため、感染から身体を守ることができます。有効なARTは、体内のウイルス量が与えるウイルス負荷を減少させ、ウイルスを性的パートナーに伝播させるリスクを大幅に低下させます。HIV陽性パートナーをもつカップルがARTを受けている場合、HIV陰性パートナーへの性交渉による感染の可能性は96%も低下させることができます。HIV治療の適応範囲を拡大させることは、HIV予防への取り組みに貢献しています。

事実6:2016年半ばまでに、世界で1,820万の人々がARTを受けました。
 ATRを受けているもののうち、1,600万を超える人々が低所得国と中所得国で暮らしていました。2016年に、WHOは、「HIV感染症の治療と予防のための抗レトロウイルス薬の使用に関する統合ガイドライン」の第2版を公表しました。このガイドラインには、CD4細胞数にかかわらず診断後はできるだけ早く、HIVに感染しているすべての妊娠女性および授乳中の女性を含めて、すべての子供、青少年、成人に生涯にわたるARTに提供するなど、いくつもの新しい勧告を示しています。
 また、WHOは、HIVに感染するリスクが高いとされる特殊な環境の人々には、HIV薬曝露前予防策(PrEP)を提供することの勧告にも初めて言及しました。代替治療の一次治療レジメンも勧告されています。

事実7:HIV検査は、必要とされる人々に確実に治療を行うことに役立ちます。
 2030年までにエイズを終息させるという目標を達成するためには、HIV検査や医薬品の利用環境が今まで以上に劇的に改善されることが必要です。HIV検査を受ける人の範囲は、依然として限られています。HIV感染者の約40%(1,400万人)を超える人々が、診断を受けておらず、 彼らは感染の状態を知りません。WHOは、診断を受けていない人々でのHIV検査の利用を増やすために画期的なHIV自己検査機器とパートナーへの通知方法を勧めています。

事実8:約180万の子どもがHIVに感染しながら生活しています。
 2015年には、サハラ以南のアフリカで暮らし、妊娠、出産、授乳中にHIV陽性の母親からウイルスを伝播され、感染しています。 2015年には、約150,000人の子ども(110,000-190,000人)が、新たにHIVに感染しました。

事実9:母子感染の撲滅は現実味を帯びています。
 予防への介入を利用できる環境は、多くの低所得国や中所得国では限られています。しかし、母子感染の予防や母親の生存など、いくつかの分野では、進展がみられています。2015年には、世界でHIVに感染している妊娠女性10人のうち8人(女性110万人)に抗レトロウイルス剤が投与されました。2015年に、キューバは、WHOが母親から子どもへのHIVと梅毒の伝播を撲滅させたことを宣言した最初の国となりました。2016年6月には、アルメニア、ベラルーシ、タイの3か国も、HIVの母子感染の撲滅が認証されました。

事実10:HIVは、活動性結核を発症させる最大の危険因子です。
 2015年に、世界で結核を発症した1,040万人のうち120万人(11%)がHIV陽性でした。 また、同年、HIVに感染しながら生活している人のうち約390,000人が結核で死亡しました。推定でのHIV関連の結核死亡者数が、WHOアフリカ地域事務局内で、約75%を占めました。


厚生労働省検疫所 FORTHより

2017年5月4日付で、汎米保健機関(PAHO)より、ヨーロッパでの麻しん患者の報告が増加していることを踏まえて、(アメリカ大陸地域でも)人々を麻しんと風しんから防ぐために、調査活動の体制を強化し、適切な対策を実施することと、アメリカ大陸地域でこれらの病気が既にゼロである状態を維持することに努めることを、加盟国に要請しました。 ここでは、公表された注意喚起情報のうち、発生状況についての要旨を紹介いたします。

アメリカおよびその他の地域における発生状況の概要

 2016年には、アメリカ大陸の3か国で麻しん確定患者93人が報告されました。これは、アメリカ大陸史上で最も低い発生率(0.093/1,000,000人)でした。しかし、この年、疑い患者の報告率が大幅に低下し、人口10万人あたり1.9と最も低い水準に達していました。麻しんおよび風しんの疑いのある患者に対する高い報告率を維持することで、感染輸入される患者は(初めて)速やかに発見されることが可能となります。

 2017年第1週から第17週までの間に、アメリカ大陸地域の3か国から患者84人、アルゼンチン(2人)、カナダ(39人)、アメリカ合衆国(43人)が、報告されました。2016年と2017年に確認された患者すべてが、世界の他の地域から感染輸入されたもの、もしくは、感染輸入に関連したもの、または、感染源が不明なものでした。入手できている情報に基づく2017年にアメリカ大陸地域で報告された確定患者の主な特徴は、次のとおりです。
ワクチン接種については、接種を受けた人が47%(37人)、ワクチン接種を受けていない人が40%(31人)、ワクチン接種歴が不明な人が12%(10人)でした。患者6人については、ワクチン接種歴に関する情報がありませんでした。
年齢に関する情報のあった患者76人のうち、15〜39歳の青年および成人が49%(37人)でした。
性別について得られた情報では、患者73人のうちの59%(43人)が男性でした。
感染した可能性のある国について情報が得られた患者は46人で、このうち57%(26人)がインドからでした。
確認された遺伝子型は、アルゼンチンではD8、カナダではB3とD8、米国ではD8、B3、H1でした。

 2016年1月初めから2017年5月1日までに、ヨーロッパ37か国から合計で麻しん患者7,847人が報告されました。2017年に報告された患者は、このうちの34%でした。患者の大半は、ルーマニア(3,181例)およびイタリア(1,549例)から報告されました。入手できている情報によ基づく2016-2017年にヨーロッパで報告された(麻しん)流行の主な特徴は、次のとおりです。
ワクチン接種歴について得られた情報では、患者4,646人のうち87%がワクチン接種を受けていませんでした。
年齢層について得られた患者5,101人からの情報では、1〜4歳の子どもが31%、20歳以上の成人が27%でした。
入手できたデータに基づき確認された遺伝子型は、D8(669人)、B3(323人)、H1(28人)およびD4(2人)でした。

 また、同じ時期に報告されたすべての患者のうちのヨーロッパ4か国で、死亡者が25人(ポルトガルで1人、ルーマニアで22人、スイスで1人、イギリスで1人)報告されています。

 この他の大陸では、2016年から2017年にかけて、中国、エチオピア、インド、インドネシア、ラオス、モンゴル、フィリピン、ナイジェリア、スリランカ、スーダン、タイ、ベトナムなどで、麻しんの流行が報告されました。

 南北アメリカ地域は、国際専門家会議(IEC)が2015年に風しんに対して、2016年に麻しんに対して、それぞれにゼロとなったことを宣言した最初の地域でした。このため、これらの排除達成を維持するための取り組みを続けていくことが重要です。これらのウイルスの侵入および拡散を防ぐための軸となる対策は、感染し易い人々へのワクチン接種と、麻しん疑い患者と風しん疑い患者をどんな場合でも速やかに発見できる感知度を備えた質の高い調査体制になります。

 他の大陸では(現在も)麻しんウイルスと風しんウイルスの感染伝播が続いていることを踏まえると、 南米(7%)と中米(6%)を中心に、2016年に国際旅行でアメリカ大陸に降り立った人が4%増加していることや、北半球の国々ではホリデー・シーズン(夏期休暇シーズン)が近づいていることなどから、ワクチン未接種の旅行者の中から患者が発生することが予想されます。

厚生労働省検疫所 FORTHより

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