トラベルクリニック海外渡航者センター     品川イーストクリニック

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 2017年10月18日に公表されたWHOからの情報によりますと、マダガスカルでのペスト発生に関連して、セーシェル諸島ペストが疑われていた患者からの検体は、フランス・パリのWHO共同検査施設で検査したとこる陰性であったことが、10月17日に発表されました。

記事の詳細

 セーシェル諸島政府・保健省とWHOは、マダガスカルから帰国し肺ペスト様の症状を発症し、感染の可能性の高かった患者、34歳のセーシェル人と、数人の疑い患者の感染状況を確かめるために、パスツール研究所にあるペスト菌の共同研究施設に10検体を送付していました。
 WHOは、近国マダガスカルで拡がっているペストのリスクを抑えるために、セーシェル諸島政府・保健当局と協力しながら、活動してきました。マダガスカルでは、8月以降に70人以上の死亡者を出す前例のない流行に直面しています。セーシェル諸島では、これはでにペスト患者が確認されたことはありませんでした。
 WHOは、検査施設での検査サポートとともに、115か国に専門家と医療必需品を配置しています。(また)WHOは感染の疑いのある人との接触者の追跡や治療指針のためのガイドラインを提供しています。

「私たちは保健当局と協力して、調査活動と(感染への)備えを向上させることにより、セーシェル諸島にペストが拡大するリスクを抑えることに努めています。」と、WHOアフリカ事務局・緊急事態担当局長Ibrahima Soce Fall博士は述べています。

WHOは、WHO国際保健規則に則り、セーシェル諸島政府に対し、調査活動の強化、疑い患者の隔離と治療、接触者の追跡、接触の可能性のある者への予防投与薬による治療など、公衆衛生対策の実施について進言しています。
 現在、WHOは、(今回の患者の検査が陰性であったため)セーシェル諸島でペストが拡がるリスクは低いと判断しています。


厚生労働省検疫所 FORTHより


 麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって起こる病気です。空気感染、飛沫感染、接触感染によって、人から人にうつります。その感染力はウイルスの中で最も強く、麻しんを発症している人と同じ部屋にいるだけで(空気)感染することがあります。また、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、肺炎や脳炎などの重い合併症を起こすこともあります。

 欧州のいくつもの国で麻しんの流行が発生しており、2017年10月13日付けで、欧州疾病対策センター(ECDC)は2016年9月からの1年間の麻しん患者のうち87%がワクチンを接種していなかったと述べ、ヨーロッパ全土にわたり、すべての年齢層での麻しん感染への注意を促しています。ルーマニアでは2016年10月に、イタリアでは2017年1月に、ドイツでは2017年2月に流行が発生しました。
 ヨーロッパでは、30か国のうち18か国で1回のワクチンの接種率が95%に達しておらず、2回目となると27か国のうち20か国が95%を下回っています。

 麻しんは予防接種で予防することができる病気ですが、予防効果を確実にするためには、2回の接種が必要です。麻しんの流行がみられる地域へ渡航する前には、母子健康手帳などで、予防接種歴を確認してください。麻しんに感染したことがない方で、麻しんの予防接種を受けたことのない方や1回しか接種していない方、または予防接種を受けたかどうかがわからない方は、渡航する前に、早めに医師に相談してください。
 ヨーロッパの詳しい発生状況の情報は、原文でお確かめください。


厚生労働省検疫所 FORTHより

麻疹について詳しく見る

アフリカにおける感染症の発生状況の週報[第40週(9月30日-10月6日)]が公表されました。マダガスカルで発生しているペストのリスクに対する取り扱いが、Grade 1からGrade 2に引き上げられています。

ペストの発生状況

 マダガスカルでのペストの流行は、この数週間で、さらに悪化しました。2017年9月29日に報告されて以降、新たに疑い患者が254人(死亡者21人を含む)報告されました。8月1日から10月8日までの累積患者数は、確定患者、感染の可能性の高い患者、疑い患者を含めて387人となり、死亡者も45人(致死率11.6%)報告されました。このうち、患者227人が肺ペスト、106人が腺ペスト、1人がペスト敗血症、3人が分類不能となっています。この患者の中には、9月29日にセーシェル諸島からきた公認バスケットボール(チーム)から出た確定死亡者も含まれています。この死亡者は、国際バスケット大会(インド洋チャンピオン杯)に参加していました。また、南アフリカ共和国からの公認バスケットボール(チーム)からの確定患者1人も確認されました。この患者は、Antananarivo(アンタナナリボ)で治療を行っています。さらに、ある地区の病院施設で働く医療従事者の少なくとも8人が、9月30日以降にペストに感染しました。

 患者387人のうち、38人はPCR検査法によって診断が確定されました。また、164人は迅速診断検査で陽性と判定されたことから感染の可能性が高い患者に分類されました。残る185人は疑い患者とされています。国内、22地域圏のうち(常在していないとみられていた北部と南東部を含む)14地域圏で、感染が発生しました。

 マダガスカルの高原地域(現在の感染の発生源となっているAnkazobeの街を含む)には、ペストが常在することが知られており、ほとんど毎年、9月から4月にかけて、患者が報告されています。今年はいつもの流行パターンとは異なり早くに、ペストの流行シーズンが始まりました。今回の病気は、首都アンタナナリボや港湾都市Toamasina(トアマシナ)など、都市の中心部で発生しています。

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公衆衛生上の取り組み

・公衆衛生大臣による主導の下で、多岐の領域にまたがる国の感染対策・調整会議が設立され、ペストの発生への対策の調整が諮られています。重要なテーマとなる領域に取り組むさまざまな小委員会(疾病調査、社会活動員の動員、媒介生物の駆除、患者の管理、物流支援など)も、設置されています。
・WHOと支援団体からは約680万ドルの支援を得て、包括的な国の感染対策の計画が策定されています。国の担当当局およびWHOは、ペストの発生への対策を支援するイギリス国際開発省(DFID)、アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)、フランス大使館、ドイツ国際協力公社(GIZ)、アフリカ疾病対策センターなど、いくつもの支援組織と連携を取っています。
・WHOは、直ぐに現場で活動できるように、緊急対策のための基金から150万ドルの利用を可能にし、追加の資金についても支援者への緊急要請を発しました。
・保健省および国のその他の担当当局を支援するために、WHOとGOARN(地球規模感染症に対する警戒 と対応ネットワーク)が、緊急対策チームの派遣を始めました。10月4日までに、この流行への対策のために、WHOの国事務所のスタッフを再編成するなどして、専門スタッフ32人を配備しました。
・USAIDプロジェクト、国連児童基金(UNICEF)、赤新月社国際連盟(IFRC)からの2000人を超える地域保健医療活動員ボランティアが、接触者を追跡するための訓練を受けています。
・WHOは、バスケットボール大会に参加した国と、マダガスカルとの貿易や旅行での繋がりのある国、(これら)7か国に対して、リスクが高い最重要国として、ペストに対する備えとその着手への支援活動を行っています。

発生状況への認識

 マダガスカルでの肺ペストの流行発生は、肺ペストが感染伝播の増加と致死率の上昇に関係することから、予想されたとおり、この数週間で急激に悪化しています。国内・国外ともに、急激に地理的に拡大する可能性への大きな懸念があります。この国はペストの流行への対応経験を持ってはいますが、現在、その対応能力は(最大に)伸びきっています。政府の財政支援と活動能力では、流行の悪化に対応し続けられません。このため、WHOと支援組織は、政府の取り組みを支援すべく、流行への対策の規模を拡大させています。

 感染対策の活動は、現在、感染が発生している地域で続けられています。しかし、いくつもの課題があります。この段階で最も必要かつ重要なことは、感染対策に24時間活動できるような専属チームをもつ国としての調整官を任命し、全国の協調体制を速やかに向上させることです。これにより、流行を食い止めるための政府と支援組織との協調活動の影響力を最大限に引き出せるでしょう。施設での適正な隔離と治療を確立させ、感染の予防と制御への対策の規模を拡大することが急務となります。地域社会でのリスクの情報交換と地域社会での活動員の参加は非常に重要です。最終的には、疫学調査および昆虫学の調査を強化し、ペストの伝播を減らすためにリスクの高い地域住民およびその地域に焦点を合わせ、媒介生物の駆除や地域の活動員の参加の強化することが必要になります。また、入国地点など周辺の地域圏および周辺諸国を含めた(感染への)備えとその着手が強化される必要があります。WHOおよび支援組織は、GOARNを通じて必要な人材を引き続き派遣しています。


厚生労働省検疫所 FORTHより

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